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電車で15分の近場で湯治してきた

湯治がしたいなって思っていました。
旅行は好きなほうなんですけど、近年、力いっぱい観光するとヘトヘトになってしまうので、のんびりだらっと温泉に浸かるだけの旅行、そういうのをしてみたいなと考えるようになっていました。

湯治といえば長野あたりが有名ですが、ちょっと遠すぎるのでもっと近くで湯治できるところがないかなと探していたら。
箱根湯本に古い旅館をリノベした湯治宿が2017年にオープンしていました。
そこが養生館はるのひかりです。

特筆すべきは、おひとり様専用のお部屋があること。
そのおかげで女性のおひとり様客に大変人気があるそうです。

ところで、私が住んでいるのは小田原です。
小田原から箱根湯本へは電車で15分で、私にとって一番身近な観光地です。
10回以上は泊まってるし日帰りだったら100回以上は行っていると思います。ちなみに一番最初にしたバイトは箱根小涌園のベッドメイクでした。
だからこそ逆に湯治に専念できるかもと思いました。
見知らぬ遠い場所に行ったら観光しなきゃもったいない!という気持ちが働いてしまうかもしれません。

そんなわけで電車で15分の場所に2泊もするという不思議な旅行をしてきました。

近場でよかった点 その1
当日仕事が終わらずに結局昼過ぎまでPCと向かい合っていました。
でも家から1時間もかからずに着けるので全然余裕。

箱根湯本駅からはるのひかりへは、バスで行くのが一般的だそうですが、歩いてでも行けます。ただ坂がすごい。
事前にストリートビューで下見したところ「この距離なら余裕で行ける!」と思ったのですが高低差を頭に入れていませんでした。
正直ヘトヘトになったんで、やっぱりバスが無難だと思います。

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萱葺き屋根の趣きのある建物です。
そしてロビーも趣きありすぎ。

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客室に向かう通路も趣き全開。

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そして!これが、人気のおひとり様専用部屋!!

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ひとり部屋とはいえ、ベッドはセミダブルだし室内も広々!

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机もゆとりたっぷりなので、ここでネームとかの書き仕事もできるぞ!

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個人的に最高に気に入ったのがこのデッキ!
目の前には箱根の山々が広がり、西日も朝日も入ってこない方角なので、ずーっとぼんやり眺めていられる…。
そして見た瞬間から「ここで酒を呑んだら絶対美味い」と思ったので。

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2日目の昼に実行しました。
湯本駅の箱根ベーカリーでパンとサラダを買って、コンビニで小さなワインを買いました。
もうこれ下手な森カフェよりよっぽど素敵ですよ!しかもいつまでいたっていいわけですから。
紅葉の季節になったらさらに素敵だと思います。

そんなわけでお部屋は最高に気に入りました。
そして肝心のお風呂はというと。
風呂場の撮影は厳禁だったので公式の画像を参考にしてください。
男湯と女湯は時間入れ替え制で場所は二階と一階。
二階のほうがほんのちょっとだけ広いです。
12時半から20時までが二階が女湯なので、着いてすぐに二階のお風呂へ。
浴槽はぬるめ、やや熱め、熱めの三種類。
最初に入ったとき熱めの浴槽がマジで熱くて「あっつ!入れねーわ!」と思ったのに2日めにはもう余裕で入れてました。
蝉時雨が降り注ぐなか、解放的なお風呂は最高でした。解放的ゆえに蚊が出るらしく窓ぎわに蚊取り線香が置いてありましたが、その匂いがまた夏っぽくてよい。

食事は18時から。
お食事処でいただくスタイルで、他のお客さんも女おひとり様ばっかりで数組カップルやご年配の夫婦がおりました。
おひとり様向けのカウンター席。

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関係ないけど、ここのスタッフの人たち、老いも若きもみな一様にシュッと痩せてて、健康を売りにした宿として非常に説得力がある。
ここのお食事は養生食といって、野菜オンリーのヘルシーメニュー。

近年胃腸が弱って、一般的な旅館のコース的な食事はとても食べきれなくなっていた私ですが(なので近年はバイキングの夕食のホテルを選びがちだった)公式で養生食の画像を見て「これはいくらなんでも物足りないんではないか…?」と思ってしまいました。
酒も呑みたかった私は、追加メニューの奴マーボー豆腐を注文。

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辛味噌の乗ったパンチのある味で、酒の肴にはちょうどよかったです。
しかしおなかいっぱいになりすぎた…。追加注文しなくても充分酒の呑めましたし腹も満ち足りました。

普段異常なほど食べるのが早い私ですが、ここではゆっくりゆっくり素材を噛み締めるように味わいました。

野菜オンリーといっても動物性たんぱく質禁止というわけではなく、朝食には普通に魚が出ます。

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画面に入りきりませんでしたが、この横に湯豆腐があります。
朝食も大変滋味深かったです。

そんなわけで、お風呂入ってだらだら寝て、次の日はちょっと近所に滝を見に行って、パンを買ってデッキで食べて、また風呂入って、ベッドでうたた寝したりデッキで涼んだりして過ごしました。

テレビはありますが、ほとんど観ませんでした。スマホでツイッターはダラダラやってましたが…。

なんというか非常に自由で贅沢な時間でした。
2日目にお風呂で一緒になったご婦人(60代くらい?)と少しお話したのですが、その方は横浜から来ていて今回は5回めとのこと。
旦那さんはいるけど、たまにこういう一人の時間が欲しくて来るのだそうです。
おひとり様っていまだに寂しいとか侘しいみたいなイメージがつきまといがちですけど、じつはものすごく贅沢な時間なんですよね。
喉から手がでるほど欲しい人だっていっぱいいると思う。

そして一人旅の精神的ハードルが高い人らにとっては、ここは本当に優しい宿だと思います。

褒めちぎってしまいましたが、難点もいくつかあります。

階段がきつい
元の旅館が山の斜面に沿って増築を重ねていったとのことで、この宿にはエレベーターはありません。おひとり様専用部屋は最上階の4階にありますが、せっせと階段をあがらなくてはいけません。
とはいえ初日はゼエゼエいってたのが最終日には難なく昇れるようになっていたので筋力はつくと思います。

売店がない
宿には土産もの売り場もなければ自販機も一台しかありません。
その自販機もビールと水と炭酸水しか売っていないので、清涼飲料水が飲みたい人は事前にコンビニとかで買って部屋の冷蔵庫に入れておくといいでしょう。持ち込みは禁止されていません。
いちおう二軒隣にヤマザキデイリーストアがあるので、いざという時も安心です。

朝食が遅い
朝食が8時半からなのです。
毎回6時前に目が覚めていたので、この朝食までの時間が空腹でしんどかったです。私は我慢しましたけど、間食できるものをあらかじめ買っておくのもいいかもしれません。あとコーヒー党の人はドリップバッグコーヒーを買っておくといいと思います。
一階の読書室でドリップコーヒーを100円で飲むことはできるのですが、上り下りするのが地味に面倒なので…。

近場でよかった点 その2
お土産で散財しない。
私はお土産大好き人間で、旅行に行くとお土産を買いまくってしまうのですが、箱根で買えるお土産はほぼ小田原でも買えるので今回買ったのは妹の好きな、ちもとの湯もちだけでした。
というか観光もタダで観られる川とか滝だったので全然お金が減りませんでした。

あ!そうだ!今回のひとり旅で一番よかった点は川を思う存分観られたことです。
私は水場、海も湖も池も好きですが、一番好きなのは川です。
とにかく川を見つけたらじっと水底を観察して生き物の存在を確認したいのです。でも普通の観光でいちいちそんなことをしていたら同行者にキレられるので普段は我慢しています。
でも今回は自分の好きなペースで川を観られました。

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こういうのは近場ならではというか、初めて行く観光地だったらわざわざ川ばっかり観ないでしょうけど、行き慣れた場所だからこそ普段と違うものを観るゆとりが生まれる…みたいな。

そんなわけで近場湯治は、とてもいいものでした。
そして養生館はるのひかりは激オススメです!

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