Webアプリの個人開発でメンターから学んだ3つの重要なこと
はじめに
2022年10月から半年間、「ジーズアカデミー」という起業家・エンジニア養成スクールに通っていました。そのスクールの卒業認定条件はWebアプリの企画から開発、デプロイまでを自分でやりきることです。
卒業制作期間はメンターが付いてくださります。この記事では私がメンターから学んだことを3つ紹介します。
ジーズアカデミーのHPはこちら!
メンターとは
メンターとは、指導者や助言者、相談者などを意味します。メンターさんは議論をしたり、アドバイスをしてくださるのですが、答えを教えてくれる人ではありません。
そのため、「どうしたらいいですか?」という丸投げの質問をメンターさんにしても意味がないです。
「私はこう考えていて、次にこれをするつもりですが、意見を聞かせてください」といった自分の意見に対する質問や相談をすると良いです。
ちなみにジーズアカデミーのメンターさんは以下のサイトから確認することができるのですが、普通に過ごしていたらお話できないようなすごい方たちばかりなので最初はとても結構緊張しました。
メンターの佐野さんとの出会い
メンターたちの中から「この方にメンタリングを依頼したい」と思った方に対してメンタリング依頼を出します。そして依頼が承認されると担当メンターが決定します。
私は、ZoomでISVビジネスディベロップメントマネージャーをされている佐野さんにメンタリングをしていただくことになりました。
メンターから学んだこと
佐野さんとのメンタリングは、週に1回、約1時間、オンラインで進捗報告をするという形式で行いました。
メンタリングでは以下のことを話しました。
その週目標としていたものと実際の進捗状況
次の進捗報告までにやること
プロダクトの方向性(検討している追加機能など)
佐野さんは進捗が悪い時も優しく話を聞いてくださりました。メンタリング前は進捗が悪く落ち込んでいても、佐野さんとのメンタリングを受けると毎回たくさんの気づきが得られ、アイディアとやる気と勇気が湧いてきました。
今回はいただいたたくさんのアドバイスの中で、特に感動した以下の3つのアドバイスとそこから得た学びを紹介します。
軸がブレる
その機能使うかな?
ROIが低い
なお、箇条書きするために短縮しているので、上記の文章だけを読むと冷たい感じがしますが、実際はとても暖かくアドバイスをしてくださりました。なにより本当に親身に話を聞いてくださりました。
では3つのアドバイスの詳細になります。
1. 軸がブレる
これは新機能を追加したいと相談した時にいただいたアドバイスで、かなり迷走していた私を引き留めてくださった大好きなアドバイスです。(大好きなアドバイスってなんだ?笑)
私はジーズアカデミーに入学する1年前に注文住宅を購入したのですが、その際にたくさんの決め事(部屋の間取りはどうする、スタイルはどうする、設備はどうするなど)があり、妻との意見合わせや認識合わせで苦労したという経験がありました。
そこで家づくりをサポートするために夫婦が共同で使用する、写真ベースで情報を共有するアプリを開発していました。
ハウスメーカーの営業や設計士の業務効率を目指すアプリではないというのが私のアプリの特徴であり、軸(こだわり)でした。
なぜなら、私の原体験から私が一番助けたいと思っていた人は家づくりを検討中の夫婦だからです。
ただ、開発をしているとだんだん、設計士に情報を渡して設計士も情報管理できるリッチなアプリにした方が便利と思われるのでは??と考えるようになりました。
そこで佐野さんに「設計士側も情報管理できるめちゃくちゃ色んな機能が入った設計士専用ページを作ろうと思っています!」と相談しました。
その時佐野さんが言ってくださったのが「それをすると最初のコンセプトからズレる気がするよ」でした。
確かに、私が救いたいのは家づくりを検討している夫婦なので、夫婦を助けるための機能開発に注力するべきでした。
また、夫婦を救うアプリと設計士を救うアプリを共存させると「結局これは誰のためのアプリなの?」となってしまうことに気がつきました。
そして私は原点に帰り、「夫婦を救うために必要な機能はなんだ?」という問いに向き合うことができました。
このアドバイスから「機能をどんどん追加したくなるけど、自分の軸を忘れずに"誰のどんな課題を解決したいのか?"を問うことが大切だ。」ということを学びました。
これが一つ目の学びです。
2. その機能使うかな?
二つ目のアドバイスもかなり好きです。
上記の通り、家づくりの検討中の夫婦のためのアプリを開発していました。
開発当初は「夫婦の意見をまとめるんだからチャット機能は必須だろう!」と思っており、佐野さんにも「まずはチャット機能を作ります!」と宣言しました。
その時に言っていただいたのは「チャット機能使う?LINEでよくない?LINEでチャットしていて家づくりの話になった途端、アプリを切り替えたりするかな??」です。
もうアドバイスが的確すぎてぐうの音の出なくて感動しました。
「使いません!!アプリ切り替えません!!めんどくさすぎです!」と心の中で叫びました笑。
そこで私はチャット機能の開発を止め、写真共有(Instagram的な)を主軸に置いてアプリ開発を行うようになりました。
このアドバイスから「世の中に便利なアプリやサービスがある中で、わざわざ自分が作るアプリをユーザが本当に使うか(使いたくなるか)を一旦冷静に厳しく考えることが大切」ということを学びました。
3. ROI(Return On Investment)が低い
私はこのアドバイスが一番好きでした。
ジーズアカデミーでは卒業制作が終わるとセレクションという自分のアプリについて5分で発表する場があります。(スクール内ピッチみたいな感じです)
そこでジーズアカデミーのファウンダーである児玉先生に選ばれた16組は投資家や企業の採用担当者の前でピッチをすることができる権利が得られます。(GGAと呼ばれているピッチ大会です)
私は幸運なことにその16組に選んでいただけました。
そのためピッチに向けてアプリのバージョンアップに取り組んでいました。
開発だけではなく、スライド作成やデモ動画作成、発表練習などやることが多く忙しい日々を過ごしていて、
佐野さんにも
「これをここまでやります。あれもここまでやります。さらにこっちもここまでやるつもりです。今年のゴールデンウィークは家族には申し訳ないけど作業をしようと思います」
と宣言していました。(細かい内容の記載は省きますね。)
その時、佐野さんが
「これはまぁそこまでじゃなくて、ここまででいいんじゃない?それをやり切ってもROI(Return On Investment)が低いんじゃないかな??浮いた1日はせっかくのゴールデンウィークだしお子さんと遊びなよ」と、とても温かいアドバイスをしてくださりました。
その時の私は睡眠時間を削ってでもやり切る!という気持ちでガムシャラでした。それはそれで良い経験だったんですが(好きでやっていますし)、ビジネスマンとしては「それをやった時にどれだけReturnがあるのか」を考えないといけません。
Returnを考えるというのは、私は苦手で。。。
業務においてもあまりできていませんでした。しかし、佐野さんのアドバイスを受けReturnを考える癖が少しずつですがつくようになりました。
このアドバイスから「自分の行動とそこから得られるReturnを常に意識する」ということを学びました。
最後に
佐野さんとの毎週のメンタリングのおかげでたくさんの学びを得ながらWebアプリを自分で企画し、開発しデプロイするということをやり切ることができました。本当にとても感謝しています。
この経験や学びを生かして自分がどうなるのか、何を成し遂げるのかが一番重要だと思います。
ジーズアカデミーを卒業しました。学びを得ました。でも今の私はただそれだけです。何も達成できていませんし、何も変われていません。
いつか佐野さんからの学びのおかげで、こんなことが達成できました。と報告できるように頑張っていきたいと思います。
ジースアカデミーの入学から卒業までの経験談は以下の記事に書いていますので、もし良かったらこちらも読んでいただけると幸いです。