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音楽 ☓ 映画
劇場公開を夢見た『ふたりの空』だが、2020年6月の僕はYouTubeでの無料配信を選択した。
過去に何度か映画監督として取材をしていただいた経験があるが、その度に僕は「映画に人生を変えられたことはない」と明言し、「そんなことより映画館という場所が重要だ」と話している。
というのも、文字のとおりだが、僕は映画に人生を変えられたことは無いし、今後も出会わない気がしている。残酷なことに、僕は中学生のころからそれを感知し、そうだと分かって映画を撮りたいと思っていた。それはなぜか?「とにかく映画館が好きだから」
この、小学生の作文のような理由は今でも一緒で、映画館という場所はものすごいパワーを持っていると思っている。(というか僕は映画館オタクに近いのだが…)
最近はじめた映像学校の講師の場でもTOHOシネマズなら、新宿は9、六本木は7という超ニッチにことを口にしてしまう。(これはスクリーンの大きさやスピーカーの違いが関係している)
まあ、兎にも角にも、僕は映画館が好きだということをダラダラと書いたわけだが、コロナウイルスの影響もあり、どうしても劇場公開の準備をするのに相当な時間がかかるとジャッジし、YouTubeでの無料公開を決定した。
おかげで、世界中の人々が好きな時間に『ふたりの空』を視聴できるわけで、多くの方々から連絡をもらった。
その中で、出演してくださった政木ゆかさんから、ラジオ出演の依頼があり、二つ返事でOKしたのだが、その際コーナーで音楽を流すので何曲かリクエストをお願いしますと言われ、頭を抱えた。
MDに好きな音楽を入れて、オリジナルプレイリストを作成していた中学時代、毎日毎日「音楽」は話題の中心にあり、音楽バラエティ番組は今の数倍あった。こういうとき、ジャニーズを例にするととても分かりやすいので思い出すと、当時の超人気アイドルは「NEWS」「KAT-TUN」で、僕が初めて手にしたCDは「浜崎あゆみ」だった。
それから◯年… 地方ラジオとはいえ自ら音楽をリクエストするという初体験にワクワクしたし、悩みまくった。
ラジオ局に音源があるかどうかという問題もあるので、何曲かリストアップして送ったのだけど、結果的に流れたのは「HELP! / The Beatles」だった。
今聞いても、音楽センス抜群のビートルズが流れたのはもちろん嬉しかったが、政木さんの紹介と音楽が入るタイミングが完璧で、感動した。あと、このラジオ初めて聞いたけど、音楽愛が半端じゃない。(FM791 熊本シティFM 「ゆるるアフタヌーン」)
その他にも「The Songbards」や「クリープハイプ」をリクエストしていた。The Songbardsに関しては様々な媒体で「ビートルズに魅せられた」と紹介されることが多く、メロディと歌声が最強。最初に歌声を聞いたとき、あまりにも感動して、ヴォーカルの上野さんにDMしたことを思い出した。(今はこうやって感動したことを本人に伝えられるので便利だなぁ)
ホームページによると、17年3月に神戸で結成されいる。まさにこのnoteを更新した今日、新曲「窓に射す光のように」がリリースした。
(あれ?なんか音楽紹介ブログになってる?)
クリープハイプは「寝癖」をリクエストしていた。すんげー歌詞で、リクエストする際に、久々に歌詞を読み返したらエゲツけなかった。「エロ」や「2LDK」が収録されている『一つになれないなら、せめて二つでいよう』は半端ないアルバムだと思う。
脚本を書く際や、広告動画の企画を出す際に、脳を刺激してくれるのは漫画や音楽の歌詞だったりする。やはり言葉を仕事にする人はすごいなぁと思う。
なにかのアイディアで詰まったら、ぜひやってみてほしい。漫画を片手に、音楽を流してみると、時々、ビックリするくらい筆が進む。(ビックリするくらい進まないときもある)
最近だと「マカロニえんぴつ」もよく聞く。全員が音大出身のメンバーで結成されており、ミュージックビデオは枝優花、井樫彩などの映画監督が参加している。聞いていると、頭の良さ?というか、言葉にするのが難しいがすごく知的な感じがする。確かな音楽の技術と、言葉のセンスというか…とにかく聞いてみて欲しい。
「andymori」「sumika」「映秀。」「神はサイコロを振らない」「DISH//」などなど、気分によって聞き分けるけど、みなさんのオススメ教えてください。
さいごに… 一応「☓ 映画」なので、映画の話をすると、音楽による映画演出は確実に効果的であり、分かりやすかったのは『君の名は。』で「RADWIMPS」が映画音楽をすべて担当したことによる、世界観の統一。
最近の映画だと『ベイビー・ドライバー』なんかも、音楽による作品のテンポ感の構築や、体中で映画と音楽を感じよる「波」のようなものをドカンと感じた。
実は、僕はバンドを組みたい。