社会集団とは(社会学メモ)
社会集団は、人間において、相互行為や相互関係に規則性と持続性が見られる集団のことであり、①組織集団②未組織集団の2つに分類される。
1.組織集団
組織集団は継続的に相互作用、目標、規則、地位による役割の文化、共通の感情を伴うという特徴がある。また、組織集団は①基礎集団(家族・村落など)②機能集団(国家・企業など)の二つに分類される。
① 基礎集団:地縁/血縁に基づき自然発生する集団
(例)家族/氏族/部族/村落/都市など
② 機能集団:目的達成や機能遂行の為に人為的に形成された集団
(例)宗教集団/政党/企業/組合など
2.未組織集団
未組織集団とは具体的に①群衆②公衆③大衆である。
① 群衆
・共通関心のもとに一定の空間に高密度に局在する集合。(例)デモの参加者、火事場の野次馬
・ル・ボンは『群集心理』(1895)で群衆の非合理性(無責任性/被暗示性/偏狭性など)を貴族的主義な立場(少数の優れた人間が政治や文化に関わるべきという考え方)から批判している。
② 公衆
・空間的には離れていても心的に結合している集合。
・G・タルドが『世論と群衆』(1903)で提起した概念で、新聞の普及と共に誕生した、紙面上で議論する新聞読者層のこと。
・合理性を持ち、民主主義の担い手、世論の担い手として肯定的に捉えられる。
③ 大衆
・異質な属性や背景を持つ匿名の多数者からなる集合。
・空間に散在し、相互に間接的な接触にとどまる集団。
・マスコミの客衆、商品の消費者。
・オルテガ・イ・ガセットは『大衆の反逆』(1929)で、貴族的な立場から凡俗な大衆による政治支配を批判している。