走りながら思想しよう11. “デジタル植民地帝国がやってくる”
川に淵があり、海岸に離岸流があるように、冒険者は絶えざる遭遇と未知にさらされる。一気に眺望が開けたのか、危険な獣道なのか。踏み込んで見るしかないのがほとんどだ。荒地のエンジンに記録したように、実質日本政府の行政にインビジブルで圧倒的な支配制御力を振るうP社の農業企業N隊との避けられない出会いが再び訪れた。
たまたま災害食自販機モデルを持ち込んだ局のプロジェクトはすでに5年越しのN隊が全県受託している案件だったのだ。農山漁村発イノベーション事業に関する農業者、漁業者発のイノベーティブな取り組みをコンサルティングする人材の紹介派遣を基本とするようだ。“若き権力者”で書いたグローバルエリート、N隊T社長と農水省玄関で再会してから二週間。T社長の紹介でN隊全県中央サポートセンター担当者と会えることになった。理事長は豊かな人脈を持ち私はその部隊を率いて各省庁勉強会が開けているが、N隊との連携接続が可能ならば、一気に理事長人脈のコンサルタントチームが出来上がり、N隊経由で農水省助成金プログラムへのアクセスが可能となる。またN隊の川下と同時に川上に位置することで、プロジェクト原案を農水省と全県に提起することが可能になる。私たちを小人戦隊とするとN隊はインビジブル帝国正規軍だ。私たちをロビン・フッドとするならば、N隊は大陸由来の征服王朝となる。ならば本格的なグローバルモデルをぶちこんでみるか。米軍基地農業とか、日米協働農兵隊とか。自由と友情のノア産業振興艦隊とか。彼らもまた消滅過程に入ったマネー世界の次にやってくるデジタル植民地帝国の大津波に対処する為には黙示録レベルの思想を必要としているはずだから。
■画像は丸善ジュンク堂書店梅田店内のポスターより。
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