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えっ、あっ分かりました

昨日の物理基礎の授業で、困惑した。

物理基礎では現在波について学んでいる。
私の席は1番前の列で、その中でも1番先生に近い席だ。
物理の先生は60代くらいの男性の先生で、ホリちゃん、もしくは苗字呼び捨てで呼ばれている。
その先生の授業は分かりづらいことで有名で、前期中間のテストのクラスの平均は34点と悲惨だった。

今日は高い音の例を出したかったようで
「オーケストラ部いるか?」と皆に聞いた。
誰かが手を挙げた。それから先生はその子に質問し始めた。
「あの最初に音合わせる時のあの音ってなんだ?」
「えっと、ラです。」
「じゃあ、その周波数ってなんだ?」
「えっ、なんだろう?」
その子は回答に困っていた。

「うーん、確か440くらいだったんだけどなぁ」と先生が言った。
教卓の上にはノートパソコンが置いてあった。
隣の子と目が合い「バソコンあるよね? アレで調べればいいのになぁ」と小さな声で話した。

先生は気づいていなさそうだったので
「あの、先生。あのぉ、そのパソコンで調べてみたらいいんじゃないですか?」とそっと伝えた。

すると「いや僕こういうの苦手でさ。あっ、やってくんないかい?」と言いながら、先生は私の前にパソコンを差し出した。
へっ?と思いながらも、「あっはい。分かりました。」と答えて、パソコンを受け取った。

「あっ、出欠状況のやつ開いてるけど消していいから。」と言われたが、消すのは忍びなくて、そのタブは消さずに新しいタブを開き、周波数を調べた。
調べたところ442ヘルツらしく、先生に伝えると、
「442ヘルツかい? やっぱり440くらいだったなぁ。ありがとう」と言ってパソコンをまた教卓の上に置いた。

それから先生自身の最近の出来事も混じえながら、授業は進んでいった。

周期の長さについての話になり、330÷442という計算が必要になった。
先生は「誰か計算出来るやついるか?電卓とか持ってないんだよなぁ」と言った。

隣の子と目を合わせながら、「これも確かパソコンで調べられるはずだよな🤔」と思い、先生に「先生これもパソコンで計算できます」と言った。

すると先生は「そうなのか。じゃあまたお願いできるかい。」と言って、私にパソコンを差し出した。

「はい」と答えて、電卓を検索し、答えを出して先生に伝えた。
「ありがとう」と言ってパソコンは回収された。

授業が終わったあとに、体育の準備をした。
ジャージや靴を用意して、忘れ物がないか確認していると、先生が何やら教卓の上のパソコンを見つめていた。
なんだろうと思い見てみると、電卓が表示されているタブを見ながら、「なるほど、こうするのか〜」と言っていた。

高一のはじめは、先生のことがあまり好きではなかった。
説明が少々分かりづらく、声が大きいのが苦手だった。それと、よく言う「前回までのことは全て忘れていい。今頑張ればいいからな!」という言葉が少しウザったらしいと感じていた。

でも今はむしろ好きな先生だ。
先生の説明は分かりづらいところはやっぱりあるけど、分からない子がいると知ると「そうか〜分からないか。じゃあもっかい説明するな。」と言って、理解できるように一生懸命に説明してくれる。

苦手だった「前回までのことは全て忘れていい。今頑張ればいいからな!」という言葉も、気負わせないようにというのと、諦めて欲しくないからなのかなと考えるようになった。
生徒のことを考えてくれるとっても良い先生なのだと思う。

今回先生の学びの手助けができたなら良かったなと思う。


読んでくださりありがとうございます😊

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