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【橋声人語】橋の日に寄せて

2019年からの5年間と聞いて想像する出来事は何だろうか?84円切手の販売時期と重なる。封書の郵便料金が82円から2円の値上げであったが、土木技術者など橋の業界では衝撃が走ったという。橋(はし)の語呂合わせで84の数字を橋に重ねる。昔から記念切手に地域のシンボルとなる橋がモチーフとなることは多く、橋と84円の2つの意味がかけられていた▼2019年末からのCovid 19、新型コロナウイルス禍下を発端に、原材料値上げ、少子高齢化による働き手不足、追打ちをかけた円高により、あらゆる物価の値上げで国民に大打撃を与える中、郵便業界も例外ではない▼本年10月よりの郵便価格も一気に84円から110円へと上がる。同時に84円橋切手の発行も静かに幕を下ろそうとしている。電子メールへの移行、年賀状の廃止など国民の郵便離れも進む。切手はいつか役割を終える運命にあるのか▼古くから切手は収集対象となり、未使用、使用済みにかかわらず価値を有してきた。稀少な切手や記念日の消印には高値がつくという▼今日8月4日は橋の日でもある。子供は夏休みに入り3回目の週末と重なりお盆を前に一足早い家族旅行の方も多かろう。円高により海外旅行から国内旅行への回帰も▼国内の橋巡り旅行から切手を貼って本日消印の封書でも出してはいかがだろうか。宛先を自分宛にして保存しておけば、孫の代には橋の日、84円、橋の三拍子で高い値がつくかもしれない。

天声人語は、語数603文字、 段落数6段落の縛りがある。橋声人語はその形式を真似して自由なテーマで不定期に書いている。


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