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企業がやるべき「コンテンツデベロプメント」とは?-株式会社メディア・コンフィデンス事業インタビュー

近年、コンテンツマーケティングの重要性がますます高まる中、生成AIの登場により企業の戦略にも新たな視点が求められています。そうした変化の中、株式会社メディア・コンフィデンスが提唱する「コンテンツデベロプメント」は、従来のマーケティング手法を一歩進めた革新的なアプローチです。本日は、代表である早野が、コンテンツデベロプメントの本質と実践方法についてインタビュー形式で話します。

株式会社メディア・コンフィデンスが提唱する「コンテンツデベロプメント」とは?

Q: コンテンツデベロプメントという言葉を提唱していますが、従来のコンテンツマーケティングとは何が違うのでしょうか?

早野:
コンテンツデベロプメントは、コンテンツマーケティングの延長線上にある、より戦略的で継続的な取り組みです。コンテンツマーケティングは近年、どちらかというと短期的な効果を狙うことを指すようになりました。一方、僕たちが提唱していきたいのが「コンテンツデベロプメント」です。

コンテンツデベロプメントは、企業が自らのコンテンツ(ビジネスコンテンツ)を「資産」として育て上げることを目指しています。開発(ディベロップメント)によって実装、装備するようなニュアンスですね。

たとえばこれまで、ブログ記事一つでも、キーワードの上位を狙ってアクセスを稼ぐ、ような文脈で語られることがほとんどでしたが、今後のグーグルの方針を考えると将来性があるとは思えません。

これからは、これまで作っていたようなコンテンツをどのように更新・再利用し、また別の形で活用するかを考えるべきだと思います。コンテンツデベロプメントにより、単発のキャンペーンではなく、長期的にビジネスに貢献するコンテンツのエコシステムを作り上げることができるのです。

Q: コンテンツを「資産」として捉えるという発想は従来から一部でありましたが、実際にどのようにしてコンテンツを資産化していくのでしょうか?

早野:
まず、企業がすでに持っている情報やリソースを分析し、それを最大限に活用することが大切です。どの企業も、BtoB業種であっても、じつはすでに有用な情報を持っているのですが、それを十分に活かせていないケースが多いんですね。

例えば、過去の顧客とのやりとりや、成功事例、社内の専門知識など。これらを体系的に整理し、コンテンツとして発信することで、大きな価値を生み出せます。たいてい自分たちで「こんなものでいいのか」と思えるようなものが、顧客からすれば価値のあるものです。

そのコンテンツは、一度作って終わりではなく、継続的に更新し、他のフォーマットで再利用したり、異なるチャネルで展開することで、さらにその価値が高まります。

Q: コンテンツを継続的に使い続けるということですね。それにより、どのような成果が期待できるのでしょうか?

早野:
まず、長期的なブランド価値の向上が見込めます。短期的なSEOキーワード施策では、一時的なアクセス増やリード獲得はできても、その効果は持続しません(近年登場しているAI自動ライティングツールはそれほど意味がないと思います・・・)。

対して、コンテンツデベロプメントでは、ブランドとしての信頼性をじっくりと築いていくことができます。おそらく今後のSEO、検索エンジンからの評価も高まるようになると予想します。定期的に更新され、価値のあるコンテンツは検索順位でも優位性を持つとされますが、結果的にオーガニックトラフィックの増加にも繋がるのではないでしょうか。遠回りに見えて正攻法なのかもしれません。

Q: コンテンツデベロプメントが特に有効な企業や業種はありますか?

早野:
BtoB業種を想定して話しますが、BtoBのなかでもリソースが限られている中小企業には特に有効だと考えています。広告費では差がついてもコンテンツを作ること、情熱は工夫のしがいがありますからね。

大企業のように多額の予算や人材を投入できなくても、既存のリソースを効果的に活用し、戦略的にコンテンツを育てていくことで、同様の効果を得ることが可能です。

さらに、プロフェッショナルサービス業界やコンサルティング業界など、専門知識を持つ企業にとっても、デベロプメントは有効です。専門性の高い内容を体系的に発信することで、業界内での信頼を高め、顧客との長期的な関係性を築くことができます。

コンテンツを効果的に使うステップ

Q: コンテンツを効果的に使うための具体的なステップを教えてください。

早野:
大きく分けて3つのステップがあります。

  1. 顧客のフェーズを理解する
    まず、顧客がどのフェーズにいるのかを理解することが重要です。カスタマージャーニーマップというやつですね。
    新規顧客と既存顧客では、求めるコンテンツが異なります。新規顧客には、まずブランドやサービスを理解してもらうコンテンツが必要ですが、既存顧客には、さらに深い価値を提供するコンテンツが求められます。

  2. コンテンツ活用のポイントを見極める
    次に、どのコンテンツをどのチャネルで、どのタイミングで活用するかを見極めます。たとえば、ブログやホワイトペーパー、動画など、コンテンツの形式や目的に応じて、最適な発信方法を選びます。表現方法や見せ方になります。

  3. 現状分析と新しいプランニング
    最後に、現在のコンテンツの効果を定期的に分析し、新しいプランを立てることが大切です。担当者のグーグルアナリティクス4操作は必須。何が効果的で、どこを改善するべきかを把握し、次の施策に繋げます。

生成AIとコンテンツの関係

Q: 生成AIの登場によって、コンテンツ作りが劇的に変わりつつありますが、コンテンツデベロプメントにはどのような影響を与えると思いますか?

早野:
生成AIは確かにコンテンツ作成の効率化を助ける一方で、AIが生成するコンテンツはまだ限界があります。当社も積極的につかっていますが、一長一短があります。特に、オリジナリティや感情、そしてブランドの核心に迫るようなコンテンツは人間の手によって作られるべきですね。

コンテンツデベロプメントでは、AIの利点を活かしつつ、企業独自のストーリーや価値観を反映したコンテンツを創り上げることが鍵となります。

Q: 最後に、これからコンテンツデベロプメントを始めようとする企業に向けて、アドバイスをお願いします。

早野:
まずは、手元にあるコンテンツを再評価してみることから始めてください。すでに公開済みのブログ記事や、過去に行ったイベントの資料など、活用できる資産は思った以上に多いものです。それらを整理し、戦略的に再活用していくことで、大きなコストをかけずに効果を得られるはず。

当社は今後もコンテンツデベロプメントについてお話ししていきます。コンテンツデベロプメントの視点を取り入れて、コンテンツを継続的に育てていくことが、長期的な成長の鍵になると思います。

Profile
早野 龍輝(はやの・りゅうき)
コンテンツプロデューサー・デジタルマーケティングコンサルタント。

株式会社メディア・コンフィデンス代表取締役。東京大学卒業後、KADOKAWAグループで書籍編集者として活躍し、36冊の書籍を企画・刊行。「コンテンツの可能性」を求め、2015年に株式会社メディア・コンフィデンスを創業し、コンテンツマーケティングやデジタルマーケティングに従事。ウェブメディア立ち上げや多くの大手企業のプロジェクトを手がけ、SEOやCRM施策にも精通する。

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