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【オーシャンS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【オーシャンSの結果】
レースは、中団から進出したヴェントヴォーチェ(2人気)が、直線で抜け出し、追い込んだディヴィナシオン(15人気)に2馬身差をつけ優勝。さらに1/2馬身差の3着にエイシンスポッター(5人気)が入り、大波乱決着??当然ながら馬券はハズレ…(ノД`)・゜・。

傾向面からみると、今年は例年とは真逆?? 例年「逃げ、先行」馬有利のはずが、上位独占したのは「差し、追込み」馬。優勝した馬の前走G1組だが、2着馬は前走「オープン」組。さらに5歳馬が優勢のはずが、6歳馬が1,2着。

血統面からみると、今年もMr. Prospector系の血を引く馬が1,2着。(1着ヴェントヴォーチェ=母父Distant View/2着ディヴィナシオン=母父Street Sense) ちなみに、出走馬16頭中11頭内、母父ミスプロ系(米国)まで絞ると3頭。さらに、Danzigの血を引いている馬が2,3着。(2着ディヴィナシオン=母母父Flying Spur/3着エイシンスポッター=母母父Danehill) ちなみに、出走馬16頭中7頭内、4ライン(父/母父/父母父/母母父)まで絞ると6頭。

【血統傾向からわかる事柄】

①ダート血統が浮上してくるレース!?
・中山芝1200㍍ : スタート後の下り坂が急、直線も短い 
→前半のペースが速くなり、ラストの急坂でパワーも必要
        (ダートと似たような側面を持つレースになりやすい)
・父ミスプロ系/父の母父がStorm Catが浮上 
→父ミスプロ系はスプリンターズSでも好走血統に挙がる
               (昨年はゴールドアリュール産駒が2着)

②スピード /スピード持続に長けた血統を持つ核上馬も◎
・フォルティノ(直線1000㍍重賞など短距離でも実績アリ)
・4ラインDanzig系(短距離戦ではおなじみの血統)
・父サンデー系&ノーザンテースト持ち

近5年1着〜3着の父、母父の系統
2023年
1着父タートルボウル(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/米
2着父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着父エイシンヒカリ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧

2022年
1着父キトゥンズジョイ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
2着父ゴールドアリュール(サンデー系/日)×母父ロベルト系/米
3着父キズナ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧

2021年
1着父ディープ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
3歳父キズナ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧

2020年
1着父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着父ダイワメジャー (サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着父レイヴンズパス(ミスプロ系/米)×母父ナスルーラ系/欧

2019年
1着父スパイツタウン(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2着父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着父アグネスデジタル(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日

【血 統 背 景】

ヴェントヴォーチェ(牡6、栗東・牧浦充徳)は、父タートルボウル×母ランウェイスナップ(母父Distant View)。プティプランセスの甥でウォータースペースのイトコ。牝祖マサケはハニームーンH(米G3・芝8.5F)勝ち馬。父タートルボウルはジャンプラ賞(仏G1・芝1600m)勝ち馬でアンデスクイーン、トリオンフ、タイセイビジョンなどの父。高速馬場得意のスプリンターだが、タートルボウル産駒らしく馬群はイマイチ。

3歳時に4戦してオール連対と将来を嘱望されていたが、骨瘤で休養へ。復帰後はその評価通り、3勝クラスを2戦で突破した。オープンクラス初勝利となった春雷S(リステッド・中山・芝1200㍍)は、好位から一気に抜け出して2着馬に3馬身差をつける圧勝。勝ち時計の1分06秒8は、ロードカナロアが持つコースレコードに0秒1差という好タイム。G3函館スプリントS(7着)とG3アイビスサマーダッシュ(9着)は崩れたが、前々走のG3キーンランドCは発馬後に窮屈になるシーンを克服しての勝利。直線でスムーズさを欠いた前走のG1スプリンターズS(11着)は度外視できる。

レースは内から主張するオパールシャルムと、断固として引かないレイハリアが競り合うスタート。そこにジャスパージャックや1番人気ジュビリーヘッドらが加わった6頭の集団が先行するなか、それを見るように2つ目の馬群の前目で脚を溜めた同馬は、直線を待たずして4コーナー大外から馬なりで進出し、後続を2馬身離してゴール。G1級の爆発力を持ちながら、安定して常に走るタイプではないのが同馬だけに、次走(G1高松宮記念)に出走して来た場合は疑わしい??

ディヴィナシオン(牡6、栗東・森秀行)は、父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母フギン(母父Street Sense/ミスプロ系/米)。母父Street Senseは米国で走り、「ケンタッキーダービー」などダートG1を4勝。主要距離はダートの中距離。

5走前佐世保Sでは高速決着で勝利している通り、道悪は不向きで高速馬場でこそパフォーマンスを出せるタイプ。近走は不得手な渋化馬場×2と内有利馬場を大外ブン回しというワケ有り敗戦の連続で、得意とする良馬場替わりならば巻き返し可能!! パンパンの良馬場かつ内枠ゲットは好条件。

同馬は、内で溜めて外へ出す、シンプルだが展開と枠をキレイに利用した菅原明良騎手の好騎乗だったが、末脚は確かで、今後も差しが届く条件(パンパンの良馬場かつ内枠)が整えば警戒が必要!?

エイシンスポッター(牡4、栗東・吉村圭司)は、父エイシンヒカリ×母マーゼリン(母父Barathea)。コスモインザハートやエイシンムジカの下で、バリーローンS(愛G3・芝12F)のステラーマスの甥で、母マーゼリンはサンタマリアH(米G1・AW8.5F)2着。父エイシンヒカリはディープインパクト×ストームキャットの黄金配合で香港Cやイスパーン賞に勝った。本馬やエイシンヒテンが代表産駒。ストームキャットとダンジグとハビタットが強い短距離体型で、典型的な短距離の差し馬。

前走の3勝クラス・2022ファイナルS(阪神・芝1200㍍)の勝利。先行していた馬がバテることなく脚を伸ばしたなかで、4コーナー13番手から上がり3ハロン33秒3(推定)で追い込んだ。前々走の3勝クラス・知立S(中京・芝1200㍍)は2着に敗れたが、勝ったマッドクールは次走のシルクロードSでゴール寸前まで逃げ粘り、3着に入った。直線に急坂があり、上がりを要する中山は戦いやすい。

同馬は、シルクロードSで3着だったマッドクールとの対戦関係からしてすぐG1だとまだ荷が重そうだが、同馬が晩成だったエイシンヒカリの子、サマースプリントシリーズあたりでパワーアップできれば秋は面白い存在かも??

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