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🎶バゲットとカスクートと私〜🎶

☆今朝の画像はバゲットです

勿論他のパンも同様ですが、より神経を擦り減らすのがバゲット

特に今年に入ってから採用している、自分が求める美味しさを持つバゲット作りは、要所の勘所の許容範囲が大変狭く、またその修正も取りにくいので、尚更です

今、私が求めるバゲットには美味しさのテーマがあります    

それは「カスクートにして美味しいバゲット」

例えば、外皮はバリッではなく、パリパリして欲しいし

中身は白色ではなく、クリーム色であって欲しい

不揃いの気泡が点在して欲しいし、その膜は薄く、光に照らすとキラキラと輝いて見えて欲しい

外皮のパリパリは、オーブンでしっかりと膨らむことで、皮が薄く伸び、適度な火通りであった事を意味します

中身のクリーム色は、小麦の美味しさの素となるカロチノイド色素が、過剰なミキシングで破壊されずに残っている事の証

不揃いの気泡とその膜のキラキラは、生地管理が程よく行われた事と、小麦の澱粉質がしっかりα化した事の現れで、炊き立てのお米同様、甘味ともっちり感が増し、消化吸収が良くなり、血糖値の上昇も緩やかになります

話は変わりますが、私はひょんな事から22歳でパン屋になりました

誠に恥ずかしい事ですが、それまでの人生、まったくパンには興味がなかったので、パン屋になるまでも、その後2年間も実はフランスパンを食べた事がありませんでした

それがたしか忙しくて休憩が取れず、仕事しながら齧ろうと、店で販売していた、焼きたてからほど良く熱の取れたバゲットにバターを塗って、ハムとチーズを挟んだだけのカスクート/ジャンボンフロマージュを食べたのが最初

その衝撃ったら笑笑🤣

それまで私にとって、サンドイッチとは、ボリューミーながっつり系カツサンドを、殆ど噛まずにコーラで流し込むのが醍醐味だったわけですが→いや、それも間違いなく美味しいですが笑笑

シンプルな具材を挟んだだけのバゲットを、モシャモシャとしっかり咀嚼して得られる幸福感ったら

先輩の販売員さんの粋な計らいで淹れてくれたカフェオレとの相性も相まって、異国のパン文化の深い魅力を垣間見た思いがしたのを、はっきりと覚えています

あれからもう27年が経ち、少しはパン文化というものの理解も深まったように思いますが

あの時の美味しさをずっと目標として、同じような感動を与えてみたいと、今もパンを焼き続ける自分がいます
#バゲット
#カスクート
#ジャンボンフロマージュ
#和歌山パン屋

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