ふきを煮ながら思ったこと
小さい頃、おばあちゃんの煮る『ふき』が苦手でした。
苦いし、スジがあるし。当時、子どもだった私には美味しさが分からなかったのです。
ですが、今では自ら煮ようと思うほどに好きな食材です(*´-`*)
私は地元が長野なので、山と共に育ちました。
そのためか、ふきのとうやたらの芽などの山菜にはとても好感があります。
この次期になるとつい、そわそわして、『まだかな?』『そろそろかな?』と、自生する山ぶきの成長を心待ちにしてしまいます(笑
しかし、この『ふき』。
煮物にするには少々の手間がかかるんですよね。
ご存じの方も多いかとは思いますが、煮る前に湯がいて皮を剥くなど、下ごしらえが大変なのです。
ええ、本来は。
というのも、私はふきを煮る時、皮をあえて剥きません。
ふきは、苦いもの。
山菜は苦くて当たり前。
大人になって気が付いたことなのですが、ふきはこの苦みが美味しいんですよね(*^ ^*)
だから私はあえて、あく抜きと皮むきをしません!
(その代わり、これでもかというくらい煮ます)
誰の舌にも合うようにと作られたお店のお弁当やお惣菜のきゃらぶきはまず下ごしらえがきちんとされていて、見た目にも美味しそうではございますが、食べてみますと何だか味気ない気がしてしまいます。
ふき本来の味が、下ごしらえによって欠かれてしまっているような……。
もったいない!
本当はもっと主張の強い食材なのに!
人間にとって都合よく、受け入れられやすくされてしまっているんですよね。
もちろん、全ての食材にそれが悪いとは思いません。
じゃがいもなどの元々毒があった食材が品種改良によって食べられるようになったのは、じゃがも好きとしてはこの上なく賞賛したい。
だけれども。
この『ふき』のように、本来持っているはずの個性を下ごしらえで取り上げられてしまうのは、
なんだか寂しいなあ、と。
ふきを煮ていて、感じてしまったのです。
人は綺麗なだけじゃない。
貴方自身に、苦い部分があってもいいじゃない?
自分なりの個性を、大事にしていきたいものですね(✿╹◡╹)