【福島牝馬S(G3)回顧~その先へ】血統篇 1 Haya 2023年4月26日 07:00 【福島牝馬Sの結果】レースは、中団でレースを進めたステラリア(8人気)が、直線で脚を伸ばし、その外から追い込んだビッグリボン(2人気)との接戦を制して、これにハナ差をつけ優勝。さらにアタマ差の3着にクリノプレミアム(4人気)が入り、中波乱決着!?傾向面からみると、「荒れる牝馬限定ローカル重賞」は揺るぎなく荒れた。「6~7歳の高齢牝馬」「中山牝馬S1~5着」共に該当するのが、3着入線のクリノプレミアム(牝6)(前走・中山牝馬S 5着)。血統面からみると、非根幹距離の小回りでSadler's Wellsを筆頭に欧州血脈の底力が活きやすい傾向にあるなか今年も「サドラーズウェルズ系の血を引く馬」ステラリア(母父Motivator)が優勝した。(出走馬15頭中4ライン2頭内)【血 統 傾 向】持続力型でパワータイプのレース!?非根幹距離の小回りで、サンデーの血を持たない馬が走る!父が非サンデー系、特に欧州型。ニジンスキー系、サドラーズウェルズ系、ロベルト系の血を持つ馬。2023年1着父キズナ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧2着父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日3着父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米2022年1着父リオンディーズ(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラ系/欧2着父オルフェーブル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米3着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ハンプトン系/欧2021年(*新潟開催)1着父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日2着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米3着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米2020年1着父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日2着父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米3着父ブレイム(ロベルト系/米)×母父ナスルーラ系/米2019年1着父メイショウサムソン(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧2着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米3着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧【血 統 背 景】ステラリア(牝5、栗東・斉藤崇史)は、父キズナ×母ポリネイター(母父モティヴェイター)。愛ダービー馬ジャックホッブスが出る牝系で、母ポリネイターはメイヒルS(英G2・芝8F)勝ち。母父モティヴェイターは英ダービー馬でタイトルホルダーやソールオリエンスの母父。父キズナはディープ産駒のダービー馬で、ソングラインやアカイイトなど牝駒がよく走る。本馬はストームキャット≒ブルーバードのニアリークロスだが、専ら母方のハイペリオン的持続力で走る中距離馬。21年エリザベス女王杯(2着)のように、上がりのかかる持続戦で本領発揮。2021年のエリザベス女王杯で2着に好走した実績馬。本馬はこれが繋靭帯炎明け、昨年の新潟大賞典(5着)以来約11か月半ぶりの実戦で、帰厩後は坂路主体の調整だが、3月下旬から時計を出し始めて乗り込み量は十分に積んでいるが、追い切り本数、時計ともに良化途上といった印象で、決して完調ではなかった。ただ、父キズナに、母父はモンジュー直仔Motivatorという血統から、タフな展開が合う。同レースでは、内枠から中団待機、馬群の中で脚を溜め、勝負所でクリノプレミアムの真後ろに位置をとった同馬は、コーナーではエネルギーを使わず、前が抜け出したスペースを利して極めて効率的に追い上げ快勝!! 団野大成騎手の好騎乗も勝因の一つである。これで戦績は左回り【0-1-0-4】、右回り【3-1-2-2】。仮に、宝塚記念や札幌記念など内回り系の右回りコースに出てきたときに狙ってみたい1頭。ビッグリボン(牝5、栗東・中内田充)は、父ルーラーシップ×母ブリッツフィナーレ(母父ディープインパクト)。キセキの全妹で、ダイワエルシエーロやグレーターロンドンやビッグプラネットの姪で、タイセイディバインやサトノファビュラスのイトコ。母母ロンドンブリッジはファンタジーSに勝ち桜花賞2着。ルーラーシップ×ディープインパクトはドルチェモア、エヒト、ワンダフルタウン、ドゥアイズなどと同じ。キセキと比べるとこちらのほうが牝系のマイラーっぽさも受け、特にダンジグ的な後駆を引いて小回りがきく。福島も悪くない舞台。2度の休養があって出世は遅れたが、2走前で3勝クラスを勝ち上がり、前走のオープン特別・関門橋S(小倉・芝2000㍍)では3着に入るなど、近況の充実ぶりは顕著。菊花賞馬キセキの全妹で、素質はここでも互角以上。同馬は、いい脚で追い込んできたがわずかに及ばず2着。ラスト200㍍で鈍った点は、前走との比較でみても現状の適距離は1800㍍か?? ただ、5歳でまだ9戦と使い込まれておらず、伸びしろはある。クリノプレミアム(牝6、美浦・伊藤伸一)は、父オルフェーヴル×母ダンシングクイーン(母父Giant's Causeway)。サクセスラディウスの下で、牝祖ポシブリーパーフェクトは北米芝牝馬チャンピオン。母父ジャイアンツコーズウェイはストームキャットの代表産駒でレモンポップ、ツクバアズマオー、マスクゾロなどの母父。母系にゴーンウエストが入るオルフェーヴル産駒はジャスティン、シャインガーネット、メロディーレーンなどよく走っている。昨年の福島牝馬Sはクビ差2着で、内回り小回り1800は[2-1-0-1]と機動力が最大限に活きる舞台。昨年の中山牝馬Sで初の重賞タイトルを獲得。6歳初戦となった2走前の中山金杯ではハナ差2着に惜敗した。ハンデ戦の前走・中山牝馬S(5着)から別定戦に替わり、斤量減は好材料。前走以上のパフォーマンスを発揮できそう。同馬は、4角までは唸るような手応えで外を進出してきたが、最後は力尽きた。強い内容で走ってはいるが、こちらも小回りの1800mがベスト!? 「マイルだと短く、2200㍍だと長い」という牝馬は番組選択が難しい?? ダウンロード copy #競馬 #JRA #血統 #G3 #福島牝馬S #クリノプレミアム #ビッグリボン #ステラリア 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート