昏睡状態の村は
私の村の南側を横切って
在来線の黄色い車両が毎日走ってゆきます
多い時は6輌少ない時は3輌
ほとんど人影が無い時にも
列車はのどかに気持ちよさげに
走ってゆくのてす
うつむいている 眠っている人々をのせて
彼らの夢を 彼らの気持ちを
野山にまきながら
空き家の間を走ってゆきます
だいぶ傷んできたな
寂しそうだなと感じる時もあります
もう昏睡状態の村は
列車の夢と渾然一体となって
旅に出てゆくのです
孤独な人々の夢を抱く為に
村もまた夢を見ているのです
■画像はヤフー、廃村画像より。廃村になってかえって人が集まった後頭湾村。TABI LABO。