オーディオパワーアンプで生じるコモンモードノイズとその対策
コモンモードノイズの発生メカニズムに関して、
こちらが参考になります。
オーディオパワーアンプの回路素子でノイズが発生する箇所は、ダイオードとトランジスタ(ダイオードを含んでいる)になります。つまり、非線形要素です。
また、回路内にグランドとの電位差がある部分の距離、回路のループ部分の面積がノイズの増幅やモード変換に寄与します。
また、寄生インダクタンスや寄生容量、電磁波と磁束の影響、熱応力による機械的振動や共振も考慮する必要があります。
信号ケーブルや電源ケーブルをよったり(磁束の通る面積を小さくする)、グランドをスターグランドにする(電圧降下を小さくする)のは、電磁気学で説明が付きます。
また、差動回路にすることで、コモンモードの影響を小さくできますし、コモンモードチョークでコモンモードノイズを打ち消すことができます。
さらに、絶縁は電位差の影響を切り離すことによりコモンモードノイズの発生を防ぎます。
電流と磁束の関係は3次元でかつ、時間変化を伴うので、回路図の平面的なイメージでは、コモンモードの発生する振る舞いを認識しずらいです。
そのため、最初はなかなかイメージしにくいですが、基本的な原理は、極めて単純です。
というわけで、きちんと設計にコモンモードノイズの対策を取り込んで、対処することで、現代の、スイッチング電源やスマホ、EV、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、掃除機などに囲まれた環境でも、ノイズの影響を受けにくいオーディオ機器が実現できているわけです。
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