前半戦の全選手をゆるっと振り返る<前編>
毎回恒例(?)個人の振り返り記事です
登録ポジションごと、出場時間順に並べてます。良かった点や目立ったスタッツ、今後に期待したいことを中心に、タイトル通りゆるっと書いてるので酒のつまみにするような感覚で読んでいただけると幸いです🙏
■GK
・大内一生
開幕からしばらく出場機会を得られずにいたが9節でポジションを掴むとそこからは守護神として定着。これまでセービングが持ち味のGKが評価されてきた山雅では驚きのイカれメンタ……強心臓で攻撃の第一歩としても高い貢献を残す。ハイボールの安定感にこそ課題を抱えるがそれを補うほどのビックセーブも。後半戦も山雅の新しいGK像を示して欲しい。
・神田渉馬
ベテラン2人に加えて実績のある大内を迎え、厳しい環境に身を置くことに。だが、キャンプでアピールを重ねて開幕からスタメンを掴むと起用に値するプレーを見せ続け、今年最初の月間MVPにも選出。その後はベンチ外が続くも、未来の守護神として可能性を広げたのは間違いない。顔見せは十分できたので(顔もかっこよくて羨ましい)スケールアップを続けたい。
・村山智彦
出番はなかなか回ってこないが開幕からベンチ入りは続けており、まだ経験の浅い神田、新加入の大内を支える。後半戦出番が来るかは外的要因にも左右されそうだが、プレー面は一定評価を得ていて、数が少なくなってきた昇格経験者、ムードメーカーとしても重要な役割を担っていくだろう。
・ビクトル
昨年は正守護神として君臨するも前半戦は4番手の立ち位置に。練習風景を見ても能力があるのは明らかだが、大内の台頭やチームのステップアップによって不利な立場になったのも理由としては明確。その水準まで上り詰めることはできるか。一方、チームがよりセービングに重きを置いた場合は一気に立場が逆転する可能性も秘めている。
(・薄井覇斗)
J1広島に2段階ステップアップ期限付き移籍になった薄井だが未だ公式戦では出番は回って来ず。代表GKの大迫、さらに川浪や田中雄の牙城を崩せずにいる。後半戦も厳しい戦いは続くと思われるが元々出場機会を求めての側面は薄い移籍のはず(狙ってはない)。貴重な機会で多くを吸収したい。
■DF
・樋口大輝
ルーキーながらDF登録では1位の出場時間を記録。馬渡や山本龍、藤谷と強力なライバルと競りながらも左右こなせる強みを生かして出場時間を伸ばし、SBで5G2Aという数字面もリーグでもトップクラス。得点源としても才能を発揮した。守備面や周りを使う部分ではまだまだ課題は多いものの、ルーキーイヤーとしてはこの上ない働きを見せており、個人的には前半戦MVPに推したい。後半戦で継続性を見せていければオフに狙われる存在になりそうなのでサポにとっては嬉しい心配事が増えることだろう。
・常田克人
直近の福島戦の前まではDF1位の出場時間(=DFで前半戦1位)を記録して今年も守備の要として怪我無く試合に絡み続ける。昨年に比べるとやや安定感に難を抱えたが、それでも左足のキックや空中戦はピカイチ。違いを見せられる存在には変わりはない。ただ彼の立場を考えるとやはり2度のスタメン落ちは物足りなさを感じてしまう。後半戦でまずはスタメンに返り咲けるか。
・山本龍平
昨年終盤に左SBに定着。今年は開幕で出遅れてしまうも10節以降は右肩上がりに調子を上げ、そこから1G3A。左足のクロスは芸術点を加点したいほどで今ではすっかり欠かせない存在にまで成長。エースの浅川との相性も良好なのも彼にとっては追い風だろう。セットプレーでのキックも精度が高く、今季唯一の直接FKも芸術的でインパクトが大きかった。あとはここからどれだけ数字を残していけるか、リーグトップ7Aの石田(岐阜)と競える数字を残したい。
・野々村鷹人
昨年同様に監督からの評価は高く、引き続き成長を続ける。怪我で離脱期間があったのが悔やまれるが、山雅の砦として堂々たるプレーを見せており、気迫も強まっている。セットプレーのターゲットとしても存在感はあり、特に3・4月での4G(カップ戦含む)は"無双"と言っても過言ではないゴールラッシュだった。7月に復帰後はCBの1番手として好プレーを続けているので、DF面とここ一番でのガンダムヘッドに期待。
・馬渡和彰
浦和では出場機会を増やせなかったとはいえ、J3ではやはり別格。13節の大宮戦まで、土砂降りだった大阪戦を除き全試合先発。クロスやトラップで技術の高さを見せていたのに加え、周りを巻き込むリーダーシップも魅力的だった。山雅では控えめだった偽SBの動きが徐々に見え始めたところで怪我で離脱してしまったのは痛手でしかないが今後にむけての可能性でもある。復帰すればチームのクオリティを1段階引き上げる力はある。
・宮部大己
プロ入り後は3CBの一角や4バックのSBでの起用がほとんどだったが、霜田体制後は思うように出場時間を伸ばせず4バックのCBに本格転向。それでも高橋、常田、野々村ら壁は厚く、リーグ戦では11節までベンチ入りすらままならない状況だった。だが、野々村の負傷以降にポジションを掴むと粘り強い守備を見せ、7月度には月間MVPに輝いてサポーターの心も掴む不屈の精神力を見せる。層が厚いCB陣の中で後半戦も定位置をキープできるか。
・高橋祥平
丸1年リーグ戦の出場が無く、状態は不安視されていた高橋だったが開幕から5節はスタメンとして存在感を見せる。元々長所だったボールの扱いは山雅ではより一層際立ち、常田との2CBは過去イチと思えるほどボールを握ることを苦にしていなかったように思う。ただシーズン頭以降は出場機会を失い、ほぼ試合に絡めないまま今に至る。再び保持に舵を切る場合、序列を上げる可能性はあるがライバルも強力。まずはベンチ入りか。
・佐相壱明
初のDF登録で山雅ではSBに挑戦。蓋を開けてみるとSHでの起用がほとんどだったが、サイドを上下動する運動量や複数ポジションできる強みを生かせていたように感じる。古巣の大宮戦との試合は粘り強い守備や藤谷との好連携が光っていた。プレー内容が悪くないわりに出場時間が伸びなかった印象なのでゴールに直結するプレーを増やせるかが鍵か。相模原時代のように中央でも計算されると幅も広がりそうだが……
・橋内優也
出場時間は多くないにも関わらず、今シーズンも「困った時の橋内」として多大なる安心感を与えてくれる存在。大量失点した金沢戦の翌週に今シーズン初スタメンを飾ったのはまさにその象徴的な起用、霜田監督から守備面や経験面での厚い信頼を受けているのは伺える。しかし、当落線上の二ノ宮、高橋も評価は低くないのでベンチ入りの争いは熾烈。守備陣の水準を底上げしていきたい。
・藤谷壮
1つ1つのプレーのインパクトは大きいタイプの藤谷だが(個人的には)意外なほどに出場時間は少なかった。特に大宮戦では守備で対面の泉を食い止めつつ、1G1Aと結果を残すなど勝利に大きく貢献したのだが……なかなか評価が伸びずに他SBたちに後れを取っているのが現状。わかりやすい"個の力"は持っているので切り札起用としても向いているはず。目に見えた結果を残せれば……。
・二ノ宮慈洋
レンタルから帰還して再びポジション争いへ。出場はわずかだったが大卒組が苦しむ中ベンチ入りしてくる時点で評価は悪くないのだろう。リーグ戦デビューも果たして大きな一歩を踏み出せた。あとは巡り合わせ次第では出番が回ってくる可能性はあるが佳境になるにつれて不利ではある。どのような道を選ぶかも注目したい。
(・藤本裕也)
今年はキャンプからボランチに挑戦も出番は遠く、シーズン途中7月頭にJFLの青森に期限付き移籍。早速スタメンとして起用されるとフル出場も経験。左利きの3CBの左は欲していたようなのでひとまずチーム選びも悪くなかったように思う。青森から帰還して主力として活躍する村越の例もあるので引き続き経験を積みたい。
(・志村滉)
昨年HONDAに続く2位に輝いて多くの選手を上カテに送り出した浦安でスタメンとして定着。一時離脱?で不在が続いたにも関わらず7月に復帰後すぐに先発にも復帰した。見たい試合では3CBの右として守備面だけではなく、攻撃面でも果敢なオーバーラップを繰り返していたのが印象的で保持にも自信を持っていることが感じ取れた。面白い存在。
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MF、FW編へ続く