「森林」の学びなおし、はじまる
学ぶことが好きです。
特に何かをテーマを決めて計画的に学んでいるわけではないです。学ぶ内容もさまざまです。学ぶきっかけもさまざまです。仕事や業務で必要だと感じたり、身近な誰かが必要としていたり、日常の中で素朴に感じた疑問などが原動力だったりします。
今年は、「愛媛大学農学部森林環境管理学リカレントプログラム」を受講しています。
学位をとることが目的でなく、今の自分にとって必要だと考える内容を重点的に学びます。「総合プログラム」では、学位を取得できます。が、私は「自由選択プログラム」で、興味のある科目を幅広く受講します。
昨日(5/29)が初回の講義。
講義は「造林学概論」講師は、造林技術研究所の横井秀一先生
そもそも「造林」ってなんだっけ?という疑問からこの講義を受講しています。学びを深めています。
講義の中で、印象的な言葉を1つ挙げます。
知識知を補いながら、科学的に予測したり、合理的判断の意思決定につなげることができるように、実践に向けて学んでいきます。
学んでいるうちに、「これは、この部分につかえる」、「あの時聞いたことは、こういうことだったのか」という手応えをつかむことができます。
実際に今年取り組む予定として、森林の「更新」があります。500m2ほどの小面積ですが、植栽計画と伐採計画、木材利用などを総合的に計画している段階です。計画を立てることって面白いですよね。目的は何か、目標は?、そこにいたる道筋を組み立てていくことって、とても面白いですね。
疑問も次々に生まれて生きます。生きた学びであるように感じます。学ぶよろこびでもあります。これを自分だけでなく、積極的に現場でいかしていくことが個人的な課題ですね。
まずは、ここにアウトプットしてみることからはじめます。
学んでいくうちに、見え方が変わってきます。
「森林」を切り口に、持続的な暮らしを考えていくことを全体の講義を通して、学んでいきたいと思います。森林x建築、森林xエネルギー、森林x食などより深く実践ベースで学びを深めていきたいと思います。
以下、講義に関する個人的なふりかえりです。
<ふりかえり>
・研究者の言葉の定義を参考に、1語1語に拘ることを学びました。
・授業の到達目標である「造林の個別技術の目的と方法を説明できる」を意識すると、専門用語の正しい理解、知識知を補うことが重要であることがわかりました。
・育成林業と採取林業の視点で整理することができる。育成林業は、育てるための人為が加えられた森林
・造林学に必要な対象(①樹木が生きる/成長する、②森林というもの、③森林における樹木の生き方/振る舞い、④森林に手を加えたときの反応)について、科学的な視点で理解することが重要
・大事なのは「目的」、何を成し遂げたいか。目標は目的を達成するためにある
・「養蜂」を目的とする場合、カラスザンショウなどの樹種を積極的に残すという判断もできる
・針葉樹は萌芽更新をしないと思っていた。「あがりこ」や「台スギ」など、萌芽更新など樹木の性質を活かした森林管理、木材生産の事例を学ぶことができた
・スギの適地を指標する植物としてリョウメンシダやジュウモンシダがある場合、斜面において水が湧く可能性があることを予測できる。道づくりにおいて、指標植物として地表の情報から、あらかじめ土中の水の取り扱いに注意を要することを予測できる
・樹間や林間は空間として捉えることができる。林間の構造は空間の獲得競争の結果である
<講義のメモ>
・造林(学)とは辞書による定義では、「持続可能を原則として、土地所有者と社会の多様なニーズと価値を満足させるための森林の成立、成長、構成、健康、質を制御する技術と科学」であることを学んだ。「Art」には技術という意味もあることを知った。
・造林学は、森林生態学、樹木生理学を基礎とし、関連する学問のを包括したものである。様々な学問からの情報(現場での技術を含む)を取り入れつつ成り立っていく学問である。
・日本と世界(FAO)での森林の分類が異なっている。一般の方など原生林、天然生林の認識が異なる場合がある。あいまいさがあり、前提の確認が必要。
・森林施業は、行為全体であり、目的を持って行われる作業の総体。作業は個別の行為、目標林型は、目的が達成される到達点である
・人が森林に対してできること①足すこと、②ひくこと、③待つこと。
・育林技術は、引き算の技術(人工林施業のサイクルにおいて、植栽以外は、すべて引き算)
・目標林型から、逆算してゴールまでの道すぎを考える。今、何をするのがベストか考える。
・目標志向と状況対応をバランスよく
・造林・育林の基本は順応的管理。モニタリングによる科学的な評価と検証
・悲観的に現場を観察する。希望的観測は厳禁
・森林管理、森林施業の基本原則①合自然性の原則、②持続可能性の原則、③経済性の原則、④生物多様性の原則
・施業は作業の連続である
・知識知で補う、現場力を高める。学び直しが有効
・森林の更新とは、regeneration/reproduction森林または樹木群の世代交代
・更新方法に合った収穫方法、①伐採方法、②集材方法、③植栽方法
・萌芽更新には①自然発生、②伐株から発生、③根系から発生がある
・あがりこや台スギといった、樹木の性質を利用した森林管理、萌芽の発生がある
・種苗は、林業種苗法で、配布区域が指定されている(指定区域以外への配布の禁止)
・植栽計画(地拵えの方法、植栽の方法)と伐採の方法を同時に検討する
・適地・適木・適作業が造林成果につながる(造林成果の三角形)