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【クイーンS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【クイーンSの結果】
レースは、中団から捲ったドゥーラ(1人気)が、好位のインから抜け出しを計ったウインピクシス(9人気)に1馬身差をつけ優勝。さらにハナ差の3着にコスタボニータ(3人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、「4歳」が[5-5-2-26]複勝率31.6%とトップのなか、今年は2着ウインピクシス・3着コスタボニータが入線した。そして、「1・2枠」に入った馬が[5-2-3-8]複勝率55.6%をマークするなか、今年は2着2枠2番ウインピクシス・3着1枠1番コスタボニータが入線した。「前走芝1600mG1出走馬」が[6-4-5-11]複勝率57.7%のなか、今年は5着イズジョーノキセキ(前走G1ヴィクトリアマイル)が最高着順。

血統面で、「父非サンデー系」に注目すると出走馬14頭中7頭内を「母父非サンデー系」まで絞ると4頭中1頭ドゥーラ(1着)が馬券に絡んだ。また、洋芝の混生で施行される札幌競馬場の重賞らしく、総じて欧州血脈のパワーを強調しやすい傾向にあるため、「母父欧州型」に注目すると出走馬14頭中5頭内2頭(1着ドゥーラ、3着コスタボニータ)が馬券に絡んでいる。

トラックバイアスからみると、開幕週だった先週の札幌芝は週中降雨の影響もなく、非常に良い路盤の状態。1800㍍以上でも上がり33秒台を出して連対した馬が複数出たように走りやすく、コース取りや位置取りによる偏りもみられない。末脚の要求度が高い馬場だった。馬場コンディションが「良馬場」なら、実質的に要求される能力は広いコースで直線も長い東京芝と大差なく、このレースに関してもポジションを取ることや器用な立ち回りもほぼ問われない。

【血 統 傾 向】
非根幹距離で反主流血統も走りやすい!?
父非サンデー系、特に母父も非サンデー系。
例年ディープインパクトの血が好走。
デインヒル持ちも強い舞台。欧州の重厚血統。

2023年
1着ドゥーラ
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ウインピクシス
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
3着コスタボニータ
父イスラボニータ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2022年
1着テルツェット
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着サトノセシル
父Frankel(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/欧
3着ローザノワール
父マンハッタンカフェ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2021年(函館開催)
1着テルツェット
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着マジックキャッスル
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
3着サトノセシル
父Frankel(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2020年
1着レッドアネモス
父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2着ビーチサンバ
父クロフネ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
3着スカーレットカラー
父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2019年
1着ミッキーチャーム
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着スカーレットカラー
父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着カリビアンゴールド
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧

【クイーンステークス 血統背景】

ドゥーラ(牝3、栗東・高橋康之)は、父ドゥラメンテ×母イシス(母父キングヘイロー)。函館2歳Sを勝ったクリスマスの姪で、オシリスブレインの半妹にあたる血統。父ドゥラメンテはクラシック2冠馬でタイトルホルダーやスターズオンアースなどの父。母父として優秀なキングヘイローにステイゴールドが母系に入り若干重たさがあり洋芝には向く構成。牝系のスピードと父系の持続力からも中距離向き。札幌2歳Sの勝ち馬から距離コース共に問題ない。オークスは不利を受けずに3着まで、距離ロスよりもストライドロスをしない方が!?

3歳初戦となったチューリップ賞は直線で前が開かず15着、続く桜花賞はスタートで後手を踏み、後方で流れに乗れぬまま14着と大敗を喫した。前走のオークスはスッと控えて後方待機策。平均ペースのなか、道中はじっくり構えて脚を温存。優勝馬リバティアイランドが別格の強さで大きく離されたものの、直線に入ってから馬群の大外へ持ち出すと懸命に脚を伸ばし、2着馬ハーパーとはクビ差の3着まで追い上げた。その後は休養を挟み、本レースに照準を合わせて函館競馬場に入厩。調教では好調時と遜色のない動きを披露しており、仕上げに抜かりはない。

優勝した同馬は、父ドゥラメンテ、母父キングヘイロー、母系の3代父ステイゴールドに父系にトニービンと持続力に特化した血がズラリと並ぶ。牝馬同士の持久力戦なら同馬!! ただ、同時に瞬発力勝負だとあっさり負けることも?? 今後も展開次第か…。

ウインピクシス(牝4、美浦・上原博之)は、父ゴールドシップ×母コスモアクセス(母父ロージズインメイ)。母のコスモアクセスはJRA4勝。祖母のコスモスカイラインはJRAで3勝。父ゴールドシップはステイゴールド系のスタミナ豊富な種牡馬。母父ロージズインメイだから掛け合わせはユーバーレーベンと同じで母系もロベルトを持つので構成はかなり似ている。重賞挑戦を2回して8着13着と壁に阻まれているが、1800mは合うので時計が掛かる展開に持ち込めれば。

2着同馬は、父ゴールドシップが北海道の洋芝に強く、札幌芝1800㍍では【4-4-3-18】単勝回収値は247%もあり、穴のイメージ!? 適度に上がりを要し、コーナーが緩くて動きやすい札幌に適性があり、次走札幌で参戦なら狙い目か!?

コスタボニータ(牝4、栗東・杉山佳明)は、父イスラボニータ×母レディイン(母父Kendor)イチオクノホシの半妹で、父イスラボニータは皐月賞勝ち馬で2000m以下で活躍。母が欧州血統で奥にネヴァーベンドのラインを持つので洋芝への適性は高そう。2走前の阪神牝馬Sで3着と重賞でも通用する力はあり、グリップの効く走りをするので洋芝は問題なし。時計が掛かってくればここでも通用する器。

3着同馬は、2走前の阪神牝馬S以来の好走。スローのマイル戦で好走し、今後もこの距離(芝1800㍍)?? 直線が長く、ペースが緩くなりやすいマイル戦なら今後も十分戦える。


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