笑って欲しければ笑え!
こんにちは。はやしです。1月16日は「タイタンの学校」の芸人コースのネタ見せ講義がありました。これは芸人コースの子たちが自分たちの作ったネタを放送作家の先生に見てもらう講義で、各自が作ったネタを芸人コース一同の前で披露し、品評しあう感じで進められていきます。
ネタ見せといえば、1月の冒頭に自主練会企画を実施して「タイタンの学校」におけるネタの練習方法のアプローチについて検討したことがありました。その時の様子はこちらにまとめてあるので興味がある方はご覧頂くとして…。
その時に参加してくれた芸人コースの子の一組が「くらげピザ」。ツッコミの鈴木君とボケの松丸君のこんな感じの子たち。本人たちに了承得てないのでちょっとだけ遠めの写真。
これまでもどうもネタの方向性に迷いがあるように私は感じていました。今回、せっかく自主練会に来てくれたので、これもいい機会ということでじっくり話を聞いて、ネタを見て、様々な角度から現状を分析。結果としてボケの松丸君がもっと「はじける(≒テンション高い)方向」でネタを演じていこう、ということに結論に達したのを覚えています。
その結論に達した理由はいくつかありますが、ひとつは「ツッコミの鈴木君が一定のキャラ立ちが出来ているのに対し、松丸君のキャラが今一つ見え辛い」というのが入り口だったと思います。「松丸君からいじられるのに対しツッコミを入れていく鈴木君」という【スタイル】はある程度完成していたのですが、その表現手法については鈴木君のツッコミ方ばかりにフォーカスが集まっていて、それをいじる松丸君をどう演出していくかの視点が少しおろそかになっていたという点を徹底的に検証しました。
そこの部分もなんやかんや話はあるんですが、ぜーんぶ端折って結論だけ話すと「松丸君の面白い部分にもっとフォーカスを集めることで鈴木君ももっと輝やけるはず」というプランを選択するところまででその日は終了。
何故かクリアクリーンしている松丸君。妙なテンションで気持ち悪いツイートです。夏ですらないし。ほっときましょう。
上記ツイートにもある通り一般コースの子たちにも色々アドバイスを貰って彼らなりに得るものがあった様子でした。それはそれで嬉しい話。自主練会をやった甲斐があったというものです。
そんな背景もあり、今回の(1月16日)のネタ見せ会では彼らのネタに少し注目していました。どんな感じで仕上げてくるのか。望んだネタ見せ会のネタの様子は下記の動画の通り。これまた本人たちに未承諾で動画を勝手に上げます。怒られたら削除するかもしれませんw
今日の講義終了後に彼らに時間を貰って取材を敢行。二人からは「色々練習したけど、時間が足りなかった。ただ、完成度が低いながら自分たちの方向性は見えてきた感じ」というような趣旨の話を伺いました。せっかくなのでもうちょっと時間を貰って改めて彼らの方針を聞いたり、動画を見て検証をしたり分析をしたりしてみました。
3人で色々話をしたり聞いたりした結果、僕が今回のネタで彼らに欲しいものは「松丸君の感情表現」であるという結論になりました。「体は以前より動くようになってはきた」ものの、「顔の表情」がついてこない点については大きなディスアドバンテージである点を特に指摘しました。
人間は【視覚】と【聴覚】で感情を判断すると一般的には言われています。「人は見た目が9割」という文庫がベストセラーになったように【視覚】から得られる情報はかなり重視される傾向にあります。その中でも「目」は重要で「目は口程に物を言う」ということわざからも「目」から感情や思考を読み取る傾向が人にはあることがわかります。そして【聴覚】からも人は「感情」を判断します。「語気の強さ」や「読むスピード」などから感情を読み取る事が多く「言葉そのものの意味から感情を判断しない」というのは体感的にも理解できるところだと思います。
とても良い解説記事があったので上記にURLを置いておきます。
こちらの記事にも書かれている通り…
人間は、言葉なしでコミュニケーションを取ったり、表情筋だけを使用して、ほぼすべての感情を伝達することに長けています。自主的なものであろうと、そうでなかろうと、への字口や釣り上がった眉、しわの寄った鼻といったシンプルな表情は、雄弁に感情を物語ります。多くの心理学者は、怒り、恐れ、喜び、驚き、悲しみ、嫌悪といった人間の基本的な表情は、学習によるものではなく先天的なものであり、世界中の文化に共通のものだと考えています。
人間が感情を読み取るのは「言葉」からではなく「表情」からなので、演じる時には「セリフの読み方」も気を払う事も大事ですが「顔の表情の作り方」もそれ以上に大事な要素であることを意識しなければなりません。更に言えば言葉に頼らない表現を身につけていくということが大事であるという事は間違いありません。
もう一度動画を見返してみてもやはりまだまだ表情がついてきていません。そのあたりをもっと突き詰めると彼等のネタはもっと「感情的に」伝わるようになるのではないかと思います。
また、もう1点。「二人ともほとんど笑わない」のがディスアドバンテージであるという話もしました。笑いは伝播します。こちらが笑えば相手も笑う、そんな話は「タイタン学校」内でも吉田たかよし先生の講義で出た話題です。ミラーニューロンと呼ばれる脳細胞の効果であることも証明されているそうです。
確かに売れている芸人さんを思い出してみてもとにかく豪快に笑う人が多いような気がします。怒ったり、笑ったり、とにかく感情の起伏が激しい人、そんな人が周りにエモーショナルな影響を与える・・・ってそれ当然のことですよね。だからこそもっともっと舞台上でも笑う必要性があると僕は考えます。
そんな話を彼らにして、ネタ見せ会の反省は終了。
とにかく(特に何らかの狙いがない前提で)「笑ってほしければ笑うべき」というのは結構重要ポイントのひとつな気がします。
引き続き「くらげピザ」の動向には注目したいと思いますし、もし他の子でも何か意見が欲しい方がいらっしゃればお気軽にお声がけ頂ければ検討・検証するのでお声がけ頂けたら嬉しいです。
今日のところはこの辺で。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?