新しい「物語」を創造するために

　 私たちは今、時代の転換点に生きている。 常識が非常識に、正解が不正解に、経済優先 で追い求めた「豊かさ」が深刻な社会問題へ と反転する。今までの社会を支えた価値観に、誰もが違和感を感じ始めている。幸せな人生 とは、豊かな地域社会とは、一体どのような ものなのか？

その問いに、一つの答えはない。 一人一人の個人が、ひとつひとつの地域社会 が、新しい「ものがたり」を創造していく必 要に迫られている。映画「ふるさとがえり」 は、現代の地域社会が抱える、様々な矛盾や 葛藤の物語である。題材の一つである「消防団」の現状は、「つながりとは何か？」と私 たちに問いかける。また「夢」を追い求める 主人公の姿は、「私たちはどこで生きるべき なのか」と、強く訴えかける。「つながり」、 その光と影を、「ふるさとがえり」は映し出 していく。

 「ひとり」―。
「自分の人生の物語」を、愛 して、強く生きること。
 「ひとつ」―。
　生命や社会の「つながり」の 中で、今を生かされていること。

　 どちらかではなく、私たちは「ひとりとひ とつ」の存在で、いなければならない。 「ふるさとがえり」では、その「ひとりとひ とつ」を巡る、深い問いかけがなされる。こ の映画をご覧になった方々が、ご自分の「人 生の宝物」と出会い、かけがえのない「つな がり」を再発見して下さることを心より願っ ている。 愛と希望の物語を。 今だからこそ、ニッポン中へ―。

映画「ふるさとがえり」予告編; https://www.youtube.com/watch?v=fgMATcmM-KQ

（監督　林　弘樹）