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自分の家に知らない人がいるのは嫌だ

実家には人があまり来なかった。
友達の中にも僕の実家を訪れたことのある人はごく数人だと思う。

その反動なのか一人暮らしの頃にはしょっちゅう家に人を呼んでは、鍋を食べたり、映画を見たりしていた。


最近、尊敬する経営者の方に久しぶりにお会いした(以後Aさんとする)。いつも気さくで僕なんかにもフランクに話しかけてくれる。髭とデニムが似合うまさにカッコいい大人。

Aさんの運営するサロンにお邪魔した。
相変わらずフランクで優しかった。本当に誰にでも、最近どう?なにやってるの?と声をかけている。

素敵なおもてなし。お客さまを大切にする気持ちの表れ。
そんなふうに感じていた。

ちょっと違った。

「自分の家に知らない人がいるのは嫌じゃん?」
Aさんの一言でハッとした。

サロンを自分の家のように思っている。
結果として、もてなしてはくれているのだが、「おもてなし」という言葉の持つ使命感のようなものがAさんからは感じない。ただ単に自分の家に知らない人がいるのは嫌。それだけ。

こんなふうに本質的に人と接することができるからこそAさんの周りには人が集まるのかもしれない。

この考え方を身につけたい。
でも意識しているうちはまだダメなんだなと思う。
本当に心から思うには無意識にそうなるレベルに達しないと。

僕はAさんに2度しかお会いしていない。会話も少ししかしていない。でも鮮烈だった。

歳を重ねると響く言葉が少なくなるとつくづく思う。そんな自分に忘れられない瞬間として刺さりまくった。

会話中、名前を忘れたくないラジオで流れた曲のように、「じぶんのいえにしらないひとがいるのはいや」とメモした。

地元で起業し、フォトグラファーとディレクターとして活動しています。 仕事のこと、撮影のこと、ジャンル問わず備忘録として書き残しています。