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VLCNPのPublic Saleに来たBotと、今後の運営がとれる対策について

2022年8月2日、VLCNPのPublic Saleがありましたが、700枚ほどのNFTが数十秒で、Botに買われてしまってPublic Saleが終了しました。今回、Public SaleにおけるBotの解説と、運営がとれる対策について説明します。

まずはじめに、今回のVLCNPのプレセールにおいては、11111枚中、10000枚以上が買われており、Public Saleに放出したのは全体のうちの10%未満でしかありません。そのため、全体の9割以上は運営の狙っている人に届いたわけであり、即座に失敗と断ずることは出来ないと思っています。

そのうえで、運営はPublic Saleを今後どう設計すればいいのか考察します。

VLCNPに来たBotの解説

まず、今回、VLCNPでは多数のBotterが現れているのを確認しています。PreSale が終わった時点の段階でMint試行して失敗したTXが多数あるため、複数のBotterがVLCNPを狙ったであろうことが推測されます。最近はガス代が安く、かつ日本のNFT-PJが注目されているためか、日本の中小規模のNFT-PJにも多数のBotが来るようです。

https://etherscan.io/tx/0x384341d56941ebfc8294c35e8c49a51caf68630dba014bec0aed939e2c0a668a

今回、とりわけ目立つのがこのBotで、一気に200個以上のVLCNPを購入しています。これは、事前にBot用のコントラクトをデプロイしておき、Botコントラが大量の購入処理をするタイプです。TXごとの購入枚数制限を突破することが出来、もっとも効率がいいBotと言えるでしょう。

このタイプのコントラBotは、今までデプロイだけで数万円以上かかっていたのでよっぽど勝ち確のPJじゃないと来ない印象がありましたが、最近はガス代が安いのか日本のPJにもよく訪れます。(EDOにも来ました)

ちなみに、このタイプのBotは、上記のように、コントラクトにてtx origin をチェックすることで防げそうです。(MEGAMIにこの処理が入っていました)今後、自分がエンジニアするときはおまじないのように入れておこうかなと考えています。
ただ、このタイプのBotを防いだところで、TXをスクリプトか何かで大量に飛ばすことで効率が悪いですがBotterすることが出来るので、根本解決にはならないと思っています。また、直コンやガス代上積みなどにより、ブロックチェーンの知識のあるユーザーが有利なことに変わりはありません。

Tiffany NFTの実装

また、Tiffany NFT は、早押しにおけるWebでのMintを強制するため、署名を利用したKYC処理がコントラの中に入っています。これは、コントラの実装としては、WhiteListと同一で、Webサイトによる認証を強制します。ここまですれば、ある程度一般ユーザーと早押しの条件を合わせることが出来るかもしれませんが、Webサイトの実装コストが非常に高くなる問題があります。(また、この認証処理が失敗して貫通したのが NEN STUDIOです。。。)

私の考えとして、早押しという仕組みを採用する以上、Botを完全に防ぐのはほぼ不可能であり、またある程度、値段がつく見込みのあるPJであれば、なるべくWhiteListセールで販売するのがよいと考えています。

運営としてとれるPublic SaleのBot対策

さて、NFTプロジェクトの運営としてはどのようにPublic SaleのBot対策をすればよいでしょうか。私は、運営コストを考えると、プレセールですべて売り切る設計にするか、抽選の仕組みを導入するべきだと考えています。抽選で売れ残らない可能性も考えると早押しセールも最終段階で用意するべきですが、告知する、しないに関わらず、Pre Sale, Public Saleの間に、指定された人しか買えないセールを出来るように体制を整えるべきです。

手前味噌ですが、私が運営として入ったKawaii Meta Collageでは、プレセール時点でPublic Sale 販売価格より二次流通価格が二倍以上になったため、急遽Public Saleを早押しから抽選に変えました。

この仕組みの利点としては、コントラクトを変更する必要がないということです。仮に事前準備が無くても、WhiteListのアドレス設定を運営が変更するだけで対応することが可能なので、直前に意思決定することが可能です。Kawaii Meta Collage も、パブリックセールの2時間前にセール販売方式の変更をしました。

抽選形式にする場合、複垢Botに注意

また、抽選形式は運営コストがかからないため優秀な方法なのですが、だれでも参加できる形式の場合、複数アカウントを利用した複垢Botが大量に来る可能性があります。

複垢チェックがザルだと、結局Botに荒らされてしまうため、抽選形式にする場合、最低限PreMintなどを利用して、walletの残高をチェックする必要がありそうです。

Kawaii Meta Collageの場合は、抽選形式への変更を発表すると同時にDiscordへの新規入会を一時クローズして、複垢Botが来ることを防止しました。

Pre Saleで完売させる方式について

また、もう一つのBot対策として、Pre Sale で購入できるwallet の数を全体の販売枚数より超えさせることで、Pre Sale ですべて売り切ってしまう策です。CNPJがこのような形式で販売し、Pre Saleですべてを販売しました。

ただ、この方式だと、Pre Sale がNFTの購入を保証しないので、一部のユーザー(特に初心者)にとっては不評となります。せっかくWhiteListをゲットしたのにセール時にユーザーが張り付かないといけませんし、まごまごしている間に完売してしまう恐れもあります。

また、Asagiが、両者の問題を解決するため、ハイブリッド形式をとっています。これは、開始15分まではWhiteList 付与者の購入を確定させ、開始15分後以降は購入できる枚数を販売枚数以上まで底上げする形です。これは私としては非常に面白いと思っている仕組みで、WhiteListを持っている人の購入を確定させ、なおかつプレセールで確実に完売させる仕組みです。エンジニアの負担も少ないため、これが今後の販売方式の決定版になってくれると嬉しいな~と思っています(笑

まとめ

今後、日本のNFTの注目度があがるため、国内・海外を問わずBotterに狙われやすくなっているため、運営は今まで以上に慎重にセール方式を設計する必要があります。この記事がNFT-PJの運営の一助になると幸いです。

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