自分の1秒はいくらか? という考え方
例えば時給1000円でアルバイトをしてるAさんという人がいたとする。
60分=1000円
1分=16円
1秒=0.27円
ということになる。
もう一つ例を。
月40万円収入の会社員のBさんの場合。
20日(営業日平均)=40万円
1日(8時間)=2万円
60分=2500円
1分=41円
1秒=0.69円
牛丼がなにかのキャンペーンで、一杯無料の時があったらしい。知り合いの情報によると、その時、ものすごい列で、食べるのに1時間ほど並ばなくてはならなかったそうだ。
牛丼一杯500円。
Aさんは1時間で、1000円稼ぐ。
Bさんは1時間で、2500円稼ぐ。
無料の牛丼一杯のために並んだ時間は、実は牛丼以上の価値の金額を得ることが出来る時間なのだ。
これで何が言いたいかというと、
時間とお金が強く関係しているということ。
映画スタジオシステムが崩壊した今、映画業界に関わる人のほとんどは"フリーランス"または、別の仕事を兼任する。
その人たちの時間が無限にあると思って仕事をしていると、痛い目にあう。
俳優部も同じで、
その人が一週間かけて台本を覚える時間に、コンビニでバイトをした場合、(8000円×7日=5.6万)も稼げる。
これが分かってない人は、本当に無茶な仕事の振り方をする。
つまり、思いやりがない仕事。
僕はいつだって自分の時間は少ないと思っている。
自分の1秒が幾らなのか?を常に気にする。
誰かに1分間電話をした場合、幾らの時間をその人から頂いているのか?細かく言うとそういうこと。
今回の映画に関わる全ての人の時間を使わせて頂いている。
それはスタッフも役者も全て。
だからこそ、検討した結果「これは時間を無駄に使うことになる」と判断したものは基本的にやらない。
例をあげるならば、
・明らかに効率の悪いミーティング
・絶対に変わると分かってる資料を細かく作る
など。
逆に可能な限り時間をかけることで映画の質が高まるものは時間をかける。
例を言うと
・脚本
・編集
・オーディション選定
など。
タイムバンクという仕組みをメタップス社が作った。
誰かの時間を10秒単位で売買できる時間取引所。
例えば何かの分野においてプロフェッショナルな人がいて、その人に新規事業を相談したい!という場合その人の60分を買えばいいということ。
自分の30分をチケットという形で販売できるTime Ticketというものもある。
例えば、ピアノが得意な人とピアノを習いたい人が存在した場合、この制度は見事に適応される。
ピアノを習うために、その人の30分をチケットで購入すればいい。
これを肯定しているとか否定しているとかはさて置いて、
言いたいことは、
人の時間を思いやる
ということ。
いたって当たり前のことだが、無限に時間を持つ人は存在しない。相手の時間を奪うことに無頓着になることは本当に恐ろしく悲しいこと。
映画をつくる僕は常にハラハラする。2時間という貴重な時間を「鑑賞」に使って頂くことで僕の仕事は成立する。この事実を受け止めて創作しなくてはならない。