「キョリ」
1年ほど前にSNSで知った金工作家の中村友美さんの個展がsabitaで行われるということで見に行った。
銅(copper)で作られた薬缶、急須、水差しはどれも美しかった。そう、美しかった。どの角度から見てもそれは確かだった。販売もしているとのことだったので、その気持ちもあったのだけれど、残りが一点のみでしかも値段も今の自分では少し厳しいものであった。値段だけが理由ではなく、その美しいものをしっかり大事に使いこなす自信もなかったというのもある。それだけ「もの」としての存在意義が大きかった。
驚いたのはお店の店主がおっしゃっていたこと。予約の電話が100件くらいきていたことと、今回見に来たり買いに来たお客様が全国からだったり、中国からだったりが多かったという。びっくりしつつも納得。実際に触っていなくてもそのものの良さがわかる。それだけの力を持っているということだ。
本当に求めているもの(こと)がそこにあるなら、キョリは関係ない。自分を、相手を信じていいんだと思う。自分から掴みにいくってそういうことでもある。
2021年8月11日