赤みがかった轍
恥ずかしいタイトルでしょう
最初にカッコ付けないと書いてらんないんですよ恥ずかしくて笑
僕自身、どうして影ちゃんが好きなのかあまり分かっていない。お顔が素敵なのは勿論だけど、ミーグリやライブで見事なレスを貰ったわけでも、振る舞いや考え方に共感したわけでもない。
とてもとても積極的に応援しているわけでもない。
でも影ちゃんの写真集を11冊買ってしまった。
眠っていたコレクター魂でも呼び起こされたのかとも思ったりはしたが、何かしらそういう過剰なアクションを起こさなければ満たされないものがあったのは事実。
僅か21歳の若娘がただアイドルグループを卒業するだけ。その子の人生はこれからも続いていくし、もしかしたらこれからの方が何倍も素敵かもしれない。何らネガティブではない。
勿論僕もネガティブな感情は殆ど無い。アイドルとしてキラキラしている影ちゃんは見れなくなってしまうけど、アイドルの影ちゃんだけが好きだったのかと言われると別にそういうわけではない。
でも、卒業は寂しい。もしかしたら、そういうエモーショナルな通過儀礼に便乗して涙活をしたいだけなのかもしれない。
ただ、お顔が素敵、それだけで写真集を11冊も買うのはいくらハヤシが愚かだとしてヤケになりすぎている。人を使って涙活をしたいだけ、にしては入り込み過ぎている。
何にそんなに入れ込んでいるのか。
振る舞いや考え方は、むしろあまり好きでは無い。いかにもアイドルっぽいウィンクやカメラ目線などが得意で、性格は自己犠牲の精神があまりに強すぎる。僕の最推しの陽世と真逆にすら思える。
ただ考えるだけでは埒が明かない。唐突だが、最初に影ちゃんが気になった場面を思い出す。振り返ってみる。
ファン駆け出し時代あまり大きな声では言えない方法でがな推しを振り返っていた僕は、既にお顔の好みは影ちゃんが1番だった。童顔が好きなんだろう、それはもう仕方ない。
でも、進めていくといつのまにかいなくなっていて、調べたらこの時期は休養に入っていたとのこと。その時は「なーんだ」ぐらいだった。
時が経ち番組はひなあいになった。僕が愛することになる新3期が入ってきて、影ちゃんが戻ってきた。最初の新3期はもうよく覚えていないけど、片や影ちゃんは即戦力だった。名門出身の偏差値の高さだけでなく、ぶりっ子選手権での馴染み具合、舞台あゆみのワンシーン再現で笑いをかっさらい、「ゆうかだよ」という謎のくだりもたまらなく可愛かった。器用に見えた。
僕は何故か器用な人間はあまり好まない。多分この時期は本当にお顔が好きなだけで、人としての影ちゃんに殆ど興味はなかったと思う。
僕のファン歴が1年、2年と重なっていき、ライブを幾つも見た。やはり影ちゃんは僕の中で影の薄いままだった。特別歌が上手いわけでもパフォーマンスに魅力があるわけでもない。僕の興味は新3期に完全に移っていた。
影ちゃんのお顔が好きだったのでミーグリも何回かしたが、僕がコミュ障かつ影ちゃんはミーグリが苦手らしくあまり良い思い出はなかった。
そんな中、新3期が出演するセルフドキュメンタリーが放送するとことになった。
ひかりtvに契約し、新3期の回を見た。号泣したしずっと3期を推そうと決めた。
そして最後はたしか長尺の影ちゃん1人回だった。
そこで衝撃的な話があった。
実は大学受験をしていないと。
心が追いつかなかったと。
自分を嫌いになったと。全てを奪われたと。
僕は悲しいより先に怒りが出た。
高校生の女の子がそんなにも大きいプレッシャーのせいで壊れてしまったこと、そしてそれを今の今まで言わなかったこと。
色々なしがらみがあるのは何となくわかるので、言うタイミングがなかったのは仕方ない。でも、何故それを今の今までずっと我慢してきたのか。
他人を気遣うのもわかる。でも異常だ。20歳そこそこの子がやることじゃない。もしかしたらメンバーには言っていたかもしれない。でも、ファンにもう少し早く言ってはくれなかったのか。辛い想いを隠しながら僕らに笑顔を振りまいていたのか。もっと早く影ちゃんの力になりたかった。
そして何よりゴメンという気持ちが沸いた。別に思う必要は無いし、僕ごとき1オタクの想いなどクソ程もどうでもいい。でも想うことは辞められなかった。
ここから影ちゃんへの想いは変わっていく。
これを知ってから、影ちゃんが如何に自己犠牲的で他人を優先しているか見えてきた。
しばらくして、耳の特性についてのカミングアウトがあった。また僕は怒った。仕方ない、本当に仕方の無いことだけど、また我慢していたことに怒った。でも、今回は言ってくれた。手遅れになる前に。
言ってくれてありがとうを伝えることができた。少しでも力になれるように心を込めた慰めのレターを送れた。そしてやはりゴメンという想いも起きた。
その後すぐのワールドカップ。全試合鑑賞、インタビュー、巧みな話術、間違いなく影ちゃんフィーバーだった。
可愛くて高学歴、趣味でも結果を残す。演技もできるしアイドルとしても一流。世間からは天才にしか見えないだろう。実際天才なのだと思う。さらに、こんなに頑張ったのは日向坂が世間にもっと広まるためだと。こんな出来すぎな話、アンチが湧くのもわかる。
でも僕には、受験が出来なかったこと・耳の特性の話がずっと引っかかって、とてもアンチにはなれなかった。この思考過程すらも天才の手のひらの上なのかもしれないけど。
そして翌年2月、卒業発表。
発表の通知が来た時、僕は本当に世界一素敵な友人の結婚式の二次会に居た。感情がグッチャグチャになった。
報告ブログはやはりファンへの気遣いにまみれていた。フザけんなと思った。どうしてまた我慢をするんだと。頼むからワガママを言ってくれと思った。
だから、4月のひな誕でサプライズ登場があったと聞き、物凄く嬉しかった。ワガママを言ったんだと。迷惑を承知で自分の欲を優先したんだと。
それでもファンへの気遣いや謝る場面も見られたが、それ以上に影ちゃんが周りより自分を優先するような行動を取ったことが嬉しかった。
ここからは素人の勝手な妄想なので聞き流して欲しい。影ちゃんは天才で、天才ゆえに自分の辛さを隠せてしまうんだと考えたことがある。
偏差値が高い人は、発想力や記憶力に優れているのだとおもうが、もう1つ「相手の意図がわかる」能力に長けていると思っている。国語で、現代文の著者の考えとテストの答えが全く違うことが多いというのは有名な話だが、それでも100点をコンスタントに取る学生は居る。その学生は、テストを作った人間の意図を完璧に読み取っているのだと思う。バクマンに同じような話もあった。
そう考えると、影ちゃんも相手の意図を先読みして応える術を知っていて、だから優秀だし、だから相手が気遣って来るタイミングもわかって先に影ちゃんの方から気遣う。
あくまで妄想。
そして5月、影ちゃんの写真集発売。
僕は11冊も写真集を買った。
パネル展で泣いた。余りにも綺麗で儚くて、可愛かった。
顔だけが好きだと思っていたのに。アイドルっぽい振る舞いが好きでは無かった筈なのに、それは優秀ゆえに期待に応えられてしまうからだと思うようになり。自己犠牲が強いところも、無理をするところも好きでは無かったけど、そんな影ちゃんが変わろうと頑張っていることを感じていて。
勿論こんな文章に起こせるような確実的な要素だけではない。
でも、確実に言えるのは、影ちゃんは不完全で不器用だった。
天才ゆえに、器用で完璧なように見せることが出来るから、わからなかった。
いつのまにか影ちゃんを応援していた。
それが隠せないほど大きくなって、その想いが行動に現れてしまったのかなと思う。
そして7月、卒セレ。
とても楽しいライブだった。
相も変わらず、ファンの意図を読んで、エモくさせない、悲しませないように組まれていた。
スピーチもなかなかに変だった笑
恥じらいは確実にあるだろうが、それ以外にも僕らファンの辛い気持ちを少しでも緩めるためという意図は感じ取れた。
最後まで完璧で、でもやはり不器用で不完全だった。僕はそんな影ちゃんがやはり大好きだ。
行かないで欲しい。
でも挑戦し続けて欲しい。天才なのだから、多分どこまでも登り詰められる。寝ないほど努力できるのは、その努力がちゃんと結果に繋がるモノにできる能力の高さがあるから。
多分1アイドルグループで留まってはいけない天才だと思う。
でも寂しい。普通の女の子としてメンバーとふざけていた方がもしかしたら幸せなのかもしれない。だから日向坂に居てよ、と思ったりもする。芸能界に影ちゃんを理解してくれる人が、メンバー以外に居る保証は無い。
でも、友よ、一番星だのMVを観て、何て良い曲を貰っているんだと思った。
撮影は鹿島スタジアム。常勝軍団の伝統ある本拠地。ハマスタのようにコネクションは一切無い。そこで撮影をさせてもらうに値する価値があると判断されている。
曲もサッカーの母国の英雄Queenのようなフレーズ、サッカーを想起させる歓声、可愛いソロカット、綺麗なソロカット、足跡を辿るようなソロカット、珍しく力の入った秋元康の歌詞「痩せ我慢と分かっていたって」。
期待されている。ここで留まってはいけない才能だと沢山の大人が認めている。
だから、影ちゃんは日向坂を出るべきなのかもしれないと思った。
寂しい、本当に。でも、無理だけはしないで。絶対に大丈夫だから、成功するから。我慢しないで、自分を大切にして。ワガママを沢山言って。
スピーチでも言っていた、自分を好きになれてきたと。その調子、あなたは天才なんだから、もっと自分を愛して。頑張ってね。
今これを書き終わったのが8/6(日) 22:12。坂道ゴールデンまで約2時間。それまで影ちゃんへ想いを馳せて待っています。そして最後は大爆笑で終わらせてね🤣
ありがとう。