革の染色・加脂②
さて、週末の夜中に書いてます。まさかのMacBookを購入してしまったのでその書くぞ!っていうやる気と初期設定の面倒臭さの狭間にいます。誰か助けて…
スピッツのサンセット横浜の映像がYouTubeに上がってるのでそれでも聴きながら真面目に書きます。
前回、染色の直前まで書いたのでそこから。
革の状態を整えたらそこまでに見本とにらめっこして、染料をブレンドします。
ここが一番の難しさです。今までのデータをカットで見本に取っておき、それを参考にしながら見当をつけて染めていきます。
ドラムは木で出来ているので途中で中の確認も出来ないし、染料を入れた後も薬品を入れていくと色目や濃度が変わって行くのでその辺りは経験と勘を頼りにするしかありません。
最終的に仕上げで調整はしてくれますが、基本的に見本の色を狙います。
「薄めにしてちょっとずつ染料を足す」という方法も出来なくはありませんが、できて2度までかなと考えてます。やり過ぎると色落ちの原因になったりします。
染料の種類は僕が常用しているので2〜30種類ほど。色目にもよりますが単色でいける物もあれば多くて4種類くらいをブレンドしたり、重ねて濃度や色目を出して行きます。黒だけでも2〜3種類をブレンドして、濃度を出して真っ黒にします。でもやりすぎると色落ちしたり。そこら辺はいろいろ加減をしながら。
色がついたら油を添加していきます。野球のグローブ用の場合の油も数種類をブレンドしてドラムで革に入れていきます。phや温度が狂うと今までの工程が全部おじゃんになるので気を使います。
油を入れるとまた色が変化したりすることもあるのでまた見本とにらめっこ。
革は乾くとまた色が変わるのでそこまで気が抜けません。
基本的にはこんな感じです。ただし、処方によって大分変わります。
基本的にドキドキビクビクしてる
今年の初めくらいにN○Kの方が取材に来て
「革を作っているとき何を考えていますか?」
っていう質問があって
「グローブを使っている人の笑顔を想像して」とか言えばいいのに
「失敗したくねぇ…色ぴったりになって…」としか考えてないなあ、と答えた気がする。
もちろん、「上手く行くはず!」と思ってますが、結構毎日怖いんですよね。
会長に怒られるとかじゃなくて、相手が生き物なので毎回同じものってなかなか上がらないし、失敗すると直すのも色を落としたりっていうのが簡単ではないので。
多分来週もドキドキしながら染めてると思う。
けれどうまく染まった時の達成感は凄いんだぞ、と。
ドヤ感出して今日は終わろうと思います。