シンゲキCAMP2019~北海道デジタルマーケティングの祭典~に参加#06
最後のセッションは株式会社サイバーエージェントの木村 賢さんによる「データとガイドラインから読み解く今行うべきSEO」でした。
良い商品や良いコンテンツを売ったり作っているはずなのに上位に表示されない。
少しでもネットで"何か"を提供する側にいれば必ず訪れる課題だと思います。
そんな悩みや課題に対して
・そもそも検索者のためとは何か?
・SEOをやるとして、どう対策を練っていけば良いの?
といった視点で、膨大なデータとガイドラインから読み取った傾向を教えてくださいました。
45分程度しかないセッションで、ものすごい数のデータの数とそれに伴ったスライドの数。まさに滝のような雪崩のようなスピードでした。
検索におけるinsertは大きく分けると以下の2つになり、それぞれで傾向が変わってくるそうです。
・購入するための「transactional」なもの。
・知るための「informational」なもの。
それぞれの検索結果には大きな違いがあることを教わりました。
transactionalなもの(例:「札幌 ホテル 予約」など)はじゃらん、楽天トラベル、トリバゴなどの大手ばかり。
それに対し、informationalなもの(例:「ユニクロ 着こなし」など)についてはブログやアフェリエイトサイトなど、規模を選ばず様々なものが出てきました。
ここからさらにデータから見る特徴を教えてきただきました。
どちらも
・コンテンツの量は多いほうがいい。
・キーワードの出現率は多いほうがいい
・理想的なユーザ行動が取られているほうがいい
ということは共通でした。
しかし
「理想的なユーザ行動」はtransactionalとinformationalで大きく違いしました。
transactionalなものについては
「購入」がゴールになっていることが多いため、サイトをある程度回遊していることが目標達成のプロセスとして道理が立ちます。
つまり「サイト全体への被リンクの量が多い」ことが一つの特徴でもあり、SEO上でも優位な傾向にあると仰っていました。
informationalなものについては
「知る」がゴールなので、ユーザは目的としていた情報を得た後は、実際に得た情報を行動に移します。(料理のレシピとか)
つまり、被リンクが多いことが信用になり、LPへのサイテーションなどが重要になってくるとのことでした。
さらに、ガイドラインから紐解いてみると
transactionalなものについては「YMYL(Your Money or Your Life)」の領域にあり、YMYL領域内では高いE-A-T(専門性・権威・信頼性)が求められるとのことでした。
したがって、transactionalなページについては多くのサイテーションが必要となり、大手企業でなくては検索結果の上位は勝ち取りづらい環境であるのが現状ということでした。
では、中小企業はどのようにinformationクエリで戦っていくべきなのか。
ポイントは下記の7つでした。
・検索者の知りたいことに対して複数のキーワードで厚みを持たせる。
・コンテンツボリュームはオリジナルなものに。
・一目でなんのコンテンツかわかるページ作り。
・読了を目標としたコンテンツ設計や改善を。
・サービスサイトと、コーポレートサイトの関係を明確に。
・Page Speed Insightによる改善。
・コンセンサスを示すリンクは積極的に。
・リンクやサイテーションの獲得はユーザの期待を超えるコンテンツとSNSなどによる地道な発信が大切。
木村さんのセッションには数々のリアリティが詰まっていて、まずは自分の運営しているサイトがどのようなポジションにあるのかを正確に捉え、その上で適切な施策を無理なく行うことが大切だと感じました。
あくまで個人的な所感ではありますが、この「無理なく行う」というのはすごく大事で、常にニーズが変わり続ける中でSEO対策を永続的に行える体制が求められているのではないかと思います。