一緒にパン、焼こうよ
嬉しい事に、全国各地から、パン焼きの様子を観に、私たちの元を訪ねてくれる方が沢山います
僕のパン焼きは、革新的だとか流行とは無縁だし
それこそ教科書に載ってるような事ばかりで、なんて特筆出来る事のないパン焼きで、ガッカリしないかなぁと、いつも申し訳なく思うのですが苦笑
全国各地の幅広い世代の、パン焼きをされる方との時間は、私たちにとって、この上ない素敵なものです
そんな中でも、自分が価値が有ると思えるのは
パン焼きをしながら、いろんなことを話す事、なんです
教科書には、パンの作り方は、それこそ事細かに書かれてます
その通りつくれば、失敗はしない
だけど、大事なのは行間を読む事と
そこから、そのパンが生まれた背景を読みとる事、だと思っていて
その行間や背景を読み取る上で、訪れてくれた方と話すことは、大きな鍵になると感じています
レシピそのものは、どのパンも、実はそれ程変わり映えしないんですよね
だけど、何故そのパンが生まれたか、とか、
どういう狙いがあって、このレシピになったのかを理解できるかどうかで
作業内容や着地点が明確に見えてきます
例えば、パンドロデヴ、リュスティック、バゲット
其々の生まれた背景と時系列を押さえておけば、ちゃんとそれぞれの特徴を出した仕上がりになります
だけど世の中には、作り方自体に拘って満足してしまう方も多いし
なんなら、自己解釈でその3つをミックスしてしまって、結局そのパンである意味を感じられないもの(ごめんなさい)も見受けられます
自己表現も大事だし、人にとって欠かす事のできない要素ではあるけれど
その前にきちんとルーツを知っておくのは大事だし
それって、パンに対する敬意だよなぁ
なんて、思うんです
断言できますが、僕の焼くパンは、どれも自分で考えたものではありません
星の数ほど存在した先人たちが、気の遠くなるような時間と熱意をかけて、築き上げてくれたものばかり、です
それをきちんと次の世代にバトンとして繋いでいく
この歳になると、微力ながら、それが僕の役目で、これからもっと励んでいきたいと勝手に思っていたり笑
僕らのパン焼きの場が、そういう方達の交流の場になればなあと、思ってます
そうある事で、僕らも凄くラッキーなんです
#温故知新
#交流
#ルーツを知る
#和歌山パン屋