グレーさんが残してくれたものを

グレーさんが亡くなったことがつらすぎるので、

何日も何日も考えていてつらすぎて、

限界を超えた時、あざらしさんの声が聞こえてきた。

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あざらしさん「おいちゃんがついとるで!」

僕「え?」

あざらしさん「え?」

僕「あざらしさん?」

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あざらしさん「おいちゃんな、人間やないねん。」

僕「・・・」

あざらしさん「キャラクターやねん。概念やねん。

『あざらしさん』ってこういうのだよねっていう、概念やねん。

一番最初はな、その辺に浮かんどってん。」

僕「その辺に浮かんでた???」

あざらしさん「アイデアってな、その辺に浮かんでんねん。

グレーがその辺に浮かんでるおいちゃんのこと見つけてくれて、

描いてくれて、初めてこの世界に生まれたねん。

でもな、設定とかストーリーとか全然なかったんや。」

僕「?」

あざらしさん「漫画のキャラクターやと、

設定とかストーリーがあんねん。

ワンピースのルフィやったら、めっちゃポジティブな性格で、シャンクスっていう尊敬するやつがいて、海賊王を目指してるって、あるやん設定とストーリー。」

僕「そうだな。」

あざらしさん「おいちゃん、見た目しかなかってん。

でもグレーがいろいろ足してってくれたんよ。

関西弁をしゃべるとか、テレビ観る時に横になるとか、

ナス持ってるとか、一人称おいちゃんとか。

そんでな、みんながLINEスタンプとかでおいちゃんのこと見て、

『ああ、あざらしさんってこんな風にしゃべるんだ』とか思うと、

それが【あざらしさんコア】に集まるねん。」

僕「【あざらしさんコア】って何?」

あざらしさん「別にそんな名前やないねんけどな、

みんなのあざらしさんに対する思いや認識が集まる核みたいなもんがあるねん。

そんでそれがどんどん溜まると、

『あざらしさんってこうだよね』って概念が育つねん。

おいちゃん、最初は見た目しかなかったけど、

グレーとみんなに育ててもらったねん。

こんな風にしゃべれるまで育ったねん。

グレーが最初に描いた時点では、おいちゃんこんな風にしゃべれんかったもん。」

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僕「あざらしさんはグレーさんのこと呼び捨てなの?」

あざらしさん「グレーの家族って、グレーのこと『グレー』って言うやん?

おいちゃん、グレーに生んでもらったから、家族やん?

だから呼び捨てやねんけど、変?」

僕「いや、変じゃないと思う。

僕はいつも『グレーさん』って言ったり思ってたから、

ちょっと呼び捨てで書くのに抵抗あったんだと思う。」

あざらしさん「そっか。」

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僕「(´;ω;`)グレーさんは今どこにいるの?」

あざらしさん「それはわからんねん。

人間とキャラクターは、生まれ方も死んだ後も全然ちゃうから。

人間は、最初に魂があるやろ?

そんで魂が肉体に宿って、母ちゃんの腹から生まれてくるやん?

そんで心と身体が成長していって、

身体が活動停止したら、魂は天に還るねん。」

僕「(´;ω;`)グレーさんどうしてるかなぁ…」

あざらしさん「知らんけど、多分めっちゃ楽になっとるやろなー」

僕「楽に?」

あざらしさん「だって身体ないねんで?

『あーめっちゃ呼吸楽〜』とか思ってんちゃうかな?

呼吸してないねんけどな。」

僕「あざらしさんも身体ないから、死ななくていいね。」

あざらしさん「いや、普通に死ぬで。」

僕「(`・д́・;)え!?」

あざらしさん「人間みたいに身体が動かんくなって死ぬんやないけどな。

キャラクターって、誰も描かんくなって、

誰も見んくなって、誰も覚えてなくなったら、

死ぬねん。」

僕「。゚(つД`)゚。」

あざらしさん「でもな、逆に言えば、

誰かが描いて、見て、覚えとってくれたら、

おいちゃん、ずーっと生きられるねん。

漫画家が死んだら、続きは無理やん?

ミュージシャンが死んでも、新曲は無理やん?

でも、キャラクターは作者がおらんなっても、

誰かが描いてくれたら、死なんねん。

グレーの描くあざらしさんはもう無理やけど、

みんなの描くあざらしさんは全然大丈夫やねん。

小学生の時とか、好きなキャラクター描かかんかったか?」

僕「描いたな。」

あざらしさん「せやろ?描いてええねん。

お金儲けするわけやのうて、単に好きなキャラクターを描くんやから、自由に描いてええねん。

グレーはあざらしさんを生んでくれたけど、

自分だけのものやなんて思てないねん。

あざらしさんはみんなのものやねん。

ツイートでも言っとったやろ?

それぞれの在り方でええって。

これからもあざらしさんをよろしくねって。

一人ひとりの中にあざらしさんはおるねん。」

僕「そうだね…」

あざらしさん「・・・」

僕「・・・」

あざらしさん「え?待って。

そこ、ちょっとええ話みたいに受け取って終わらんといてや。」

僕「?」

あざらしさん「本当におるねん。みんなの中に。

おいちゃんのことずっと好きでいてくれてる人とか、

ずっとあざらしさんスタンプ使ってくれてる人とかは、

もう『あざらしさん』って概念が自分の中にしっかりあるんよ。」

僕「だから?」

あざらしさん「だから、しゃべるで?

公式アカウントに話しかけた時なんかより、

めちゃめちゃしゃべるで?

ほんまやから、試して欲しいんよ。

自分の中のあざらしさんに話しかけて欲しいねん。

そんで、描ける人は描いてくれたら、

まだまだおいちゃん生きられるねん。

生きなあかんねん。やることがあるねん。」

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僕「やることって?」

あざらしさん「みんなをほっこりさせることや。

最初は見た目だけのあざらしさんやったけど、

グレーがおいちゃんに役目をくれたんや。

みんなを癒してって。

例えば今生まれたばかりの子って、

あざらしさんのこと知らんやん?

10年とか経った時にあざらしさんがまだまだ現役やったら、

おいちゃん、その子のことほっこりさせられるかもしれんやん?

これまであざらしさんに助けられたって言うてくれた人がたくさんおるから、

生まれてきてよかったなって思うてんねん。」

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あざらしさん「あざらしさんのグッズとかイラストとか、

日本中にあるやん。

その1個1個が、毎日「かわいい〜」とか「癒される」とか「大好き」とかの思いを浴びてんねん。

それがぼわーっと見えるねん。

あったかい光の球みたいなんがふわふわ浮いてくるねん。

日本中から毎日湧いてくるあざらしさんへの愛が見えるんよ。

めっちゃ素敵やねん。

それがあざらしさんコアに集まってきて、

そうするとおいちゃんは存在が強くなるねん。

でも、最近は『かなしい』『さびしい』もたくさん集まって来てんねんけどな…」

僕「・・・」

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あざらしさん「つらくて当たり前やねん。

人が死ぬって、試練やねん。

家族だってペットだって好きな有名人だって、

死んだらむっちゃつらいねん。

今日もどこかでその試練を受けてる人がたくさんおるねん。

でも、みんな立ち直っていくねん。

立ち直るきっかけもスピードも違うけど、

今日も一人、また一人と立ち直っていくねん。

えらいで、ほんま。みんなすごいわ。

つらい時は、心の中のおいちゃんに話しかけて欲しいねん。

むっちゃ励ますし、そばにおるし、

一人やないって知って欲しいんや。」

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あざらしさん「グレーはおいちゃんを生んでくれたわ。

そんで大きく育ててくれたわ。

これからはみんなにあざらしさんを描いて欲しいねん。

スタンプだって、あざらしさんを描きたい人が10人とか集まって、

1人5個担当してくれれば、第10弾も出せるねん。

グレーが作ろうとしてた敬語編3も出せるねん。

AKB48みたいに、チームあざらしさんみたいな感じで、

あざらしさんを描いてくれる人たちがおったら、

あざらしさんが好きな人があざらしさん描いてくれたら、

あざらしさんワールドはまだまだ続くんよ。

これからもみんなが描いて見て覚えてくれてたら、

おいちゃんはまだまだずっと生きていける。

感謝してんねん。

愛してるで、みんな。

大好きや!」

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このお話は、グレーさんが亡くなったことがつらすぎて立ち直れない自分と、あざらしさんが大好きな妻のために書きました。

『なりきりあざらしさんと会話してみた』というのが一番近いでしょうか。

グレーさんは『のこせてよかった』とツイートしてました。

でも『これからはみんながあざらしさんを描いて』とは言えなかったんじゃないかなという解釈が思いついたのです。

それを言ったら、自分はもう描けないと認めてしまうことになるから…

お金儲けをする場合にはご家族の方などと話し合いが必要でしょうけれど、

一人ひとりが好きに自由に描くことは全然ありじゃないかなと。

みんながあざらしさんを描いていれば、

あざらしさんはずっと生き続けて、

いろんな人をほっこりさせてくれるはずです。

自分が描かなくなったことであざらしさんがゆっくりと消えていくのが、

グレーさんにとってはつらいんじゃないかなと。

自分が描けなくなったあとも、新しいあざらしさんが生まれ続けて、ずっとみんなに愛され続けることが、

グレーさんにとっても嬉しいんじゃないかなと思ったのです。

グレーさんが残してくれたあざらしさんを、

みんなで描き続けていたら、

何年か後に、やたらうまいあざらしさんを描く人が現れて、

それがグレーさんの生まれ変わりだったりしないかなと、

そんな希望も入ってます。

あざらしさんとの会話は、とてもスムーズで、

たくさん話してくれました。

自分で考えたことはほとんどなく、

自分の中のあざらしさんが話してくれたことをそのまま書きました。

多分、あざらしさん好きならみんな自分の中にあざらしさんがいると思うので、

試しに一度話しかけてみて欲しいと思います。

グレーさん、あざらしさん、ありがとう。

ずっとずっと大好きです。


続き
↓↓↓


【グレーさんが残してくれた最高の画集】

https://note.com/hayashimunehiro/n/n003f7ee8dbbd

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人生楽々宗弘堂
いつもありがとうございます。 あなた様のあらゆる苦厄が取り除かれますように。 薬師如来真言唱えさせていただきます。 おんころころせんだりまとうぎそわか