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なぜ企業のマーケティングにコンテンツが必須なのか?〜メディア・コンフィデンス事業Interview
前回のインタビューでは強みについてお伺いしました。
https://note.com/hayanomc2015/n/n39991d89c62a
今回はその続編として、なぜ企業はコンテンツを強化し、マーケティングを成功させるべきなのか?について聞いていきたいと思います。
なぜコンテンツが大事なの?
Q:そもそも論として、企業のマーケティングのために、なぜコンテンツが大事なんでしょうか。
たしかに、コンテンツは作るのが面倒だし、広告や従来のフィールドセールスだけで成果が挙げられるのであれば、必要ないですよね。
ただ、あったほうがいいケースの方が多いです。
どの業界も成熟していて差別化が難しいためです。
または、逆に、革新的すぎてユーザーの理解が追いつかない、従来の概念では説明ができないものについても、同様にコンテンツが必要です。
購買プロセスにコンテンツが必須
BtoBの購買や、高価格商品においては、購買プロセス、ジャーニーマップというものがあります。
商品を知って「なんだこれ」「初めて見た」という段階
「あれ、いいかも」と思う段階
「ほかにないのかな」と調べる段階
買うために候補を絞る段階
営業担当者から話を聞いて考える段階
社内(または家族と)で会議をして買っていいか決める段階
営業担当者と交渉しつつ費用や契約書を見る段階
ここまで来て初めて「購入する」(購買、または契約や導入)があるわけです。
これが購買プロセスといわれるものですが、これをステージ別にわけたときに、従来の広告だけでは限界があるためです。
・広告でメッセージを届けられるもの
と
・広告だけではメッセージを届けられないもの
がでてくるわけです。
このうち、広告だけでカバーしきれないものをカバーするのが「コンテンツ」というわけです。
Q:ここでいうコンテンツとは、何を指しますか?
コンテンツにはおおまかに種類があります。
ここでは上記の目的に照らすと、文章やセミナーコンテンツが有効になります。
〜文章で伝えると効果的なもの〜
開発ストーリー、開発者の思い
創業者の思い
製品のこだわり
独自性、強み
製品開発の土台になっている新しい考え方や思想、コンセプト
〜対面やオンラインでのセミナーで伝えると効果的なもの〜
製品を使って成果を出す一連の方法
他社の成功事例ストーリー
こんな感じですね。
Q:こうした記事や動画などをうまく使っていくということですね。プロセスのどこで使うのでしょうか。
はい、これらコンテンツがあったとき、上記の購買プロセスでどこに有効かというと、
買うために候補を絞る段階
営業担当者から話を聞いて考える段階
社内(または家族と)で会議をして買っていいか決める段階
などで有効になります。
このタイミングで、「こちらの記事もどうぞ!」「こんなセミナーやっています!」というかたちで、契約とは直接関係なく、コンテンツを提供してあげると、どうなるでしょうか。
それまで他社との違いや製品が大事にしているポイントがつかみづらかった顧客が、少しずつ理解度を深めてくれるきっかけになります。
もし、こうしたコンテンツを定期的・連続的に届けることができたら、顧客にとっては「売るだけじゃなく、いろいろ教えてくれるし、人柄も良い会社」になります。
広告を出稿するだけでは実現できない信頼関係を生み出すのがコンテンツの役割、というわけです。
当社でもこうした「購買行動のプロセスそれぞれに対して、最も有効なコンテンツ像」を追求しています。
ほとんどの企業がこうしたコンテンツを作ることで、差別化や顧客理解を実現できます。
コンテンツが必要な業種
Q:全ての会社にコンテンツが必要なのでしょうか。
BtoB業種や高価格商材に関して言えば、「9割の企業はコンテンツを作るべき」と言えるかもしれません。IT、ソフトウェア、SaaS、制作、DX、サービス、開発、教育、コンサルティング業などです。
逆にいうと、広告1枚ですぐに購買がおこるような衝動的な商材や、検討に時間がかからない日用消費財であれば、わざわざコンテンツを作る必要はないですね。
また、そもそも商品が一定でいない「人材仲介会社」「不動産仲介会社」はコンテンツに向かないです。
コンテンツを作るために大事な経営姿勢
未経験でもコンテンツは作れる?
Q:なるほど、必要な理由はわかりました。ただ、作るのが大変そうですね。未経験でも、どんな企業でも、作れるのでしょうか。
はい。どんな会社でも、必要であれば作ることができます。
作れるかどうかは、制作リソースがいまあるかどうかは全く関係ないです。今時点でライターがいなくても、ディレクターがいなくてもOK。
それよりも、実際にコンテンツを作っていくためには、経営側の姿勢が必須です。デジタルマーケティング「土台」となる知識を得ることが条件ですね。
Q:土台となる知識とは?
そもそも営業とマーケティングが何で、コンテンツが何なのか。
全体的にとらえ直したほうが望ましいです。
制作を内製化するにも外注するにも、意思決定するのは経営層です。
経営層からすれば任せていても、経営判断をせまられる機会がいくつもあります。
意思決定からは逃げられません。
営業全体、マーケティング全体の中でどういう役割を持たせるか。
年間予算と期待する成果パフォーマンス、最終的な成果につなげるための分担などを経営層が知っておかないと、今後発生するすべての意思決定を「外す」ことになりますからね。
丸投げ外注はNG
Q:丸ごと外注したほうが早いのではないでしょうか。
いいえ。実はそうでもないんですね。
記事制作会社、動画制作会社、セミナー運営代行会社いろいろありますし、丸投げすれば簡単に成果がでそうな感じがしますよね。
ちょっと高くても、任せればすぐできるかと思いきや、そうでもありません。
なぜなら意思決定をするのは結局、自分たちだからです。外注会社は意思決定までできません。言われたものを作るのが得意な人たちですからね。
専門的で実績がある会社ほど、その制作物だけを安く早く作ることに特化して組織が発達していきます。人件費の安いスタッフでリソースを確保しています。
記事制作会社であれば、「本来の目的はさておき、記事をうまく早く作るためのスタッフ」が担当します。価格競争のため、若い社員が何社も担当しているのが実情です。
すると、どうなるか。制作だけがわかる若手社員が担当するとどうなるかというと、部分最適になります。
全体最適=コンテンツ制作を通じて獲得したリードが成約になる、までを保証してくれるわけではなく、「記事として問題がなく、それなりにアクセスがあり、きれい」なものが納品されてくるだけです。
もちろん、成果につながる制作物を、練りに練って作ってくれる制作会社なら話は別です。
ただ、そうなると単価が上がるのと、本数をこなせないので、会社としては零細になります。すると「良い会社はあるけど、零細すぎて出会えない」ので、存在しないのと同じになりますね(というか僕自身が4、5年前までそうだったので、よくわかります)。
外注したほうが早いというか「外注したほうが、制作自体のスピードは速いが、作るものの質が変わる。最終的な成果につながるかどうかでいうと、結局じぶんたちで判断しなければならない」という答えになります。
ー外注だけだと部分最適になるのと、結局は意思決定をする必要があることがわかりました。
「土台」を学ぶ姿勢をつくる
Q:こうしたことを踏まえ、企業はどんなことにトライするべきでしょうか。
はい、先ほど話した「土台」を学ぶ姿勢をつくることから始めるべきです。
経営層は日々忙しいなか、遠回りかもしれません。しかし、必ず後から効いてきます。
まずはやる前に3ヶ月ほど、経営層を中心に「そもそもどういうものか」を学び、考え直したほうがいいです。
これまでのウェブマーケティングの歴史から断片的に知識や経験があるかもしれませんが、変化が激しいため、一度忘れ去らないといけません。かつてリスティング広告だけで良質なリードが獲れていた時代に縛られている経営層もまだまだたくさんいますからね。
ウェブマーケティングが成熟したいま、意思決定の力そのものを身につけてほしいです。
広告とコンテンツでどんな役割を期待するか
営業全体、マーケティング全体の中でコンテンツにどんな役割を持たせるか
年間予算と期待する成果パフォーマンス
最終的な成果につなげるための分担
それがわかったら、
・どんなコンテンツ種別を
・いくらの予算で
・どれぐらいつくるか
・社員の誰に担当させるか
・足りないところをフリーランスや制作会社に外注するか
を決めていきます。
実際には経営計画や会計の話になってくるので、経営者であれば時間をかければ意思決定できるようになります。
本や動画セミナーでは学びにくいので、当社ではこれらの流れをもとに、私が資料をみながら説明しています。
コンテンツを作る前提がいかに大事か、身に沁みてわかっていますからね。
実はこれが、当社がコンテンツを重視するのに、制作請負の業態をとっていない理由でもあります。
企業がマーケティングで成果を出すために
Q:最後にまとめとして、あらためて、企業がマーケティングで成果を出すためにコンテンツを活用すべき理由とその注意点について教えてください。
はい、企業は認知から購買までのプロセスにおいて、広告とコンテンツを併用すべきです。
そのために必要なのはコンテンツ制作ですが、単に制作するだけでなく、経営層の知識や理解、意思決定力が必須になります。
自社がイニチアチブをとって、どんなコンテンツを作って活用するかを定め、粘り強く実行することで、成果につなげていくことができると考えています。
業者丸投げはできません。
当社ではその意思決定から、体制づくりまでの一連の流れをサポートし、本来あるべきコンテンツとマーケティングの理想像を実現してまいります。
ーありがとうございました。