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【感想】NHK 歴史探偵「千利休」を視聴しました

2022年9月7日(水)22:00~22:49、NHK 歴史探偵「千利休」を視聴しました。

<始まる前に>

千利休が切腹させられたというのは確かにミステリーですね。
茶人としてしか知らないので、切腹というくらいですから、武士という扱いなんでしょうか。

<NHKのあらすじ>

茶人・千利休を徹底調査!戦国最大のミステリーとされる切腹の謎に挑む。
浮かび上がった黒幕とは?
さらに、茶わんの科学調査から利休が行った茶の湯の一大革命に迫る。

■スタジオで
千利休のイメージは
佐藤所長「侘び寂び」
・1522年堺の商人の家で生まれる。
・秀吉の側近として政治に関与
・1591年秀吉に命じられ切腹(享年70)
朝鮮出兵反対説・秀吉毒殺未遂説など
主なものだけでも9個以上あります。

■手がかりは小田原!?

バス停に、「天正庵跡」、案内板には、秀吉が千利休に命じて茶室を設けたとあります。
・田代道彌さん
千利休が古田織部に宛てた手紙「武蔵鐙の文」
利休は秀吉の小田原攻めについてきて、茶を立てていたのです。
「紺糸威具足」という甲冑も伝わっています。
秀吉から寵愛を受けていた利休、一介の茶人がなぜそれほど寵愛されたのか?

■なぜ茶人が重用された?

・竹本千鶴さん
信長が家臣に褒美として茶器を与えました。
滝川一益は、「小茄子という茶器が欲しかったのに、上野のような遠い国を与えられた」
茶会も重要な場になり、政治的な話し合いをしました。
秀長の言葉、「内々のことは利休に相談せよ」

■秀吉との間に何が?

しかし、1591年、利休は秀吉に切腹を命じられ生涯を閉じます。
大日本茶道学会へ(新宿区)
・田中仙堂さん
利休が生きていた時代の人たちがどのように見ていたのかを知る必要があります。
同時代史料と後世の史料に分類、同時代史料に何が書かれていたのか。
同時代史料は10それをさらに追放の理由だけに選ぶと2つだけに絞られます。
理由➀茶道具に不当な高い値段をつけて売っていたため
理由➁大徳寺の三門に利休は木像を置いたため

■浮かび上がった不自然さ

不自然な点があります。
木像は切腹が命じられる1年以上前のもの、言いがかりではないか。
それなら、言いがかりをつけたのは誰か?
石田三成が怪しいと思っています。
石田三成が利休を疎ましく思った可能性があるといいます。

■黒幕は石田三成!?

神屋宗湛の日記です。
1586年、秀吉に謁見するため上洛、世話をしたのが三成でした。
神屋宗湛は、34回の茶会を開きますが、なかなか茶会に招かれませんでした。
三成は利休との関係を作らせたくなかった、政治の場から排除したいから切腹に追い込んだ。

■秀吉が切腹を命じた理由

茶席での政治が過去のものになったからだと考えます。
1585年、武士として初めて関白に就任、官位を武将たちに与える権限を得ました。
茶道具にはないメリット、武将の順位付けを視覚化できるようになりました。
茶の湯の持つ政治的力の衰えがあったと考えます。

■スタジオで
河合先生「全国政権になり公の政権なのでシステム化して官僚が動かす節目になったのです」
佐藤所長「なにも殺さなくてもいいのでは」
河合先生「利休には消えてもらうしかなかったのでは」
千利休の和歌があります。
”けがさじと おもふ御法の ともすれば 世わたるはしと 成るぞかなしき”
(訳)汚すまいと尊ぶ道なのにそれを世渡りの術とせざるをえないこの身の悲しさよ
佐藤所長「好き好んで仕えているのではないという感じがします」

■茶の湯とキリスト教の関係とは?

関東学院大学(横浜)ミッション系の大学です。
・スムットニー祐美さん
「ローマイエズス会文書館」の史料
ポルトガル語で書かれています。
ローマ字で書かれた日本語があります。
cama,Tansu,chaxacuなどと書かれた、キリスト教の布教マニュアルです。
宣教師は有力大名に取り入るため、布教に茶の湯を利用していました。
➀信長時代(1580年前後)
➁利休時代(1590年前後)

■千利休 茶の湯の大変革

➀信長時代(1580年前後)を見てみましょう。
書かれているのは形式的な必要最低限な指示だけです。
➁利休時代(1590年前後)を見てみます。
指示がより具体的な内容に変わっています。
利休の影響を受けたためと考えています。
その根拠は、利休が書いた「南方録」をマニュアルとくらべてみると
多くの共通点があります。
xiru(汁)と書かれていてマニュアルと同じです。
茶の湯に変革をもたらしたことがわかるのです。

■常識破りの茶道具

花入、もとは漁師が腰につける魚籠。
巡礼者の瓢箪を花入に使っていました。
質素でも工夫をわび茶といわれる
・筒井紘一さん
肝心なのは、道具ではなく、人を喜ばせたいという心。
逸話、花入に水しか入ってません。
利休は「あなたの頭の中で花を生けてください」と答えました。
道具と人が対話するのではなく、人と人とが対話するのが利休の楽しさだった。

■スタジオで
佐藤所長「かっこいい革命のような気がします」
河合先生「秀吉に会う前は大金持ちでなく、高価な茶道具を買えない、創意工夫で乗り越えようとしたのでは」
「樂茶碗は、陶工・長次郎に命じて作らせた日本製の茶碗を作ったのが大きな変化でした」
これはろくろを使わず、敢えて手捏ねで作りました。
樂茶碗、16代にわたり一子相伝で作られています。

■理想を形にした樂茶碗

・千宗屋さん
身体感覚に寄り添った、体と一体となる心地よさを感じるといいます。

■秘められた仕掛けを探る

赤外線サーモグラフィーで温度変化を調査します。
樂家二代・常慶作といわれる本物の樂茶碗です。
樂茶碗と比較に使うのは天目茶碗と珠光青磁茶碗
80度、70ccお茶を立てるのと同じ温度で調査開始。
天目茶碗と青磁茶碗はすぐに上昇、熱く感じる温度です。
一方、楽茶碗は40度強までしか上がりません。
楽茶碗は、熱しにくく冷めにくい性質を持つことがわかりました。
さらに、茶室にも仕掛けを施していたのです。

■利休が目指した茶の湯

国宝「待庵」
江之浦測候所(小田原)で待庵をモデルに検証します。
入り口に仕掛けがあります。
躙口(にじりぐち)刀を差したままでは入ることができません。
差別のない平等な空間であると。
更に中へ入ると、わずか2畳の狭さ、暗さが重要なポイントです。
視覚を奪うことによってあいまいになる、人と人との境目を忘れさせる演出。
一体感を味わう、心と心が直に交わる空間を実現したのではないでしょうか。

■スタジオで
佐藤所長「政治的に利用されていたことに鉄槌をくらわすくらい」
「平等ということは都合が悪かった」
「泥臭いくらい自分の美学を貫いた意志の強さを感じました」

ーーーおわりーーー

次回は「桃太郎」9月14日(水)放送です。

■感想

数ある仮説に石田三成黒幕説が加わったかなあ?、という感想です。
千利休を偉大な人物と評価するのか、あるいは、政治に関わった側近と評価するのかで見解が分かれるようです。
番組では、偉大な人物という見立てで仮説をストーリー化しているようです。
甲冑も残っているということは、武将として位置づけられていた、ともいえますよね。
しかも切腹で首を晒されています。
何らかの権力闘争に巻き込まれたのでしょうか。
神屋宗湛の日記だけでは、石田三成説を立証するのは難しそうです。
そして、後半の赤外線サーモグラフィは時間つなぎのおまけ、かな。
いつものNHKご自慢の「科学の目で検証」というヤツを無理くり持ってきただけ。。。

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