地頭力を鍛える(要約)
第一章:「地頭力」とは何か
人間の知的能力は3点ある。1.知識力・記憶力 2.対人感性力 3.考える力 である。この中で著者が地頭力と呼ぶものは3点目の「考える力」に当たる。
3つの知的能力について詳しく記述する。
1点目の「記憶力・記憶力」は物知りタイプの人の有している力である。多種多様な知識を深さとともに有していること、及びその為の記憶力を有していることにおいてビジネス・日常生活において強みを持つ。優秀な職業としてはクイズ王。思考でWhat思考である。漢字で表すと「知」的な力である。
2点目の「対人感性力」は機転が利くタイプの人の有している力である。場の空気が読める・人の心情を具体的に掴むことが出来る力である。優秀な職業の例を挙げるとコメディアンや司会者である。漢字で表すと「情」的な力である。
3点目の「考える力」は要領の良いタイプが有している力である。どんな分野の仕事に取り組んでも業務知識の習得が速くて高いパフォーマンスを発揮することが期待できる力だ。優秀な職業の例は数学者・プロ棋士である。漢字で表すと「理」的な力である。
地頭力を構成要素に分解すると、1.直接的構成要素となる3つの思考力2.それらのベースとなる論理的思考力と直感力3.全ての基礎である知的好奇心の三層構造に分かれる。
1.について。①仮説思考力②フレームワーク思考力③抽象化思考力の3点がある。
①について。「結論から」考える思考法。少ない情報から逆算して仮説を立て、立てた仮説を検証し、必要に応じて修正という流れを繰り返す。メリットとして最終目的まで効率的に到達することが出来る。
②について。「全体から」考える思考法。全体を俯瞰して考え方の切り口を選び、分類。各々の要素を因数分解し、財布関してボトルネックを見つけるやり方である。メリットは個人の思い込みを排除し、コミュニケーションの誤解の最小化・ゼロベース思考を整備できることにある。また、MECEに考えることが出来る。
③について。「単純に」考える思考法。抽象化してモデルを描き、再び具体化に落とす方法。応用力を広げることによって少ない知識を様々な範囲に応用し、新しいアイデアの創造や効率化等を飛躍的に測っていくことが出来る。
第2章:「フェルミ推定」とは何か
フェルミ推定とは、つかみどころのない物質量を短時間で概算することである。例えば、「東京都内には信号機は何基あるか」「シカゴにはピアノ調律師は何人いるか」である。
第三章:フェルミ推定でどうやって地頭力を鍛えるか
例題:日本全国に電柱は何本あるか
*制限時間3分
①アプローチ設定
単位面積当たりの本数からアプローチ
②モデル分解
日本の国土全体を市街地と郊外(市街地以外)に分類
↓
本数=日本の総面積×市街地or郊外の率×1㎢当たりの本数
③計算実行
1㎢当たりの本数を概算する
市街地の電柱配置を1本/50m
郊外のを1本/200m と予想
よって市街地は400本/1㎢ 郊外は25本/1㎢ と予想
先ほどの式に当てはめると
市街地の本数=30万㎢×0.2×400本=2400万本
郊外の本数 =30万㎢×0.8×25 本=600万本
合計3000万本
④現実性検証
NTTからのデータ 3300万本
仮説思考力において
1.どんなに少ない情報から仮説を構築する姿勢
2.前提条件を設定する力
3.時間を決めてとにかく結論を出す力(TIMEボックス)
フレームワーク思考力において
1.課題の全体像を俯瞰する力
(全体⇔部分への視点移動)
2.全体像を最適な切り口で分断し、更に切断した要素を分解する力
(切り口の選択、課題を四則計算的に分解する力)
3.課題のボトルネックを特定する力
抽象化思考力において
①モデル化
②枝葉の切り捨て
③類推
が鍛えられる。