それでも船はゆっくりと進む
皆誰しもがこのたとえを使う。
僕たちの心というのは、
人生という海を渡る船のようだと。
ときには波に揺られ、
ときには風に晒されて、
ときには嵐に飲み込まれるけれど、
その海を渡す船は、
揺られつつも、
ゆっくりと、だが、
確かに前に進んでいる。
雨が降っても、
風が吹いても、
日が昇っても、
月が輝いても、
どんな困難に思える事態に
直面しても、失敗しても、
また笑顔が消えそうになっても、
すべてはただの通過点だ。
すべては一つの風景だ。
それでも船はゆっくりと前に
進んで行く。
そういうこともあるよね、と
ひとつずつ自分を認めていきながら。
それでも船はゆっくりと前に
進んで行くだけだ。