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【ファンタジーS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【ファンタジーSの結果】
レースは、好位から手応え良く4角を回り、直線半ばで前を捕えたカルチャーデイ(15人気)が、中団から内を突いて伸びたドナベティ(9人気)の追撃を振り切り、1/2馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にシカゴスティング(12人気)が入り、大波乱決着??

傾向面からみると、まずは「前走重賞1~5着馬」に限定すると[2-3-2-8]複勝率46.7%。出走馬では小倉2歳S3着キャンシーエンゼルが該当も16着。次に「距離短縮馬」が[4-4-4-16]複勝率42.9%。出走馬では新潟芝1600mの新馬戦を勝利したワイドラトゥールが該当も10着。最後に「矢作厩舎」は過去10年で2回の出走ながら、連対率100%。久々に送り込む管理馬ドナベティが2着入線。

血統面で、「父欧州型×母父欧州型」に注目すると、出走馬18頭中4頭内2頭(1着カルチャーデイ、3着シカゴスティング)が馬券に絡んだ。父ディープインパクトの孫(父リアルスティール)に注目。出走馬18頭中1頭内1頭(2着ドナベティ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、京都の芝はA→Bコース替わり。先週は外差し有利の傾向だったが、内側の荒れた部分が概ねカバーされたので、内を通った逃げ先行馬の粘り込みが増えるかも。

【血 統 傾 向】
リファールの血を引く馬
母系にロベルト系の血を引く馬

2023年
1着カルチャーデイ
父ファインニードル(ミスプロ系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2着ドナベティ
父リアルスティール(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
3着シカゴスティング
父ロゴタイプ(ノーザンダンサー系/欧)×母父ロベルト系/欧
2022年
1着リバーラ
父キンシャサノキセキ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ブトンドール
父ビッグアーサー(ナスルーラ系/欧)×母父サンデー系/日
3着レッドビルシューズ
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2021年
1着ウォーターナビレラ
父シルバーステート(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ナムラクレア
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母ノーザンダンサー父系/米
3着ママコチャ
父クロフネ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
2020年
1着メイケイエール
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着オパールムーン
父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/米
3着ラヴケリー
父カレンブラックヒル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2019年
1着レシステンシア
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着マジックキャッスル
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母ロベルト父系/欧
3着クリアサウンド
父キズナ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米

【血 統 背 景】

カルチャーデイ(牝2、栗東・四位洋文)は、父ファインニードル×母ラルティスタ(母父マイネルラヴ)。ザラストロの姪で、ファインルージュのイトコ。ファインニードル産駒で母父がマイネルラヴはイメージ通り、母系にダンスインザダークと京都もピッタリ。線の細い牝馬という感じで新馬戦のレースっぷりは物凄い内容で勝利。気で走るタイプの分距離延長に対する折り合いも、能力はかなりのものを秘めている存在。

同馬は、先行2頭から少し離れた、インの4番手を追走。4角は最内を通って直線入り口で外に切り返し、残り200㍍付近で先頭に立つと、内から追い上げる各馬をしのぎゴール!? メンバー的にもうひとつだったなかの勝利も、勝ち時計1:20.4は京都開催のファンタジーSとしては歴代2位の時計(阪神代替含めると3位)。狙うなら、来年のフィリーズレビューや葵S戦線で期待したい!?

ドナベティ(牝2、栗東・矢作芳人)は、父リアルスティール×母ドナルチア(母父Malibu Moon)。エイシンスパルタンの姪で、AGヴァンダービルトH(米G1・ダ6F)勝ちヴォラタイルのイトコ。母母レディタクはテストS(米G1・ダ7F)とバレリーナH(米G1・ダ7F)に勝った。父リアルスティールはラヴズオンリーユーの全兄でドバイターフに勝ち、初年度からレーベンスティールやオールパルフェを出している。またディープの後継で、ストームキャット内包種牡馬。芝1200で2戦2勝も、前走時424㌔の細身で、脚長でしなやかさもある。クローバー賞は距離よりタフな馬場が応えた。

伯父のエイシンスパルタンは京都・芝1400㍍をはじめ、芝短距離で6勝をマーク。本馬はこれまで洋芝でのレース経験しかないが、血統面を考えれば京都競馬場でのスピード比べにも対応できそう??

同馬は、道中勝ち馬の背後を追走し、4角、直線も一貫して内から追い上げて2着。前走(クローバー賞 1500㍍)最後止まって5着がある経緯も踏まえると、距離はここが精いっぱいか?? いずれにせよ、恵まれての好走であった感は否めない。

シカゴスティング(牝2、栗東・庄野靖志)は、父ロゴタイプ×母マルチスクリーン(母父スクリーンヒーロー)。祖母がマルバイユなので、桜花賞馬のマルセリーナの姪で、ラストドラフトやヒートオンビートのイトコ。父のロゴタイプは朝日杯や皐月賞、安田記念を制したローエングリンの後継で、活躍馬はミトノオーやオメガギネスなどダート志向が少し強め。1400mという距離はよし、直線平坦コースの方が現状は良い印象。流石に前走は相手関係が楽だったのもあり、相手強化でどこまでやれるか!?

抜群のスピードはここに入っても大きな武器となる。伯母に2011年の桜花賞を制したマルセリーナがおり、優秀な母系の出身でもあり、この距離なら再び素晴らしいパフォーマンスを見せられるはず!?

同馬も、2着ドナベティと併せるような形で内から脚を伸ばし3着。内容的な強調点はあまりないが、上位2頭よりは距離に融通が利きそう??


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