野球少年(おじさん)が出来上がるまで②

 父や伯父(2人は双子)や従兄とのキャッチボールやノック、バッティングは楽しかった。そんな感じで2年くらいが経ち、中学校に上がる。

 小学生時代、「スワローズの応援団でトランペットを吹きたい」という夢を持っていた自分は金管バンドでトランペットを担当していた。なので中学校での部活は吹奏楽部と野球部で天秤にかけた。
 結果、「人生で一回くらい運動部に入るか」くらいの気持ちで野球部に入った。一つ上の先輩には従兄もいたし。
 父に柏のベー○マンでZ○TT製のグローブを買ってもらった。とても嬉しかった。
 中学の野球部は野球自体はとにかくぬるかった。というよりさすが足立区の公立中学、絵に書いた様なヤンキーの先輩が居る。
 試合で相手チームに少し野次られるとルーキーズ張りにキレて没収試合になりかけた事もあった。
 ある日部室のカギが壊されて、備品のバットが一本も無くなったりもしたこともあった。折れたり凹んだりしてるのも含めてバットは一本も無くなっていた。それくらい先輩は野球をやりたかったのかもしれない(すっとぼけ)。
 
 しかしまあ、一つ上に従兄が居たお陰か、はたまた味方と思ってくれたのか自分の身にヤバい事は特に起きなかったのが救いだった。

 だが野球自体はぬるい野球部、顧問の先生もヤンキーの先輩も練習には来ず、毎日キャッチボールとトスバッティングくらいしかしない。そんな中、ボールが一球も無くなり、「荒川土手に拾い集めに行く」という謎イベントの日もあった。
 結果、フライもゴロもまともに取れず、投げられずだった。足も遅く、中学で野球も身体能力も上達した実感は無かった。
 最後の夏も初戦で負け、涙すら出なかった。

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