ゆるっと全選手振り返る回<GK~SB編>
毎オフ恒例の全選手の振り返り!今年もやっていきます!
去就が決まってしまった選手・未定の選手ばかりで、並行して発表がどんどんとされていく過酷な環境の中(?)ですが来季への期待・展望も交えつつ……。
括りは出場時間の多かったポジションごとで、まずはGK・SB・CB編です!
■GK
・大内一生
<30試合30先発 2700分 0G 2A 警告0 退場0>
ビルドアップにも積極的に関わる現代型GKで、即戦力として加入するもシーズン序盤は控えからスタート。しかしカップ戦などから出番を得るとそのまま一度もポジションを譲ることなくシーズンを終えた。特に終盤はセービングが冴えわたり、自身のビックセーブでチームを救う事が多かっただけではなく、プレス回避や浅川安藤へのロングフィードなどこれまでの山雅にはあまりなかった"攻撃性能"でも印象深い活躍をした。当然上カテからも好まれるタイプなので「死守だっ、シシューッ!」と言った心境(伝わる人には伝わる)。
・神田渉馬
<8試合 8先発 720分 0G 0A 警告1 退場0>
高卒4年目。そろそろ出場機会が欲しくなる勝負の年に、J1J2で実績がある村山とビクトルの残留に加えて即戦力の大内が加入。とんでもなく過酷な環境に身を置くことになったが、キャンプでのアピールに成功して開幕スタメンに抜擢。編成面を考えると"最大のサプライズ"を起こしたと言っても過言ではない。だが金沢戦で大量失点があったのを機にその後はメンバー外。出場機会を得る難しさを考えると悪くない数字だがトータルで見ると悔しさも残りそう。村山・薄井の満了が決まっており、来季は本格的に正GK争いに加わることになるか。
・村山智彦
<0試合 0先発 0分 0G 0A 警告0 退場0>
今年は出場こそ無かったが、開幕戦と9節からPO決勝までメンバー入りは続け、ベンチから指示や声掛けを続けていた姿が印象的だった。出場すれば計算できるプレーはできていた可能性が高い事から選手として思うところはあったかもしれないが、チームのために戦う姿勢を全面に出し、時には厳しいことも言い続けてくれた姿勢には感謝しかない。今オフで満了になってしまったがまた何かしらの形で山雅に戻って来てくれることを祈っている。
・ビクトル
<0試合 0先発 0分 0G 0A 警告0 退場0>
昨シーズンは終盤にポジションを取り返して失点減に貢献。繋ぎで苦戦していたものの、J3ではトップクラスの経験とセーブ力を持っているので起用法は気になっていたが結局ベンチ入りもないまま。正守護神だった大内と競うとなると"そもそもタイプが違う"ので、強みやコンディションの良さで比較できなかったのが彼にとって不運だったが、あれだけ実力があって不協和音を起こさず、クラブ愛を示してくれたのは当然ではない。来季はどうなるか。
■CB
・常田克人
<28試合 25先発 2264分 1G 2A 警告2 退場0>
昨年の全試合フル出場(38試合38先発3420分)に比べると大幅に出場時間を減らしてしまったので期待を考えると大きく下回ってしまったが、それでもCB陣ではトップの出場時間を記録。山雅では5年目となり、出場時間は5年連続で2000分以上。希少性は言うまでもないが、警告の少なさや稼働率の高さも心強かった。その一方でプロ経験も長くなってきており、DFリーダーとしても絶対の存在感を見せていかなければならない。加入当初と比べて発言にも中堅みが増してきているだけにDF陣を引っ張り、クラブの顔になれるような選手を目指してほしい。
・野々村鷹人
<31試合 24先発 2198分 4G(+3G) 0A 警告2 退場0>
終盤に向けて絶対的な存在になっていたので意外な感じもするが、高橋の加入や5月の負傷の影響があって先発数・時間共に減少。数字的には昨年と比べると物足りない結果となったが、プレー内容は大きく成長。特に毎年向上が見られる保持面、さらに今年はセットプレーから4得点+カップ戦2得点PO1得点の合計7得点を記録したのは大きな成長。得点は全て後半20分以降と劇的な得点が多い"勝負強さ"も印象的なシーズンだった。戦術問わず使いやすい選手になってきたのに加え、得点面の需要は高い。スケール感は上がっているのでどこまで突き抜けられるか。
・宮部大己
<21試合 16先発 1439分 0G 0A 警告4 退場0>
昨年はSBで出番を得る事ができなかったが今年はCBに本格転向。最初は苦しんだが徐々に出場機会は増加。中盤戦4バックでは11試合でカード4枚貯めて累積停止から出場機会を失ってしまったが、終盤3バックにシステム変更してからは定着。左のビルドアップにも果敢に取り組み、PO含む7試合で警告も0で乗り切った。大学時代は4バックを経験も、与えられる役割的にミスマッチ感が強く、そんな中でもプレースタイルのように粘り強くポジション争いに食らいついたのは見事。1試合平均タックル数もぶっちぎりトップだった。戦術次第では一躍中心にもなりうるが来季はどうなる…?
・高橋祥平
<13試合 12先発 1015分 1G 0A 警告1 退場0>
即戦力が期待されて加入するとキャンプの段階から鉄板だった常田野々村コンビに割って入り、序盤からレギュラーとして存在感を示す。左右どちらも使える器用さや広いレンジ、後ろから鼓舞する声掛けなど新たな風を吹き込む姿が印象的だったが、金沢戦の大敗後にしばらくメンバー外に。コンディション面も含めて苦労したか。終盤に再び起用されると3バックの中央で守備陣を支え、失点減にも貢献。一方、最終盤の激しいアップダウンでは負担が大きく、キャパオーバーに陥ってしまったのは否めない。評価がどうなっているか。
・橋内優也
<11試合 4先発 453分 0G 0A 警告0 退場0>
今年も主にクローザーとして出場。出場時間こそ短かったが基本的には投入後の失点はなく、チームとしての「終盤の失点」という課題への1つの解決策になっていた。加えて金沢戦の大敗後もいきなりスタメンで抜擢されるなど引き続き信頼は厚かったように思う。非常に悔やまれるのはPO決勝での被弾。失点自体は(予測が成功していても)防ぐのが難しかったので彼に責任を背負わせるのは酷だったが、それほどの重要な仕事を任されている裏返しでもある。ここ3年ほど「クローザー役」に徹するシーズンになっているがこの結果がどう響くか。
・二ノ宮慈洋
<3試合 0先発 20分 0G 0A 警告0 退場0>
九州リーグの都農からレンタルバックして高卒3年目の年。高橋、宮部とCB陣の層が厚くなったとはいえ、そろそろ出場機会が欲しくなってくるシーズンでひとまずリーグ初出場。だが、実際の出場時間を見ると1分、1分、18分と十分な試合経験を積めたとは言い難い結末に。しっかり出れたのは岐阜戦のみだったが、藤岡・イヨンジェと対峙した経験を来年に生かしてもらいたいところ。来季の立ち位置は編成にも左右されると思うがそろそろ試合に絡んでいきたい、監督交代でチャンスを掴めるか。
・志村 滉
<(JFL)9試合 7先発 647分 0G 警告1 退場0>
3CBの右として開幕スタメンを掴み、数試合はレギュラーとして起用されて攻撃参加や地上戦を武器に持ち味も見せていたがチームの結果が出ないうちにスタメンが流動的に。そこから外れたタイミングでチーム状況が上向き、なかなか出番が回ってこなかった。プロの世界ではよくある話だが、試合に出ないと得られないものもあるので序盤に掴んだ出場機会が何とか今後に繋がってほしいところ。またnoteやプレー集など積極的な発信も魅力の1つ。こうした活動も今はプラスにできる世の中だと思っているのでそれが実になればと願っている。
■SB
・樋口大輝
<33試合 27先発 2366分 6G(+1G) 3A 警告2 退場0>
ルーキーながらSBで最多出場時間を記録(チームでも5位)。ライバルは強力だったが序盤から数字を積み重ね、PO含めると7G3A。個人的にはチームMVPにも選出した。まだまだ守備面や組み立てで課題はあるものの、プロでも通用する高さ・強さ・走力に加え、終盤には自ら仕掛けるシーンが増えるなど成長と伸び代を感じさせてくれているのは今後にむけても明るい。立場的にも"ユース卒大学経由"という新たな道で可能性を示してくれた功績は大きい。当然個人昇格も狙える立場だと思うが、なんにせよ「2年目の壁」をしっかり乗り越えたい。
・山本龍平
<31試合 25先発 2159分 2G 5A(+1A) 警告2 退場0>
高卒で山雅に加入して6年目でようやく主力としてのシーズンに。開幕こそ少し出遅れたが、10節でポジションを掴むとその後は安定して出場時間を積み、キャリアハイの2000分超えと2G5A。菊井の次点、山本康と並んでチャンスメイクの数字も残している。アシストも全てクロスながら相手は浅川、村越、菊井、安藤、樋口と多彩なのもポイントが高く、再現性もあったので中のターゲットが増えれば「さらにアシストも付くのでは?」という期待感もある。まだ24歳で左利き、一気に価値も高まったので複数オファーがあっても不思議じゃないがさらにアシスト数を増やすシーズンにしたい。
・馬渡和彰
<18試合 13試合 1081分 0G 1A 警告2 退場0>
霜田監督の大宮時代は主力としてフル稼働後、浦和での2年はほぼ出場できなかったので、試合勘は不安視されたがキャンプから高い評価を得て序盤は段違いのクオリティを発揮。守備やトランジションでJ3特有のアップダウンに苦戦した場面もありながらようやく慣れてきて、大宮の撃破にも貢献したところで無念の負傷離脱を余儀なくされたのは個人としてもチームとしても痛かった。長野戦ではスタメンにも復帰を果たすも再離脱で最終盤は不在のままシーズンを終え、手術を受けたことも報告。来季は途中からの合流になるがまずは焦らず、少しでも万全な状態に戻したい。
・藤谷壮
<19試合 6先発 679分 1G 2A(+1A) 警告0 退場0>
昨年は28先発と主力としてインパクトを残すも、馬渡の加入や樋口の台頭もあって今年は6先発までに減少してしまい苦しいシーズンに。好調時はスタメンに抜擢されることもあり、その時になかなか良いアピールが続けられなかったのは痛手だったが、1G1Aを記録した大宮戦でのパフォーマンスは間違いなくサポの心に刻まれたことだろう。今年やオフの査定では個での突破よりも連携面や将来性が優先されてしまった不運もあったため、爆発的なスピードを生かしたいチームが出てくればJ2でも活躍しうる武器はある。来季はどこで見られるか。
・藤本裕也
<10試合 10先発 877分 0G 警告0 退場0>
他の大卒選手がレンタル移籍の道を選ぶ中、チームに残り、キャンプではボランチにコンバートされるなどあらゆる可能性を模索。夏にはJFL・青森にレンタル移籍になったが、柴田監督のもとで早々にポジションを掴むと3CBの左として継続的に出場。今年の山雅のCB・SBの役割ではややミスマッチが強く、契約も満了になってしまったものの、青森では3バックやシンプルなロングボールで生きる場面も多く、この時の活躍が効いてきたおかげで完全移籍の契約は勝ち取った。カテゴリーも大事だが合うチームに出会う事も大事、まずは青森での昇格・再会を楽しみにしたい。
MF(ボランチ/2列目)・FW編に続く