麻婆豆腐〜かくも深く、美味い世界〜

イントロ


オメェラァぁぁぁぁ!!!!!
好きな料理はなんだァァァァァ!!!!!!

(せーの)

!!!!!麻婆豆腐!!!!!

初っ端からうるさくてごめんなさい。
でもそれだけ麻婆豆腐が好きなんです。

この世に無数の料理があれど、「麻婆豆腐が嫌いな人」がいるでしょうか。
周りにいます?そんなやつ。いませんよね。麻婆豆腐は、万人共通の美味さを持ちます。

多様な麻婆豆腐の世界とその起源

では、皆さんの好きな麻婆豆腐はどんな味・色でしょうか。おそらく人によって思い浮かべる麻婆豆腐は違うでしょう。

例えば、甜麺醤と豆板醤と豆豉からなる、現代的・本格的な麻婆豆腐。

本格的なビジュアルの麻婆豆腐

これを思い浮かべた人、麻婆豆腐に慣れていますね。良い友達に慣れそうです。

次に、甜麺醤を使わず、豆板醤と醤油をメインに作ったような、大陸中華屋にある麻婆豆腐。

中国人がやっている中華料理屋(大陸中華)の麻婆豆腐

元田中に群生しているような、四川・東北・広東など中国大陸全体の料理をなんでも出すような、中国人経営の中華料理屋(これを「大陸中華」と呼びます)にあるような麻婆豆腐です。


最後に、豆板醤もほとんど使わないような、古くからの町中華にあるようなサッパリ系麻婆豆腐です。

古びた見た目の日本人経営の町中華の麻婆豆腐

これはレトルトの甘口麻婆豆腐によく見られます。子供でも安心して食べられる味ですね。実はこれ好きです。

簡単に挙げただけでもこの三種類に大別されます(分類・命名の仕方は僕の独断と偏見によります)。ちなみに、どれが本物だとか、どれが美味しくないとかはありません。これらそれぞれに独自のおいしさがあります。
というか、これは料理そのものに言えますが、

食べているその人が美味しいと思うものこそがその人にとっての逸品であり、「全員にとっての逸品」などは存在しないこと

を強調しておきます。

さて、まずは「麻婆豆腐が多様な変化を遂げている」ということを頭に入れておいてください。
先に挙げた三種類も、グラデーションに囲まれたシームレスな違いを持っています。調理法・使用する調味料などで分類していけば、もっともっともっともっと多種多様に分類されていき、広辞苑の見開き1ページを埋めるでしょう。

とはいえ、実は麻婆豆腐は長い歴史の中で分化していった料理ではありません。各種文献を参照しても麻婆豆腐が誕生したのは1860〜70年代とされており(文献によって多少の揺れがあるが、おおよそこの範囲に収斂する)、せいぜい160年ほどの歴史しかありません。太平洋の反対側でアメリカがドンパチ南北戦争をやっている頃に誕生したのです。
そもそも、麻婆豆腐の発祥は中国は四川省の省都である成都にある「陳麻婆豆腐店」であるとされています(参照:https://chenmapo.jp/history/)。発祥の店がいまだに残ってるのはすごいですね。当時、質の悪い水牛の肉と豆腐と油を労働者向けに美味しく調理しようとしたのがその起源であるとされています。ちなみに、当時の四川省には甜麺醤は伝来していなかったか、していたとしてもそれほど普及していなかったと考えられるため、当時の麻婆豆腐は甜麺醤の入っていない状態ではなかったかと推測されます(俺調べ)。

甜麺醤とは?
甜麺醤とは、小麦粉と塩からなる黒色の甘味ある味噌。北京が中心的な製造地とされている。麻婆豆腐以外に北京ダックにも用いられ、現代中国を代表する調味料。
参照:金鳳隻「中国の味噌様大豆発酵食品(醤、豆鼓、豆腐乳)について」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9C%E9%BA%BA%E9%86%A4


誕生からたった160年の間に、多様化した調理法と調味料により中華料理の代表格と言われるまでに進化し世界中に広がっていったこと、これこそが麻婆豆腐の特徴です。 

ちなみに先に挙げた麻婆豆腐の発祥の店である「陳麻婆豆腐」は、全世界の麻婆豆腐好きのメッカです。麻婆豆腐は、中国で国家が認めた「国を代表する料理」の一つとされており、基本的には陳麻婆豆腐本店の味は国外不出とされております。

で❗️す❗️が❗️

その味を世界で唯一、国外で提供することを許されたのが日本です!陳麻婆豆腐の伝統的な味を日本にいながら味わえるのです!素晴らしい…。大阪のルクアイーレに陳麻婆豆腐大阪店があるので、ぜひ一度訪れてみてください。

次回は「俺的麻婆豆腐ランキング」です。

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