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【札幌2歳S(G3)回顧~その先へ】血統篇

【今週のスケジュール】
03日(火)07:00頃 札幌2歳S、新潟記念、小倉2歳Sの回顧
                      ~日刊馬番コンピ篇
04日(水)07:00頃 札幌2歳S、新潟記念、小倉2歳Sの回顧~血統篇
05日(木)07:00頃 日記「術はあるⅡ~その先へ」
05日(木)07:00頃 紫苑Sの「徹底的にデータ分析篇」
06日(金)07:00頃 京成杯AH、セントウルSの「徹底的にデータ分析篇」
07日(土)07:00頃 紫苑Sの「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
07日(土)19:00頃 紫苑Sの「回顧篇」
08日(日)07:00頃 京成杯AH、セントウルSの「予想篇」
08日(日)19:00頃 京成杯AH、セントウルSの「回顧篇」
09日(月)07:00頃 ローズS、セントライト記念
                の「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
個人的に何もなければ、上記通りに更新されます。

【札幌2歳Sの結果】
レースは、アスクシュタインがハナに立ち、淀みない流れとなるなか、中団付近でレースを進めたマジックサンズ(③人気)が4コーナー手前から大外をまわって進出を開始。直線手前で先頭に立ち、押し切りをはかる。これにアルマヴェローチェ(⑥人気)が最内から鋭く迫ったが、マジックサンズは最後まで逆転を許さず、猛追をハナ差凌ぎきって優勝!? 3着にファイアンクランツ(①人気)が入り、中波乱決着??

傾向面からみると、過去20年、1番人気は【7-4-3-6】と勝ち切れないケースが多い。しかし、1着馬20頭中18頭を1~5番人気で占めている。今年の結果は、1着3人気→2着6人気→3着1人気 だった。

血統面で非根幹距離の小回りで反主流血統が走りやすいことから「父非サンデー系」に注目。出走馬12頭中7頭内2頭(2着アルマヴェローチェ、3着ファイアンクランツ)が馬券に絡んだ。また、「サンデーサイレンスのクロス」を持つ馬に注目。出走馬12頭中6頭内2頭(1着マジックサンズ、3着ファイアンクランツ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、札幌芝1800㍍は高低差が1㍍未満と小さく、全周にわたりほぼ平坦。最初のコーナーまでの距離が約180㍍しかなく、最後の直線も約260㍍と短いため、好発を決めた先団勢が幅をきかせやすい。

【血 統 傾 向】
非根幹距離の小回りで反主流血統が走りやすい!!
父非サンデー系、特に欧州型ノーザンダンサー系(大系統)やロベルト系。
サンデー系なら母父米国型。ステイゴールドの血を持つ馬。

2024年
1着マジックサンズ
父キズナ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着アルマヴェローチェ
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
3着ファイアンクランツ
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2023年
1着セットアップ
父デクラレーションオブウォー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/米
2着パワーホール
父スワーヴリチャード(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ギャンブルルーム
父キズナ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2022年
1着ドゥーラ
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ドゥアイズ
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ダイヤモンドハンズ
父サトノダイヤモンド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2021年
1着ジオグリフ
父ドレフォン(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
2着アスクワイルドモア
父キズナ(サンデー系/日)×母父サンデー系/日
3着トーセンヴァンノ
父ヴァンキッシュラン(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2020年
1着ソダシ
父クロフネ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
2着ユーバーレーベン
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
3着バスラットレオン
父キズナ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧

【札幌2歳S 血統背景】

マジックサンズ(牡2、栗東・須貝尚介)は、父キズナ×母コナブリュワーズ(母父キングカメハメハ)。コナコーストやカイルアコナの下で、母コナブリュワーズはJRA4勝(芝1200~1400)。母母アンブロワーズは函館2歳S勝ち馬でロシュフォールやテオドールの母。父キズナは本年度JRAリーディングサイアーを快走中で、キズナ×キングカメハメハはハピやタガノエルピーダと同じ。超スローの新馬戦を力強く抜け出したが、バレークイーン牝系らしい独特の力強さと重厚さがある中距離馬で、洋芝も合っているタイプ。距離はもっと延びてもいい。

函館のデビュー戦は、早めに進出して堂々と押し切った。管理する須貝尚介厩舎は札幌2歳S3勝と好相性。今夏の札幌開催でもトップの9勝を挙げ、開催リーディングを独走している(8月25日終了時点)。厩舎の勢いにも乗って重賞制覇を狙う。

同馬は、スタートは互角も行き脚がなく中団追走。前半は前に壁を作って我慢を利かせて、4角で仕掛けての反応が抜群で、外を回りながらも持ったまま直線へ。抜け出してソラを使ったか、今日も右ステッキで外に張っていたが、内から抜けてきた2着馬に競り勝った。ー度使っての上積みは大きかったよう。短距離に寄った母系に中距離適性を注いだ仕上がり早の中距離タイプで、バレークイーン一族の進化版?? 早い時期からの活躍には期待も、その先は…??

アルマヴェローチェ(牝2、栗東・上村洋行)は、父ハービンジャー×母ラクアミ(母父ダイワメジャー)。モンドキャンノやカリボールの姪で、母ラクアミはJRA3勝(芝1400~1600)。母母レイズアンドコールはアイビスSD3着で、子孫にサクラバクシンオーのスピードをよく伝えている。父ハービンジャーはキングジョージ6世&クイーンエリザベスS勝ち馬でディアドラ、ブラストワンピース、ナミュールなどを輩出。本馬はわりと父ハービンジャー似で、母方のスピードで先行し父のスタミナで粘る1800型。それほど速い脚はなさそうなタイプで時計がかかってほしいか。

本舞台のデビュー戦は、逃げて粘り押し切った。2017年以降の本レースで牝馬は3勝。2020年(勝ち馬ソダシ)と2022年(同ドゥーラ)は牝馬がワンツーを飾った。本馬も牡馬相手に重賞Vなるか、楽しみ。

同馬は、スタート良く先行内枠から中団追走。3〜4角で馬込みから差を詰めると、直線でガラッと開いた内へ。うまく抜け出したかに見えたが、最後は外の勝ち馬の決め手に屈した。好枠を生かした鞍上の巧みな進路取りが光った。惜しい。道悪に強い牝馬は、牡馬との戦いで真価を発揮するイメージがあり、牝馬同士の軽いレースになった際、取りこぼす可能性も…??

ファイアンクランツ(牡2、美浦・堀宣行)は、父ドゥラメンテ×母カラフルブラッサム(母父ハーツクライ)。リレーションシップ(父ルーラーシップ)と7/8同血の弟で、母カラフルブラッサムはJRA3勝(芝1800~2000)。母母トロピカルブラッサムはミレイディBCH(米G1・ダ8.5F)3着でピイラニハイウェイの母。近親にジャストアゲームS(米G1・芝8F)のセレスティーヌなど。サンデーサイレンス3×3とトニービン4×4の父母相似配合で、ゴール前を11.1でまとめてデビュー勝ち。数字ほど鋭さは感じないが地力のある中距離馬。ドゥラメンテ軍団なかなか強力。

新馬戦は好スタートから折り合いに専念して3番手追走。4コーナーで先頭へ立って、上がり最速タイ34秒8を使って、2着馬に0秒2差、3着馬に0秒8差でV。スローペースで勝ち時計は平凡も、その分、ラストのラップが非常に優秀。レース全体のラスト1ハロン11秒1は、今年の同舞台の19鞍中で最速、11秒5を切ったのも2レースのみ。しかも、重、不良馬場だったのは同レースだけで、良馬場なら間違いなく10秒台。ちなみに、デビュー戦のラスト1ハロン11秒1のレースラップは、過去20年の札幌・芝1800㍍の2歳新馬戦では最速タイ。同ラップのレースを勝った2012年コディーノ、2023年パワーホールは札幌2歳Sで1着、2着と連対している。キャリア1戦のなかでも、もっとも素質の高さを感じさせるだけに期待したい!?

同馬は、スタートは互角も行き脚がなく控えて後方追走。じっくりと運び、3角から仕掛けて進出して、勝ち馬のあとを追うように伸びてきたものの、ゴール前で脚いろが同じになり3着まで。自分の時計は走っており、力は出し切れたか。将来性十分。母カラフルブラッサムは中距離タイプもやや晩成型で、他馬とは現時点で完成度の差もあったが、堀宣行厩舎はこういったタイプを大成させる手腕に長けており、今後の成長に期待したい1頭!?


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