【オーストラリア大学院留学】給付型奨学金 JASSO(大学院学位取得型)書類審査-後編-
こんにちは,Hayuです☺
前回お伝えした海外大学院留学の給付型奨学金JASSOの書類審査についての情報をシェアしたいと思います。
前編はコチラ↓
➂業績等について
これは履歴書みたいなものです。が,A41ページで空白なので,自分でフォーマットなどを考える必要があります。海外のレジュメを作成する感じですね。
私の場合は,大学での受賞・勤務・留学歴などをそれぞれ表にして,履歴書の要領で書きました。履歴書と異なる点は,何をしたかに加えて,それによって自分が何を得たかも書き,自身のスキルをアピールする点。
これは今まで何をしてきたかを書くものなので,内容は変えようがありません。けれど一番大切なのは何をしたかではなく,それをどう留学先での研究に生かし,日本に貢献できるかです。自分はこれをしました!というのを伝える場ではなく,何をしたことで何を得て,それがどう今後の研究に繋がるのか(自分は研究計画に書いてあることを遂行するスキルがありますというアピール)を書く場です。過去(業績等)と未来(研究計画)を繋げるイメージ。
もしもたーくさんのことを経験し,たーくさんスキルがあったとしても,それをうまく伝えなければ意味がありません。どう自分を見せるか,どう文章にするかがカギだと思います。全ては書き方。どれだけスキルがあるように,賢そうに書くか。
例えば
「在籍大学にて交換留学生同士の文化交流イベントを行い,学内の異文化交流を促した。イベント終了後のアンケートでも高評価を得た」
ではなく,
「在籍大学にて交換留学生同士の文化交流イベントを主催し,2日間で計320人の留学生の集客を実現させた。イベント終了後のアンケートにて,95%の参加者から10段階評価の内の最高評価を受け取った」等。
後者の方が高いスキルがあるように感じますし,したことだけでなくしっかりと結果を出せたという事も伝わります。
工夫すべき大きな点は,
1.具体性
:何をしたかを淡々と書かない。それは勿体ない。具体的な数値等を入れて信憑性を出しスキルを強調する。
2.動詞
:例えば「~を行った」というよりも「~を遂行した/達成した」の方が,「~の能力を磨いた」よりも「~の能力を習得した」の方が賢く聞こえる。海外の履歴書の書き方のように,使うべき動詞,使わないべき動詞というものがあるかなというふうに思います。
してきたことは変えられないからこそ,内容ではなく書き方で細かい部分まで工夫する。
➃研究計画及び進路計画書
どの奨学金でも必ずある書類です。この書類でそれぞれ国費だったりある団体・機関のお金で留学する意義をアピールするので,とても重要な書類となります。
以前まではA42ページだったようですが,私の応募した年からは1ページのみに変更になっています。なので,あまり詳細には書ききれません。自分が絶対に伝えたいポイントを,端的にかつ具体的に書く必要があります。
私は大まかに以下のように構成しました。
・自身の長期的な目標とその目標の必要性
・留学先大学のプログラムや履修予定授業とそれから得られるスキル
・留学後の短期・長期的な進路を具体的に
書く内容は指示があるので同じになるとは思いますが,それをどう表現するかに書類審査はかかっていると思います。絶対に日本には自身の研究が必要で,絶対に留学しないといけなくて,絶対にしっかりとやり遂げられる!ということをアピールします。
今までたくさんの方の書類を見させてもらい感じた注意すべきポイントは,
1.誰にでもわかるように書く
審査員の方は自分の研究の分野外の人がほとんどだと思うので,誰が読んでも理解できるものを書く必要があります。よく私の分野外の研究計画を書かれている方のものを読むと専門用語が多すぎて何が何だかわからないことがあります。専門用語には説明を一言でもつけたりする必要があります。
是非分野外の友人に読んでもらったり,究極親が読んでも理解できるようにしてください。
2.研究の必要性をしっっかりと強調する
今まで読ませていただいた書類でほとんどの場合圧倒的に足りていないのがこれ。
全ての奨学金は誰かのお金ですよね。企業や団体の大切な財源です。JASSOであれば国民の汗水垂らして働いて納めたとても大切なお金です。
「私はこの研究がしたいんです。だってだってこれは必要だと思うから。なので経済援助してください」というスタンスでは奨学金を渡す側が「是非この人に投資したい」とは思わないわけです。個人の感想文じゃないんです。今どういったことが日本・世界で起きていて,それがどういった深刻な問題になっていて,それを解決するにはどうすべきなのか。
なぜ日本じゃなくて海外で研究を行う必要があって,なぜ誰かのお金を使ってまでその研究を行う必要があるのか。
それが財団に伝われなければ採用はされません。
JASSOは国民の納めた税金が財源。ということは,道を歩いている日本在住の人に声をかけて「こんな研究があって,これにあなたの納めた税金が使われることに対してどう思いますか?」と聞いて,肯定的な意見をもらう必要があるんです。誰かのお金で研究をするとはそういうこと。
3.根拠は何かを書く
その問題の解決が求められている理由や、その研究で解決できる根拠を示す際に、「~だと思うから」では信頼性や説得力に欠けてしまいます。
ここで重要なのは、具体的な経験や数字を用いた根拠。例えば、先行研究の結果や、政府が公表しているデータなどが典型的で、説得力を持たせる上で効果的な例かなと思います。
4.なぜ留学にお金が必要かということをJASSOは聞いてるんじゃない→書かない!
JASSOが聞いている奨学金に応募する理由は,いかにお金が必要かじゃないんです。応募する時点で全員留学の為のお金が欲しくて応募していますからそれは言わなくとも明白です。
何を訊いているかと言うと「なぜ国民が死ぬほど一生懸命働いて納めた税金を,あなたの研究に投資する必要があるんですか?」ということです。「どうやってそれをお国に還元してくれるんですか?税金でする意味ありますか?」と。
なのでいかに経済面で困っていて留学する為のお金が必要なのかという文章は全て省いて,その分の字数を研究やその後の進路等についての文章(研究の必要性)等に使ってください。
➄日本社会への貢献
これもA41ページです。自身の留学がどのように日本に貢献できるのかと,留学中・留学後の貢献について書く必要がありました。過去(業績等),留学という未来(研究計画書),留学後の未来(この書類)を点と点で結ぶ感じです。
留学の日本への貢献については,➃の進路計画の目標の必要性の部分を具体化しました。自身の研究が誰に・どのように影響して,その結果日本がどう利益を得るのかということを重点的に書きました。
留学中・留学後の貢献については,私は留学支援活動などの経験があったので,それを活かしての日本への貢献方法(日本からの留学促進,日本の大学の留学先でのPR等)を書きました。ここは人によってかなり違う且つ正解はないのである程度は個性が出るところだと思います。
どのような方法であっても手段等を具体的に示し,実現可能なことをアピールしたいですね。他の方のブログでは,日本食を披露するというのをよく見受けました。
➅その他Tips
さて,それぞれの書類について一通り説明しましたが,書類以外で私が感じたことを述べるとすると…
・人に頼る!!!
:添削してもらっていた大学の国際部の先生に言われました。誰にでも頼っていいんだよーって。莫大な金額の奨学金なのだからこそ,周りの人に助けてもらって是非突破しましょう。もちろん私でよければ全力でお手伝いします。
私は教授・友人・家族・私のようにブログを書いていらっしゃった知らない人数人に全力で助けを求めました。採用をいただけたのは私を支えてくださったすべての方々のおかげだと思っています。教授は推薦状を書いてもらうので,一番アドバイスをもらいやすいかもしれませんね。
奨学金に受かる方はいろんな人の意見をもらっているように感じています。
・第三者に書類を見てもらう
:2人くらいに「自分で書いたら自分を肯定(アピール)しきれていない」みたいなことを言われました。やはり書類は自分を評価してアピールするものなので,私のような自己肯定感の低い人はなかなか文章でそれを表現できないと思います。第三者から自分の良いところを是非アピールしてもらいましょう。
・奨学金応募の経験者の情報を探す
:JASSOの奨学金は他の奨学金と比べて受給者がとても多いため,探せばたくさんブログなどが出てきます。そこで私の記事に書いているようなアドバイスを得ると良いと思います。ちなみに私は2人くらいの方に直接連絡・コメントしたりしてアドバイスをいただきました。皆さん誰かの役に立とうとブログなどを書いていらっしゃると思うので,きっと助けてくれると思います。
以下の記事に書類の書き方,面接で気を付けるべきこと等の情報をより詳しく書いていますので,是非読んでみてくださいね↓
以上,書類審査のアドバイスでした!
皆さん不安だと思いますが,私も超不安でした。泣きながら書いたこともあるし,不眠にもなりました。万が一奨学金に落ちたとしても後悔が残らないくらい努力しました。落ちたとしても絶対に無駄にならないです。
困ったらいつでもお気軽に連絡くださいね。
簡単なアドバイスであればコメント欄でご連絡を頂けたらと思いますが,詳細のアドバイスについては時間の関係上有料にさせていただいています。
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この記事が誰かのお役に立てますように。
Hayu