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春、丁寧なお別れをしたい。

2019年の3月も半分が過ぎて、月並みだけど「春は別れの季節」という言葉が身に沁みる。

4月から新生活が始まる人はみな、3月にお別れラッシュのはずだ。

そして、僕みたいな送り出す側(もとい残される側)にとってもそれは同じことで、卒業、進学、就職と身の回りの人も次々とここを離れていってしまう。

ついこの間も、行きつけの定食屋のバイトの子が最後のまかないを食べていた。
(長い間ありがとう。お世話になりました。)

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例えば同じ学部とかゼミだったら卒業式、サークルや体育会なら追いコンがあるから、

それは用意された綺麗なお別れの機会わけで、送り出す実感もわきやすい。

「じゃあ、またな!」
そう声を掛け合う場が、僕らの関係に一旦の締めくくりを作ってくれる。

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でも、そこで会えない人との「締めくくり」はどうなるんだろう。
知らないうちにいなくってしまって、それでもう一生会えないなんてこともありそうだ。

だから何だというわけでない。よくある話だ。
ただ、ちょっと寂しい。それだけ。


つくばで会えてよかったなと思える人や、応援したいなと思える人がたくさんいるけど、

そんな人たちと「知らないうちに引っ越した」なんてお別れの仕方はあんまりしたくないなあと思う。

なんだか、本当にもう二度と会えないような気がして、
そしてそのうち思い出すこともなくなる気がして、寂しくなる。


だから、会いに行こうと思った。

久々に連絡をとってご飯に誘った。
最後のバイトの日を聞いて、お店に顔を出しに行った。
その人の頑張りを応援しに足を運んだ。

そこで、ちゃんとお別れの挨拶ができればいいなと思った。
僕は、大切に思う人とちゃんと「丁寧なお別れ」をしたいと思った。

「これからどこで働くの?」
「応援してるよ、がんばってね。」
「あの時こんなことしたなあ、なつかしい!」

話したいことはたくさんある。

会おうと思ったらすぐ会えるうちに、ほんの少しでいいから会って話したい。

きっとそれが僕と君とを一旦締めくくる、「丁寧なお別れ」になる。

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お別れといったって、それがホントの最後じゃないことがほとんどだ。

就職して東京に引っ越した居酒屋のバイトさんも、機会があればその店に来ていてばったり再会することもある。

なんならSNSの時代だし、物理的な距離があって会えなくても、近況は逐一確認出来たりする。


でもやっぱり節目の時には、ちゃんと丁寧にお別れをしたい。
そうしないと、なんとなく、本当にお別れになってしまいそうで。


「じゃあ、元気でね。」「ありがとうね!」を交わす丁寧なお別れが、

いつか「久しぶり!」を生む気がしている。


根拠はない。でも、知らないうちにお別れしてしまっていた人とどこかでばったり会っても以前の距離感を思い出しづらかったり、

向こうが自分のことを覚えているのかすら、とっても不安になる。


そうだ、

「丁寧なお別れ」はいつか「久しぶり!」と再会して、

昨日の続きのように笑顔で話をするための、セーブポイントなのかもしれない。


だからなおさら、

大切に思う人、また会いたいと思う人とは丁寧にお別れしたいと思う。


「じゃあまたね。」「元気でね。」「ありがとう。」

君と、いつか再会するために、

僕は君と丁寧なお別れをしよう。

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(P.S.)

今年もサッカーを教えている子ども達の小学校の卒業式に行きました。

毎年出席していて、子ども達に声をかけたり親御さんに挨拶したりしてます。(今年は式の途中で抜けることになってしまったのが少し心残り)

僕は、関わった子どもたちはみんな覚えているから、当然クラブをやめてしまった子にも声をかけるし、親御さんにも「あの頃はお世話になりました。」と話をしていて、

その子たちとはグランドで会わなくなっているから、成長や変化はより大きく感じるのです。


この「丁寧なお別れ」は、メッセージ。

「ありがとう」と「僕は君たちを忘れないよ」と、


「またサッカーしような!」というメッセージのつもり。


ぼくはそのいつか来る再会を、

このお別れの時に準備しているのかもしれないなあと思ったのです。

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(P.S.)

「丁寧なお別れを大事にしたい」と思ったきっかけは、

11月に行った松本での偶然の出会いでした。

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板谷隼(Hayabusa Itaya)
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