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ミステリーきっぷで船旅してきました 2日め

フッ…と暗闇のなかで目を覚ます私。

いま何時…?と枕元のスマホを見ると…2時。

2時いいいいいいいい!!!

これは私の旅あるあるなんですが、旅先ではすごく眠りが浅くなるのと、最近早寝早起きサイクルなので、異様に早く目が覚めてしまうという…。
しかしごそごそしてたら周りに迷惑なんで、とりあえず目を閉じるだけでもしてよう…と再び就寝態勢。

気づくと船がゆる~~く大きく揺れている。
ゆっくりと右…ゆっくりと左に身体が傾いでいる。
これが本格的な揺れかあ……と目を閉じたまま、身をまかせていたんですが。
なんていうか……慣れると気持ちいいですね。
ゆりかごのなかにいるような……ふわふわするような心地よさ。
おかげで眠気が誘われ、完全な二度寝はできなかったんですが、短い夢をくり返しながらまどろんでました。

突然パッと明るくなる視界!!!
客室の点灯時間になったのです。
さるびあ丸の客室は、23時30分に消灯、4時50分に点灯なのです。
6時には伊豆大島に到着するので、準備も含めてその時間がちょうどいいのでしょう。
私たちの部屋でも準備を始める人がいて、どうやら4人が伊豆大島で降りるようです。
ちなみに同じ部屋の人たちとは「あ、すいません」とかの声掛け以外にまったく会話をしませんでした。
もちろん居合わせた人によっては「どこまで行くんですかー?」みたいに会話がはずんだりもするでしょう。
しかしここにいた人たちは誰もがクールで、電車で乗り合わせた人ぐらいの空気感でした。
でもこれでいい……私も別におしゃべりとかしたくないし……そういう意味では同室メンバーガチャは当たりでした。

伊豆大島が近づいたんで、松本さんとデッキにあがる。

まだ夜が明ける前の薄闇のなかを降りていく人たち……なんかエモいね。

雨はやんでいて、ホッとしました。

ゆっくりと明るくなっていく海。神々しい。

せっかくだからと私たちはデッキで朝ごはんを食べました。
松本さんはコンビニで買ったおにぎり、私はターミナルの売店で買ったお弁当。

めっちゃ美味い!めっちゃ美味い!!
海で食べるご飯ってなんでこんな美味しいのかなー。
乗客のなかには、デッキで朝っぱらからビールを呑んでる人もいて…これも旅の醍醐味ですね。
あ、ところで。
船内にはビールや缶チューハイの自販機があるんですが、なんと免許証を挿入しないと買えない仕組みになっているのです。
これ成人してるけど免許持ってない人はどうするんや…と思いますが、事前に買うなり自分らで対処してね!って感じなんでしょうね。
私もこのことは事前に知ってたので、酒類はコンビニで買いました。まあ松本さんが原付免許持ってるので、彼女の免許使わせてもらう手もありますが、結局自販機で酒は買いませんでした。
大島から神津島までまだ4時間もある……。私たちは部屋でゴロゴロしつつも、停泊のたびにデッキにあがり島の写真を撮りました。

利島。たぶん伊豆諸島では一番小さな島。富士山をふもとから切り取って海に浮かべたみたいなフォルム。かわいい!

新島。新島というと私がティーンの頃は夏のナンパのメッカという印象が強く、ティーン誌で「新島で処女を捨てた」みたいなフレーズをよく見かけました。なので幼心にレスボス島のような爛れた島をイメージしていました。とんだ風評被害ですね。

式根島。釣り客が多い印象、けっこうイケてる海辺の温泉があるらしいですが、たとえ降りられても2時間の滞在時間じゃ入れなかったかも。

そしてとうとう……最後の目的地、神津島に到着!!

けっこう人降りていくなー。ミステリーきっぷ以外の乗客もいるだろうしね。ちなみに同室で神津島まで行った人は、私たち以外にもうひとかたおりました。
本来10時到着、10時30分出発のところが、ちょっと遅れて10時10分…。
残り滞在時間20分……。
いちおう港を出てすぐの浜のへんに湧き水が出ているところがあって、その湧き水を飲むのが唯一できるアクティビティらしいのですが、なんかもう港を出て戻るだけでも軽く20分は越えそうなのです。
うんと駆け足で行けばできるかもしれませんが、荷物が重い…!結局、港で海だけ眺めよっ!ということになりました。

海はハチャメチャに綺麗でした。
澄んでいるだけでなく、水に栄養がありそうな感じ。生き物をたくさん育んでいる海って感じで眺めがいがありました。
あっという間に20分は経ち……私たちは再び乗船。
復路は部屋が代わり、今度は14人ぐらいが入れそうな大部屋。まだ私たちしか客がいない貸し切り状態。

今回は毛布を一枚だけ借りました。本格的に寝るわけじゃないし…と思ってたら、わりと道中寝っぱなしでした。
本を読んだりゲームをしたりしていましたが、気がつくと寝こけている……。
これが船のゆりかご効果でしょうか……。普段あまり寝つきのよくない私でさえこんな有様なので、松本さんはかなり本気で滾々と寝ていました。

しかしサンセットは拝みました!綺麗すぎる!!

日も暮れ、19時に船は東京湾に戻ってきました。
東京の夜景はキラッッキラで、私と松本さんは口々に「都会~~~!」「都会~~~!」と言い合っていました。
たかが1日陸から離れていただけで、この浦島気分……。

そうして伊豆諸島フルコンプの強行船旅は終わりをつげたのでした……。
結局、まったく船酔いはしませんでした!
驚いたことに松本さんも平気でした!
これは船が大型船だったことや、部屋が4階だったことや(海面から離れてるほど酔いにくいらしい)いろんな要因があると思いますが、松本さんは一皮剥けた自分みたいなキラッとしたオーラを放っていました。
ただ家に帰ってから、頭のなかがゆら~~と揺れ続けていました。これは陸酔いというらしいです。
いまもなんか微妙に揺れてる感じがする…。

あと、ごろ寝席、意外とイケるなというのも発見でした。
船旅したい欲にかられて「いっそ小笠原旅行でもするか…?」と考えていたとき、客船のランクを見比べて「ごろ寝席はないな~…。24時間船に乗るのにごろ寝は絶対無理!」と思ったのですが、21時間ごろ寝していて全然快適でした。
まあこれも同室の人ガチャとかあると思いますが…。

ちょこっと旅の補足。

持っていったけど必要なかったもの。
耳栓。
エンジン音がかなり響いてうるさいという情報を得ていたので持参したのですが、まったく効果はありませんでした。
なんというか耳から聴こえる音ではなく、身体から響いてくるみたいな…。これが骨伝導ってやつか!と思いました。
ただ同室の人がワイワイうるさいという局面もあるかもしれないので、念のため持っていくのもアリかもしれません。

持っていったらよかったもの。
ティーバッグとかドリップパックのコーヒー。
船内に給湯コーナーがあるのは知っていて、松本さんが「あったかいスープ飲みたくなると思うからカップスープ持ってくわ」と言い、私も紙コップとカップスープを2個ぐらい持っていったのですが、何故ティーバッグ持っていこうと思わなかった?!と後悔しました。
何故かというと自販機にあったかい飲み物がひとつもなかったからです。なんか温かいお茶ぐらいは売ってるだろうと思い込んでいました。
ここの自販機がまだあったか~いの時期じゃなかったのか、通年つめた~いしかないのかわかりませんが、とにかく途中であったかいお茶orコーヒーがめっちゃ恋しくなりました。食堂でホットコーヒー飲んだときは生き返りました。
ちなみに食堂はいつも開いてるわけではなく、朝、昼、夕方、夜に1時間ずつやってる感じです。

とにかく初めての体験づくしで、すごく新鮮で楽しかった!
もっとちゃんと島に上陸して楽しみたいという気持ちにもなったし、伊豆諸島トライアルとしては最適だったんじゃないかと。
ミステリーきっぷは12月と1月にも発売されるので興味のある方は是非!

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