琥珀集41.
雪よ
この世の外から降ってきて
輪廻の無限の鎖を包む薄明かり
空は獏として蓋があき
昼も夜もなく大地だけが残る
闇を果てしなく落ちてくる雪を見ると
僕らはその限り無さとながいながい暗さに
昔を思い
狼のように古い血の命を悲しむ
雪明かりの中に仲間と群れ遊んで
いのちを喜んだ昔
僕らはいつかはわかれるもの
僕らはいつかは無くなるもの
雪や大地が僕らを産み落としてもうずっと寂しい
み空の雪が僕らを悲しませるのは
僕らがもう一つにもどれないからだ
■画像はヤフー、雪夜画像より。
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