エリザベス女王杯(GI)予想
11月10日(日)15時40分に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(GI)の予想です。
予想のポイント
①後半4Fのスピードの持続力勝負
京都2200mはスタートから最初のコーナーまで距離があるので、道中のペースは落ち着きやすい。その後残り6F地点から高低差4mの坂を登ることでペースダウンし、残り4F地点からゴールまで下り坂+平坦となるので一気にペースが上がる。
以上のことから後半4Fを如何に速く駆け抜けることができるかを競うスピードの持続力勝負になりやすい。またラストスパートで下り坂があるのでズブい馬でも坂を利用して加速しやすく、瞬発力はさほど求められない。
②今年はタフな馬場への適正重視
2200mという距離は牝馬にとっては距離が長く、スタミナが求められる。それに加えて今秋の京都はかなりタフな馬場になっており、例年よりもスタミナが問われるだろう。
2200m以上での好走経験もしくはスタミナが問われる展開での好走経験を重視したい。
③土曜日の馬場傾向から前も残る可能性あり
土曜日のレースではペースの恩恵もあったとはいえ、前目の馬がなかなか止まらず残る場面もあった。馬場傾向は内外フラット&後方待機では差し損ねありと言ったところだろう。中団好位を確保できる馬の評価を上げたい。
印
そして考えた結果、このような印になりました。
◎8枠17番 コスタボニータ
〇1枠2番 ライラック
▲8枠16番 ラヴェル
☆4枠7番 レガレイラ
✓7枠13番 サリエラ
△4枠8番 シンリョクカ
注6枠12番 シンティレーション
最終見解
以下印をつけた馬の考察です。
◎コスタボニータ
全頭診断時の評価はA。
内枠時に好走時が多い本馬にとって大外枠は痛恨も、馬場傾向からは外枠の方が良いこと、先行馬多くないメンバー構成なのでスタートが決まれば前目かつ内から2列目あたりの好位を確保できそうなこと、内ラチ沿いを通る競馬以外はダメとは言い切れないことから、評価を下げず本命に。
2走前の小倉記念(GIII・中京2000m)の内容が秀逸。当時の1着馬と3~8着馬は4角5番手以下と差し決着の中で、道中2番手を追走して0.1秒差の2着と負けて強しの好内容。当時のレースラップが12.0-10.4-11.6-11.6-11.7-11.8-11.6-11.7-11.8-12.0と終始緩みのないスタミナの問われるラップを好走したことから持続力勝負・スタミナは全く問題なし。また牡馬換算で58.0kg相当の斤量を背負わされていた点も加点要素。
適正は今回のメンバーの中でトップレベル。
今年は重賞6戦で3度馬券外も、前走は差し有利の展開で先行&苦手な速い上がり勝負で度外視、3走前はメンバーで2番目に重いハンデ&出遅れで度外視、5走前は内前有利の馬場で外を回すロス&仕掛け遅れで脚を余すミスで度外視と馬券外の3戦は全て見直し可能。
また6走前のディセンバーS(L・中山1800m)では前が壁になって詰まる不利がありながら、後の重賞2着馬にクビ差の2着と強い競馬をしており、この時は終始内から2列目を追走していたことから、内ラチ沿いを通る競馬以外でも問題ないと判断できる。
今回大外枠とはなってしまったが、今回のメンバー構成ならスタートさえ決まれば前から4〜5番手かつ内から2列目の絶好のポジションを確保できるだろう。ペースもあまり速くならなさそうなので展開も先行馬に向くはず。好調の松山騎手が道中上手くエスコートできれば。
〇ライラック
全頭診断時の評価はB。
1枠から少しでも前目のポジションを確保できそうなことや初コンビとなる石川騎手が調教では何回も騎乗経験があることから、全頭診断時より評価を上げて対抗に。
去年の本レースでは0.3秒差の4着も、上位3頭とは枠順や道中のポジションの差が着順に直結しただけで、本レースへの適正は十分見込める内容。
前走の府中牝馬S(GII・東京1800m)では1.0秒差の13着も、休み明けで馬体重+18kgで過去最大馬体重だったことや道中力んでしまったことが響いた印象なので度外視。
2走前のヴィクトリアマイル(GI・東京1600m)は1.9秒差の14着、3走前の阪神牝馬S(GII・阪神1600m)は1.2秒差の10着も、本馬に1600mは距離が短かった印象で度外視。
4走前の有馬記念(GI・中山2500m)は0.9秒差の13着も、苦手な高速馬場&距離が長かったことが敗因で度外視。
このように近4走は全て見直せる内容。得意舞台なら巻き返す可能性あり。
また1枠2番&両隣が差し・追い込み馬なので、スムーズに中団好位のポジションを確保できそうな点はアドバンテージ。終始ロスなく立ち回り、如何に脚をためることができるかが鍵。
▲ラヴェル
全頭診断時の評価はB+。
枠は8枠と外過ぎるも、川田騎手なら積極的に先行して好位のポジションを確保してくれそうなので評価据え置きで3番手評価。
4走前の京都記念(GII・京都2200m)では0.5秒差の5着も、最終コーナーで一番外を回らされる距離ロスがあったので負けて強しの好内容。本レースと同舞台かつ当時の京都は今秋同様かなりタフな馬場だったので、タフな馬場での持続力勝負への適正はかなり見込める。また当時の1着馬・2着馬・4着馬のその後の成績を考えるとメンバーレベルは高かった。
適正面は今回のメンバーの中でも上位だろう。
前走のオクトーバーS(L・東京2000m)は0.5秒差の6着も、休み明けで馬体重+16kgで過去最大馬体重だったことや縦長隊列で後方にいた本馬には展開が向かなかったので度外視。
2走前のマーメイドS(GIII・京都2000m)では0.6秒差の5着、3走前の中山牝馬S(GIII・中山1800m)では0.6秒差の11着も、苦手な内回り・小回りコースだったので度外視。
このように近3走は見直せる内容。叩き2戦目で上積みも見込める。スタートを決めて好位を確保し、どれだけ粘れるか。
☆レガレイラ
全頭診断時の評価はB+。
近走出遅れが目立つことを懸念して4番手評価。
前走のローズS(GII・中京2000m)では0.4秒差の5着も、縦長隊列で後方からだと物理的に届かない展開で、上位勢の中で唯一4角2桁番手から追い込んできていたので負けて強しの好内容。また当時の中京の馬場はかなり荒れていたので、タフな馬場への適正も見込める。
2走前の東京優駿(GI・東京2400m)では0.7秒差の5着も、前有利の展開で、上位勢の中で唯一4角2桁番手から追い込んできていたので負けて強しの好内容。また後半5Fは56.8秒とハイレベルな持続力戦だった。
3走前の皐月賞(GI・中山2000m)では0.4秒差の6着も、縦長隊列で後方からだと物理的に届かない展開で、4角2桁番手から追い込んできていたので負けて強しの好内容。また2F目以降緩みのないラップが続くスタミナが問われる1戦だった。
また2走前・3走前は同世代の牡馬相手に善戦しているのも評価できる。
近3走は着順こそ奮わないが内容は良く、タフな馬場での持続力戦への適正も十分見込める。
ただ懸念点はスタートの悪さ。近走は常に後方からの競馬となっていて、どうしても展開待ちになってしまう。今回初の関西圏での競馬&先入れの奇数番なのはスタートが苦手な本馬には歓迎できない。能力の高さは認めつつも、差し損ねる可能性は十分ある。
✓サリエラ
全頭診断時はB+。
臨戦過程に疑問があり5番手評価。
近2走は大敗も、前走のオールカマー(GII・中山2200m)は内枠で揉まれて戦意喪失、2走前の天皇賞・春(GI・京都3200m)は落鉄&折り合いを欠いて失速と敗因は明確。
去年の本レースでは0.3秒差の6着も、内を上手く立ち回った馬で決着した中で外を回して上がり最速を記録と負けて強しの好内容。
また3走前のダイヤモンドS(GIII・東京3400m)でタイム差なしの2着や、6走前の目黒記念(GII・東京2500m)で0.1秒差の3着があるように、長距離をこなせるスタミナあり。
本レースの適正はかなり高そう。
また前述のように揉まれ弱い馬なので、外枠なのはプラス。懸念点は臨戦過程。国枝厩舎の勝負調教はWコースだが、今回最終追い切りが坂路コース。順調ではない可能性あり。
△シンリョクカ
全頭診断時の評価はB。
斤量を懸念して6番手評価。
前走の新潟記念(GIII・新潟2000m)では1着も、道中前後が離れた2番手につけて、縦長隊列を活かして押し切っているので着順以上の評価はできず。ただ長く脚を使えているので持続力は高そうで、得意の展開に持ち込めば牡馬相手でも勝ち切れる能力は示せた。
3走前の中山牝馬S(GIII・中山1800m)では0.1秒差の3着も、前有利の展開を活かしていたので着順以上の評価はできず。
4走前の日経新春杯(GII・京都2400m)では1.6秒差の10着も、先行馬には厳しいペースだったので度外視。
5走前の本レースでは0.5秒差の9着も、内を上手く立ち回った馬で決着した中で外を回し、直線では前が壁になったり進路を切り替えたりして満足に追えていなかったので度外視。
本馬は上がりのかかるタフな馬場を得意としているので、今の京都の馬場はマッチするだろう。持続力勝負も○。
中枠かつ後入れの偶数番なのも良い。ただ斤量56kgは未経験で、初の56kgに対応できるかどうか。スムーズに先行してどこまで粘れるか。
注シンティレーション
全頭診断時の評価はB-。
古馬以降は舞台や展開問わずで03秒以内にまとめている点からタフな馬場でもそこまで減点材料にならないと考え直して7番手評価。
前走の府中牝馬S(GII・東京1800m)では0.2秒差の2着も、差し有利の展開が向いていたので着順以上の評価はできず。またレースラップに急加速区間がない持続力勝負ではあったが、4〜7F区間は11.8-11.8-11.9-11.7と高速馬場の割には緩かったのでそこまで評価できず。ただ当時のメンバーレベルは強かった。
2走前の新潟日報賞(3勝・新潟1800m)では差し展開が向いて1着も、4Fからゴールまで11.7-11.8-11.7-11.5-11.7-11.6の持続力勝負を制したことは評価できる。また2着馬は次走で0.3秒差つけての1着と負かした相手も強かった。
タフな馬場への適正は未知数も、古馬以降は勝利または0.3秒差以内と安定しており、こなせる可能性はある。ただ鞍上のマーカンド騎手は日本の芝の重賞で(0-0-0-14)と全く結果を残せていない。来日初週でいきなり結果を残せるのか疑問。
以上。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?