日本と海外の中長距離における取り組みの違い
こんにちは。
今年一発目の投稿になります。
昨年は投稿数が少なかったので、2025年はたくさん投稿していく予定です。
先日1月2日と3日に行われた箱根駅伝は大盛り上がりでしたね。優勝は青山学院大学と大方の予想通りでしたが、1区から中央大学が飛び出し、復路ではトップの青学を駒沢が猛追するなど、終始目が離せない展開でした。
ただ、駅伝という競技は実は日本特有の文化で、留学生や実業団選手でない限り、海外の選手が駅伝を走ることはなく、世界では全く浸透していないのが現状です。
今回は日本と海外の取り組みの違いについて書いていこうと思います。
日本
まず日本についてですが、一番の目標はやはり駅伝で、関東強豪校なら箱根駅伝、実業団選手ならニューイヤー駅伝が一年間の最終目標となります。
(もちろん多少の違いはある)
流れとして春から夏にかけてはトラックシーズン(1500‐10000m)となりますが、この時期は完全に仕上げる段階ではなく、あくまで秋から冬にかけて行われる駅伝に向けての準備期間という位置づけです。
海外
次に海外選手です。海外の中でも特に強い欧米・欧州選手、アフリカ勢を例にすると、彼らの最大の目標は春から夏に行われるトラックシーズンで記録を出すことで、世界陸上やオリンピックもこの時期に含まれます。これらの地域では逆にトラック種目が大人気で、多くの人が競技場に足を運んでいます。
彼らは日本の駅伝シーズンとなる時期はロードレースやクロスカントリーのレースに出場しており、これはあくまでトラックシーズンの強化期間として参加しています。なので、勝ち切るためにそれなりに記録は狙いますが、完全に仕上げるということはしません。
疑問
以上日本と海外の違いをざっくり説明してみましたが、「駅伝とトラックどちらも注力すればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、残念ながらそんな簡単な話ではありません。
現在、シューズやトレーニングの進化により、駅伝もトラック種目もとんでもないレベルにまで上がっています。なので、どちらも記録を上げていくためには、一昔前以上に基礎構築期間、いわゆる大量の下準備が必要で、ましてや世界レベルにまでなると、どちらかに集中するのが精いっぱいなのです。
実際、オリンピックや世界陸上で複数メダルを獲得したケニアのポール・タヌイ選手は、元旦に行われるニューイヤー駅伝では大体凡走で、普通に抜かれまくっていました笑
これはあくまで極端な例ですが、それくらい駅伝とトラック種目を両立するのは難しい話なのです。
駅伝は悪なのか?
それでは世界大会で日本人選手が活躍していないことを考えると、駅伝は悪となるのでしょうか。これに関して僕は五分五分といった感じです。以前なら「絶対悪だ!」と言っていたと思いますが、ここ1年色々考えて、駅伝も日本にとって必要な存在であると考えるようになりました。
まず、皆さんご存じの通り駅伝は大人気のイベントで、中でも箱根駅伝の注目度は半端じゃないものです。これを急に「世界はトラック中心だから駅伝をなくしてトラック頑張りましょう」と方向転換してしまったらどうなるでしょうか。
まず間違いなく陸上人口は激減します。僕もかつてそうだったように、駅伝を目標に陸上を頑張っている選手は多く、その目標がなくなってしまうと、陸上をやる選手は減って、逆に陸上界全体のレベルは下がってしまうのではないでしょうか。また、陸上をしている選手全員が世界を目指しているわけではない。もちろん過剰なほど駅伝ばかりにフォーカスするマスメディアもどうかと思いますが、現在の状況を考えると日本の駅伝文化というのは切っても離せないものだと考えます。
ただ、上記で五分五分と述べた通り、駅伝に注力していることが、世界と離されている原因の1つではあると思います。やはり、年末年始含む冬の時期に照準を合わせる日本のスタイルでは、世界大会が行われる夏にピークを持ってくるのは、やはり難しい話です。そして、仮にトラックシーズンを頑張りたいという選手がいても、大迫傑選手が10年前海外へ行ったように、日本にはそれを受け入れるような土壌がないということ。
そのあたりのシステムが変わってくると、日本のレベルはもっと上がり、駅伝もトラック種目どちらも大盛り上がりするのではないでしょうか。
おわりに
今回の話は本当に個人的意見なので、「そんな意見もあるよねー」的な感じで読んで頂ければ幸いです。
僕はまだ駅伝トラックどうのこうの言えるレベルではないので、淡々と練習を積み上げ、目標達成できるように頑張るだけです笑
目標に関する記事もまた今月中にでも投稿します。