住まいは購入か賃貸か
よく「人生において財を成す為には資産と負債の定義を明確に理解することである」なんて言われますが、この負債か資産かの区別もなかなかややこしいものですね。
家は資産か負債か!?
なんて話もよく耳にしますが、自分が住むための家は資産でなく負債、収益物件としての家は資産・・・などという考えもありますね。
また、居住用の家でも将来値上がりすることがほぼ確実な物件は資産、それ以外は負債という考え方もあります。
まあもと不動産営業マンのワタシからすると将来値上がり確実と言える不動産は全体の1%ほどですかね。
将来的に人口も減っていき、流行り病の影響とは言え東京でさえ2021年1月の時点で半年間人口が減り続けているようなのでこの先1%以下になりそうな気もします。
こういった希少物件(タワーマンションの最上階にあるペントハウスのような物件とか)は市場に出される前に人知れず富裕層にご案内が届き、いつの間にか買い手が決まっているというパターンです、ハイ、すみません。
持ち家と賃貸はどちらがいいのか❔などのお話もネットなどで活発に議論されています。
ここで話はややそれますが、自分個人の考えといたしましては家に加えて車、貴金属、ブランド品、そして結婚などは(たとえ浪費となっても)「どうしても欲しい」、或いは「どうしてもしたい」ほどのレベルでない限りやめておいたほうがいいと思います。
例えば「自分は一人は絶対イヤだし子供は絶対欲しいから何としてでも結婚したい」などの状況ならばGOですが、「周りがそうしているからなんとなく・・・」、「皆もそうだし親からも強く勧められたから・・・」などの理由で人生を左右するとまで言われるこれらのものを手に入れたり行うと後悔する場合が多いです。
これらのものは自分の中で強く欲さない限りは止めておくのがベターかと思います。
購入にしてもさんざんローンで苦労したワタシから言わせていただくと一括で買えないものは取り敢えず分不相応と判断し止めといたほうが良いかな~と。
そして長期ローンでの住宅購入はかなり考えたほうが良いかと思います。
理由として今後は人口減少やリモートワークによる居住地区の散らばりもあり、土地の価格は上がる確率より下がる確率が高いからです。
ローンを組む人は、例えば5000万の物件を担保にして4500万借りるとします。そして土地の価格が下がってその土地価格が3000万、2500万と下がっていった場合、お金を貸してるほうが不安になり「追加担保を入れてくれませんか❔」「一時返済として少しお金入れてもらえませんか❔」など言ってきてトホホな状態になる場合も考えられます。
もと銀行員でもあるワタシの立場から言うと、こんなとき金融機関は割とクールに対応してきます・汗。
半沢直樹見てれば分かりますが、晴れてる時に(強引に)傘を貸してくれるのに、雨が降り出したら「やっぱ傘返してって」言うのが金融です。
もちろんそんなとこばかりでもないですがね。
【購入のデメリットは割と多い】
話を元に戻しまして住宅購入についてです。
上記の考えをとった場合、「この家・この立地なら何としてでも手に入れたい」というかなんとしてでもここに住みたいが購入以外の道は無い。または手元に余裕資金もある、というのなら購入GOかもですね。
気に入った家に住み、その住環境でずっと暮らすというのは何事にもかえがたいでしょう。
①、ローンなどで物件購入だとして、毎月家賃分として払うお金を払い続ければ財産としての家が手に入るという考えも確かにありです。
しかし金利がかかってくるのと、あとは物件を売る時などに買った値段で売れればいいのですが、4000万の家は買って住み始めた途端に中古物件となり一気に価値が3000万くらいに下がり、この先さらに減っていきます。
このような事実が無いのであれば①のような考えもありなのですが。不動産の価格が今後減っていくとしたら、結局ひと月5万の賃貸部屋に7万払って住むような感じとなってしまいます。
あとは修繕費、固定資産税は自分の持ち出しで、マンションだと修繕積立金・管理費なども取られちゃいますね。
マンションの場合修繕積立金・管理費などは新築のうちは少額なのですが、年数が上がるにつれ右肩上がりです、これも問題ですね。
自分は一応このような事をお客さんには伝えていましたが、伝えない営業マンもかなり多くいたりして。。
結局購入には多くのリスクが伴うということです。
この意味で考えても居住用住宅は財産とは言いにくいのではないでしょうか。
あとは物件購入においては、以下の場合においての最終避難としての引っ越しがしにくいのが気になるのです。
・隣近所がおかしい人(楽しい人の意味ではありません)や意地悪な人だった場合⇒基本的に住宅購入においては「お隣さんとの人間関係」がもれなくセットでついてきます。
・物件購入後にサイコパスが近所に越してきちゃった場合
・購入後に近所に厄介な施設が建ってしまった場合(近年よく問題になってますよね)
・ストーカーに家がバレてしまったなどの場合
・集合住宅購入の場合で購入後に隣とか上、下の部屋が事故物件になってしまい、やはりなんとなく気になるので引っ越したい。
(上記でなくても自分のマンションのどこか他の部屋がそうなっただけで引っ越してしまう人も居ますよね。)
・離婚した、こどもが出て行った、歳とって二階にあがれなくなったなどの事由が生じてきた。
そして地震などの自然災害による全壊、半壊の恐れが常にアリで、台風、大雨の度にドキドキしちゃう~なんてのも難点ですね。
総合的に考えると地震大国の日本に住んでいて、異常気象の頻発する昨今では購入はなかなか思い切りがいりますね、まあそんなこと恐れてたら何もできませんが。
賃貸は自分の城が無いというデメリットはありますが、天災・人災の面から見たらかなりお気楽♪ 嵐が来ようが地震が来ようが「壊れたら大家さんに言って直してもらえばいいや~」、はたまた「引っ越せばいいや~」とライトに構えていられます。
これはビビリのワタシににとっては非常にデカイ。
また近所に変なのが居たらソッコーバイバイ、ストーカーに狙われてもサヨナラサヨナラとお気楽なのです。
まあ、あとはもちろん都会と地方とでは住宅や車を始めとした事情もあり違いは出てきます。地方によっては「ここに永く住んでいただき、住人としてちゃんと納税してくれるなら大歓迎です」みたいなところもありそこでタダ同然で家を買えたり貰えたりするのなら持ち家はかなりアリですよね、自分好みに改築・増築は出来るし。
そして問題なのは歳をとった時どうするかだけはキチンと考えておかなくてはなりません、ということです。。
賃貸において年配者にはおいそれと気軽には物件を貸してくれないところが多いのです。
ただこの点については将来的に人口が減っていき都市や都市近郊では空き物件も増えて大家さんもそうも言ってられない・・・という展開になっていくのではと思って……というか期待しています。
現時点でも空き家はかなり増えて問題になっているくらいですし。
先日 某自動車会社の偉い方が「終身雇用は約束できない」と発言したことから見ても長期のローンは組みづらくなるという問題もありますね。この話はまた後日として。
住まいは賃貸か購入か・・・うーんこれは自分の生き様によるとしか言えないような。
何を重視して生きるかですね。
自分としては賃貸一択なのですが、金銭的にかなり余力があり、どうしてもその土地のその場所に住みたいのだが購入以外その土地に住むのは困難・・・というのならまあ購入、長期ローン組まなきゃならないくらいなら賃貸で。
というのが無難なのかな。
自分の城を持ってこそ一人前・・・と言う時代でもないですしね。