パンも、きっと気にする、空気感。
パンを焼くことが生業なので
パン焼きへの拘りって
勿論必要なんですけど
一方で
その匙加減とか
緩急みたいなものは
忘れちゃいけないなって思うんです
これね
うまく言語化できないんですけど
個々の表現の方向性にもよりますけど
正直、これまで30年ほどパンを焼いてきた結果として言えるのは
僕の場合は
寝食を忘れるほど、魂注入すれば
良いものが出来るって
訳でもないんです
何もかもを自分がイニシアチブを取って
隅から隅までをコントロールするような
ピリピリした空気の中で
パンを焼いていると
ちょっとした綻びを見つけた時に
いとも簡単に集中力って切れてしまうもので
そういう時
出来上がったものに対して
なんだろう、もう見たくない!みたいな
憎しみに近い感情を持ってしまうんですよね
完成図との違いが
もう嫌で仕方がないから
お客様に手渡す時に
結構ネガティブな感情が否めなかったり
言い訳をしたくなる
だけど、そんな時に
OK、OK、じゃあこうしようよ、みたいな
寄り添いながら
お互いのその時の落とし所を
見つけていく的な
いろんなことを許容できる大らかさとか
愛のある関係性が介在していれば
笑顔で送り出すことができるんですよね
完璧な完成図があって
もうただただ
そこに向けて全てを注ぎ込むような
流れよりも
到着点は凄くざっくりしていて
その道中に起こることを楽しむ事に
重きを置いていく方が
どうやら自分には向いてます
だから結果は
正直毎回違いますよね
その再生もまた難しい
だけど、
一期一会でいいんじゃないかしら
そう思ってます
素材とか製法とか
バックグラウンド、とか
そういうベーシックなものを
きちんと押さえておいて
あとはフリーハンドで行っちゃうような
今の自分のパン焼きは
結構いい結果につながってるように
思うんです
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