【感想】NHK 歴史探偵「鉄道開業150年」を視聴しました
2022年5月25日(水)22:00~22:44、NHKの歴史番組「鉄道開業150年」を視聴しました。
<始まる前に>
鉄道の歴史といえば、"汽笛一声新橋を・・・"で始まる鉄道唱歌が思い浮かびます。
そういえば、ブラタモリで横浜の海を埋め立てて線路を敷いたとやっていましたね。
<NHKのあらすじ>
今回は鉄道の歴史!
150年前の日本最初の鉄道遺構が発掘された。
調査すると日本の伝統技術が大きな役割を果たしていた事が。
最新研究から当時の鉄道のCG再現に挑む!
■スタジオで
佐藤所長「スタジオに鉄道模型のジオラマがあります」
文明開化に鉄道が大きな役割を果たしたのです。
明治五年(1872年)鉄道が開業、新橋から品川、川崎、横浜を結ぶ29kmを53分で結んでいました。
徒歩だと10時間かかっていました。
新橋ー品川間に注目、大規模な発掘調査が行われました。
■調査!海の上の鉄道
・斉藤進さん
高輪ゲートウェイ駅近くの工事現場です。
線路を撤去した跡に開業当時の鉄道遺構が見つかりました。
「高輪築堤」といわれる堤で、海の上を鉄道が走っていました。
出土した杭は、石垣が崩れるのを防いでいました。
さらに、150年前のレールが発見されました。
「双頭レール」という形をしており、ひっくり返して使えるようになっています。
鉄道先進国イギリスのものです。
しかし、日本の技術も大きな役割を果たしていたことがわかったのです。
■日本の技術が!
・富川武史さん
案内されたのは東京湾の台場です。
石堤、これが幕末の石垣です。
「布積み」という石材を半分づつずらしながら積み上げる方法です。
高輪築堤と同じ作り方だということがわかります。
台場の日本の技術が鉄道にも生かされているのです。
■スタジオで
河合先生「この築堤はお台場を作った人たちが関わっています」
石と石の間に「しっくい」を使ったようです。
河合先生「漆喰は耐水性があり、湿気には最高の素材です」
佐藤所長「なんでわざわざ海の上を走らせたの?」
■海の上を走らせろ!
明治二年(1869年)近代化を目指す若者、大隈重信と伊藤博文がいました。
二人は財務担当の役人でした。
国を一つにできるのが鉄道、日本の近代化に欠かせないと考えた数少ない人物でした。
大隈は佐賀藩出身で、西洋技術を導入、蒸気機関車の模型を作っていたのです。
伊藤はイギリスへの留学経験がありました。
計画は壮大なもの、東京から、神戸まで主要な港を結ぶ壮大な建設ルートでした。
・芳野貴典さん
明治二年(1869年)鉄道計画を正式に決定、責任者に任命されました。
しかし、大きな壁が立ちはだかります。
西郷隆盛から反対意見が出たのです。
西郷は、近代化で最優先するのは軍備であると主張します。
資金不足という問題があり、1000億円、当時の国家予算の半分に当たる額です。
それでも、大隈は諦めません。
イギリスに多額の借金をすることを決断します。
新橋ー横浜間だけにして鉄道開業を目指します。
しかしさらなる壁が。
「前原一誠伝」
築地付近は軍事の拠点であり、国を守ることができない。
万事休すと思いきや。
陸が駄目なら、海にひく。
兵部省は頑なに建設を反対していました。
海を通す案は、非常に時間もコストも節約できる案でした。
■スタジオで
河合所長「長崎湾に台場を築いたため、台場でも携わりできると判断したのでしょう」
明治五年の座席表です。
三号車は明治天皇、四号車には西郷参議、大隈参議が並んで座っています。
河合所長「大久保利通によると、実際乗ると百聞は一見にしかずと感激したそうです」
佐藤所長「短い距離が近代化の原点だったということですね」
■CG再現 鉄道の旅
鉄道博物館(さいたま市)にやってきました。
・奥原哲志さん
イギリスから輸入した蒸気機関車、第一号です。
実は、当時と今の状態とで形が違うのです。
開業時の姿とは形が変わっていました。
文献に掲載されている、3号機関車の写真をもとにCG再現することにしました。
客車は資料が乏しくよくわかっていません。
・西城浩志さん
オーストリアで発見された1872年の横浜駅の写真に客車がはっきり写っていました。
前は貨車じゃないのかという形です。
絵を見ると人が乗っていることから客車で間違いないようです。
客車のランクが明らかになりました。
板バネという部分を見ると、長さが客車によって違っていました。
■CG再現スタート
スタートは新橋停車場
当時の切符も見つかっています。
英語、フランス語、ドイツ語で書かれていました。
3号機関車、客車を再現します。
発車の合図は太鼓でした。
時速およそ30km、高輪付近を海を見ながら走ります。
終点の横浜停車場に到着。
■スタジオで
佐藤所長「ものすごいインパクトがあったんでしょうね」
■料金は?どんな座席?
1等は、1万5千円くらいです。
1等に乗っている人の写真を見ると、靴を脱いでいます。
荷物は風呂敷ではなく、トランクで時代の変化が見られます。
河合所長「外国の船がすごい数で外国人が日本に殺到してやってきたのです」
「富岡製糸場の生糸を鉄道を通じて海外に輸出されました」
■暮らしを変えた鉄道
ある駅に人気が集まりました。川崎駅です。
・平山昇さん
明治18年1月2日の川崎大師へ初詣の新聞記事です。
初詣に行く人が詰めかけ、鉄道によって生まれた風習だったのです。
江戸時代三が日ではなく、寺社の縁日に合わせて参拝していたのです。
明治になって正月三が日が休日になったことも人気に拍車をかけました。
初詣のスタイルが定着していきました。
■スタジオで
河合先生「鉄道は時間の概念も変えました。西洋の24時間制を導入したのです」
スタジオに京急の車両を用意しました。
ーーーおわりーーー
次回は「幻の東京大改造計画」6月1日(水)放送です。
■感想
明治維新直後に鉄道が開業されたというのは、確かに早いなあ、と思っていました。
この番組で大隈重信と伊藤博文の功労があったということで納得しました。
新橋ー横浜間という短い区間からスタートしたのが成功したともいえますね。
もちろん、背景には壮大な計画ありき。
小さく始めて大きく育てる、重要ですね。
そして、鉄道が時間の概念を変えたというのも面白い。
まあ、これは時間に縛られる現代人への悪い側面もあり、一長一短があるのかもしれませんね。