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【大アルカナ解説】No.0 愚者/The Fool


今日の主役

さて、記念すべき【大アルカナ解説】第0回目、

旅の始まりのカード愚者、又の名を「The Fool」を解説していきます。

と、その前に【大アルカナ解説】では何を説明していくのかについて軽く触れておきます。興味がなければ目次から「準備」に飛んじゃって結構です。

【大アルカナ解説】は、無料分では浅く広く学びたい人向けの記事です。感覚を出発点とし、最終的に理論にわかりやすく落とし込んでいきます。なので、タロットを既にある程度勉強した人に向けた記事ではありません。

そして有料分では、より深い知識を得たい人向けに実は意外と知られていないカードの裏テーマやリーディング解説、たまにはカバラなんかに触れることもあるかもしれません。私の1年間で身につけた知識をふんだんに書き記していきます。有料にする予定ですが、今回は無料で全部読めるので、今後の記事を購入するか検討する判断材料にしてください。

そして、大アルカナ解説は、基本的に

  1. 導入

  2. 主な意味

  3. 絵の解説

  4. キーワードまとめ

  5. 裏テーマ

  6. 他のカードとの関連、比較

  7. リーディング例

  8. etc…………

の構成で進んでいきます。5以降は基本有料になります。今回は全部無料です。ですが、4までで十分なので、無料分でも十分学習ができます。一緒に楽しんで勉強していきましょう!!

1.準備

さて、「準備」ではタロットカードの勉強、どうやったら楽しくなるか私なりに考えた結果、まずは面白そうだと興味が湧くような導入を提供するべきだという結論に至りました。

それではやっていきます!

さて、The Foolと聞くと、私は以下の2人が思い浮かびました。(アニメやゲーム好きじゃない人は申し訳ありません。)

ジョジョの奇妙な冒険スターダストクルセイダース 

やんちゃでマイペースだけど勇敢な犬、イギー。スタンドの名前はThe Fool。体を砂状に変形させる能力で、非常に柔軟性の高いスタンド。

ペルソナ5のイゴール。ベルベットルームの管理人。充血した目と長い鼻を持つ老人。主人公の「更生」を手伝ってくれる。アルカナバーストは愚者。

この2人を思い浮かべながらここから読み進めていくと、スッと話が入ってくるかもしれません。

次に、改めてカードを見てみましょう。

太陽がさしていて、山を背景に花を持った少年が旅しているな〜、あ、ワンちゃんいるな〜、旅にしては荷物少ないな〜くらいで結構です。あと、数字にも着目しましょう。0です。始まりにふさわしい数字ですね。あと、タロットはいろいろ流派的なものはありますが、基本的に0からスタートという解釈で結構です。

The Fool、愚者。愚か者ですね。絵からは生き生きとした少年の印象しか受けないので、愚か者にはあまり見えません。

2.主な意味

さて、ここから本格的にカードの意味を解説していきます。

このカードを一言で表すなら、

旅の始まり

です。


愚者のカードは他にも、若々しさや、エネルギッシュさ、純粋さを象徴します。比較的いい意味で読み取れますね。

イゴールなんかはまさに、旅の始まりに出会うキャラクターですからぴったりですね。

3.絵の解説


愚者の目線と白い花

愚者は斜め上を向いています。足元をよく見ると今にも足場が崩れそうですよね。これは、若々しさの代償として視野の狭さがあることを表しています。しかも目を閉じているため、理想主義者とも読み取れます。白い花からも、ロマンチストであると読み取れます。

太陽と派手な服

太陽が出ているカードは大体いい意味です。感覚的にわかると思うので是非頭に入れておきましょう。(いざ占う際にカードの意味を忘れても、絵の要素を知っておくだけで何とか占えます。)
それに加えて、愚者はすごく服がド派手です。太陽と相まって、自信に満ち溢れている様が描かれていますね。

荷物

まだ何も始まっていないため、背負うものがあまりないことを示唆しています。


いろんな説がありますが、まあ幸福の象徴ぐらいで捉えておくのが丸いです。今の段階では意外とあまり意味はないと思ってもらって大丈夫です。

4.キーワードまとめ

  • 旅の始まり

  • 視野の狭さ

  • 理想主義、ロマンチスト

  • 満ち溢れる自信

  • 背負うものがない

この5点を一旦押さえれば、ほぼ完璧です。毎回覚えることはこれだけです。最低限じゃなくて、もう意味の8割は抑えていると言いても過言じゃありません。どうです?意外と何とかなりそうじゃないですか?

これ以降も今回は無料で掲載します。もし意欲があれば残りの2割も抑えていってみましょう。

5.愚者の裏テーマ

愚者の足元にフォーカスしていきます。

このカード、4でまとめたキーワードで十分なのですが、それは表面的な意味に過ぎません。

このカードの「裏テーマ」は「選択」です

大アルカナのストーリー的に、愚者は神の力を自在に操る魔術師へと成長します。

偉大な魔術師となるか、死んで愚か者となるか、その分かれ道がこの崖なんです。つまり、カードに描かれている状態はまだ愚か者ではないんですね。

奔放な旅などなく、過酷さに縛られることが旅の本質だと伝えたいのかなと私は解釈しています。

もし占った時にこのカードが出たら、相談者さんに迷っていることはあるか尋ねてみてください。何も迷っていることはないと言ったら非常に危険です。順風満帆に見えて、大きな落とし穴が潜んでいることでしょう。

6.他のカードとの関連、比較

魔術師


次回登場するよん

魔術師のカードは、愚者と非常に深い関連性を持っています。1番注目して欲しいのは、です。中央下に白い花が見えますね。愚者のカードにも白い花が描かれていました。これは、以前の楽観さを捨て、堅実に努力して魔術師として大成したように一見見えるけど、ロマンチストな性格は相変わらずだということを示唆していると読み取れます。(諸説あり)
ちなみに赤い花は女性性を表していて、恋に関しても上手くいくという、いろんな読み取り方ができる面白いカードです。次回詳しく解説していきますのでお楽しみに。

ひええええええ

死のカードと愚者のカードは、共通するものが一つあります。是非探してみてください。この2枚、めちゃくちゃアツい関係なんです。死のカードの解説会で愚者のカードとの関連性を解説するので頭の片隅に入れておいてください。

7.リーディング例

実際に占う時どんな感じなのか、解説していきたいのですが、カードをまだ1枚しか紹介できていない関係であまり参考にならないかもしれません。

今回は、右から左に向かって、過去現在未来を暗示するカードを3枚並べる、スリーカードスプレッドで愚者が混じっているパターンの具体例を2つ見せていきます。

過去からの影響:0 現在の状況:3 未来の可能性:4

相談内容
これからも彼女・彼氏とうまくやっていけるか占ってほしい
鑑定結果
最近2人との関係の間で大きな転換期(愚者)があり、そこを何とか乗り越え、今はすごく安定(女帝)した関係性になっている。ここから先、うまくやっていくコツは、中途半端に放置している決め事をさっさと決めてしまうことだ。互いに社会性が高いので、譲り合ってしまう時、過去にあった大きな転換期のことを思い出してどちらかが進んで決断できると非常に良い。

実際対面で占いをすると、相手の方から具体的に話し始めてくれる場合が多いので、ここまで抽象的にはならない。次は会話形式のパターンで解説していきます。

相談内容
最近転職しようか悩んでいる。
鑑定
「今の会社はどうですか?」
「環境自体はいいんですけど、仕事内容が性に合わないって感じなんですよね。会社に一応相談したら、君の自由にしなさいと言われて、こんなホワイトな職場簡単に辞めちゃっていいのかなとか思うんですよね。」
「なるほど。今ある選択肢は、性に合わないけど今の仕事を続ける、もしくはやりたい仕事をするため転職をするか、ってことですね。おそらくその性に合わないという発言は、過去に十分じっくり考えて(吊るされた人)検討してあるので、答えは実はあなたの中で出ています。転職という選択肢がある時点であなたにはそれしかありません。未来についてですが、愚者のカードが出ているので、ある程度無茶に振り切っても自信はついてくるので何とかなるでしょう。」
「でもやはり正直今の会社は業務内容以外はとても気に入ってます。なかなか捨て難いです。」
「2枚目のカードのメッセージは、何を信じるか(教皇)です。今あなたは、どちらにせよこれからの自分を信じる必要があります。そうしなければ一生停滞したままもあり得ます。後悔しない決断をするため、一度肩の荷を下ろして楽に(愚者)考えるために有給を取ってもいいかもしれませんね。」
「ありがとうございます。」

8.おまけ

今回は、私が愚者のカードに対して思っていることを書いてみようかなって思います。専門的な話も出てくるので難しいと思うかもしれませんが、初心者はタロットって意外と奥深いんだ〜くらいの感想で十分です。プロでもここまで考えている人はあまりみたことがありませんから、「ゆくゆくはここまで覚えないと……!」とは思わないでいただきたいです。

ではいきます。

過去に一度、タロットの総合的な学習を終えて改めてカードについて書き記したメモがあり、今回の解説を書くときに見返していました。その一部を今回引用してお話ししていきます。

0愚者 王冠ー知恵
楽観的、無知故の自信、開放的でおおらか。差別がない。広いビジョン。直感的自信は頼りになるが、足元を掬われないようにしよう。踊り歌う旅路はきっとあっという間だろう。ふわふわしている。あなたの中の理屈理論では完成していても、それは人から見たらまだ未完全かも知れない。青天井な精神で生きよう。

まあ、今回紹介したものとほとんど同じですね。ですが、ここで一度、別のカードのメモを見てみましょう。

14節制 美ー基礎
何の気の迷いもなく鍛錬に打ち込む姿。押し引きを考慮するべき。何度も価値観を濾過して洗練させていく。一見足踏みしているように見えても、それは大きな成長につながっている。それにそもそも営みを維持するって結構大変だったりする。頑張り屋さんなカード。基礎へと向かう。道を曲げなければ確実に成功へ進める。黄金比には容易く辿り着けない。押し引きであったり匙加減を考慮するのが重要である。相手のことを考えてバランスを取る。エゴの配分に注意。調和のために上部だけの関係でいるのはどうなんだろうか?

さっきより具体的ですよね。そう、愚者ってめっちゃ浮ついてるカードなんですよ。主体性はあるけど中身がないって感じです。中身って何だろうって考えた時、とある言葉を思い出しました。

中身とは実績と歪みの和である

岡田斗司夫ゼミ11月1日号「視聴者の需要?過激化する生主達と人間の中身とはなにか?」にて

この言葉、かなりタロットの世界観とマッチしているんです。結局、タロットのストーリーって、中身がない若造が成熟した大人になるお話しですよね。タロットを運命の輪を境に前半後半で分けると、前半は実績、後半は歪みについて描かれているとわかります。

これは私の経験上の話なのですが、実績の入り口って鋭い感覚だと思うんです。もっと日常に落とし込むと、感性が豊かな時に始めた趣味ってなんか長続きするんですよ。現に私も、占いは1年やっています。飽き性の自分にしてはかなり続いている方だなって思います。

なので、このカードが出たら相手の感性を大事にするべきなんじゃないかなと思ったりします。先のことに関して抽象的な意識だからこそ、今意識を具体化させるお手伝いが必要だというサインかもしれませんね。



ちなみに、ちょくちょく書かれている、「王冠ー知恵」「美ー基礎」というのは生命の樹というユダヤ教の思想の中の概念です。もし興味があれば調べてみてください。難しくて発狂すると思います(笑)

でもいつかは生命の樹解説は絶対したいと思っています。おそらくタロット中級者さん以上は1番知りたいお話しなはずです。今からタロットの勉強を始める人が、中級程度の知識がついたころかメイン層がタロット中級者以上になったら、記事を書こうと思います。楽しみにしてくださいね。


ここまで読んでくれてありがとうございます。次回からは5番以降有料になります。もしこの記事が気に入ってくれたら次回も読んでみてください!


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