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マンディの野望。
マンディ(仮)は病棟のキッチンスタッフ。
機内食みたいな病院食を準備して、患者さんに配膳するというのが彼女の主な仕事。
この機内食みたいな病院食。決して美味しくはないけど、働きづくめでお腹が空いたときにはご馳走のように思えてしまうので、他のスタッフ同様わたしも配膳されなかった残り物をいただくように。
とは言っても、キッチンスタッフによっては、「あんたたち、何勝手に食べてるのっ!」「これは患者さんの食事なのよ!」「あんたたちは食堂に行って自分たちで買って食べなさい!」と鬼のような形相でスタッフを追い払う人も。
マンディもその一人。
「あんたたちのせいで仕事を失うのはごめんよ!」と言って、時にはキッチンに入ることもできなくなるのよ。それに肝心の食堂は夕方早くからしまっちゃうしね。
まぁでもキッチンスタッフとのいざこざを避けるべく、特にこのマンディが担当の日はキッチンに寄らないようにしてます。
でも、「余ったから食べる~?」と親切にも聞いてくるキッチンスタッフもいるから、そういうときはありがたくいただくことにしてます。
そのマンディ。
えっ!と驚くことがあったのよ。
先日、わたしの教育担当ドナ(仮)がそそと近づいてきて、茶封筒を見せるわけ。そして、「マンディがバーミンガムに行くお金を集めてる」って言うの。「バーミンガムの何のお金?チャリティワークでもするの?」と聞くと、「マンディのクリスマスショッピング」って言うのよ。
つまりね、マンディはバーミンガムにクリスマスショッピングに行きたいんだけど、買い物をするお金がないからスタッフから募ってくれとドナに依頼したっていうわけ。
さらに詳しく聞いてみると、バーミンガム行きのバスのチケットはすでに購入済み。「それってどうよ?」と思っていたら、同じスタッフのエマ(仮)が「わたしもロンドンにショッピングに行きたいので、募金お願い!」と冗談めかして言って笑ってました。
残念ながらマンディにいい印象はないし、マンディに募金するより、若くしてサルコーマになって歩くのもままならなくなってしまった患者Aさんの「ハリーポッターランドに行きたい」っていう願いをかなえる方に募金しようと思って、丁寧に断りましたわ。
もちろんみんなブーブー言ってたけど、婦長さんはさすがに懐が深く、数ポンド払ってあげたそうです。
いよっ、太っ腹!!
ヨーコ
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