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久石譲を聞きながら


久石譲を聞きながら

記憶の中の東京の街にいる

みんな遠景になってしまっている

濾された原色の感情の味がする


久石譲を聞きながら

記憶の中の青春の日々にいる

まるで葡萄の房のように人々の顔がたわわに熟している

蒸留されて 葡萄地酒になってゆく

ただ一人の面影をラベルにして


今 日本平原を渡りきって故郷にもどり

この世界に宿り まろびでた家の窓から

久石譲を聞いている

また近々出発するために



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