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【中山金杯(GⅢ)回顧~その先へ】血統篇

【今週のスケジュール】
8日(水)07:00頃 中山金杯、京都金杯の回顧
                    ~日刊馬番コンピ篇 / 血統篇
9日(木)07:00頃 日記「術はあるⅡ~その先へ」
10日(金)07:00頃 フェアリーS、シンザン記念
                     の「徹底的にデータ分析篇」
11日(土)07:00頃 すばるSの「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
12日(日)07:00頃 フェアリーSの「予想篇」
12日(日)19:00頃 フェアリーSの「回顧篇」
13日(月)07:00頃 シンザン記念の「予想篇」
13日(月)19:00頃 シンザン記念の「回顧篇」
14日(火)07:00頃 京成杯、日経新春杯
                の「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
個人的に何もなければ、上記通りに更新されます。

【中山金杯の結果】
レースは、中団追走から直線で各馬を差し切ったアルナシーム(④人気)が、中団後方から脚を伸ばしたマイネルモーント(⑥人気)に1.1/4馬身差をつけ優勝。さらに1馬身差の3着にボーンディスウェイ(⑧人気)が入り、波乱決着!?

傾向面からみると2014年以降、1番人気は【4-1-3-3】の好成績。そのなかでも、関東馬がトップの支持を集めた場合は【4-1-1-2】と高い信頼度を誇る。今年の結果は、1着→④人気、2着→⑥人気、3着→⑧人気 でした。

血統面でまず注目したのは、「父が欧州型かつロベルト系の血を持つ馬」。出走馬18頭中2頭内(1着アルナシーム)が馬券に絡んだ。さらに、「ロベルト系の血を持つ馬」(4代血統表内)だけに注目。出走馬18頭中7頭内2頭(1着アルナシーム、2着マイネルモーメント)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると中山芝2000㍍は、スタンド前直線の急坂を二度駆け上がるタフな形態。時期的に力の要る馬場での施行となりやすく、レイアウトも相まって一定以上のパワーが必要不可欠なコースである。

【血 統 傾 向】
欧州指向のスタミナ、馬力血統!!
父が欧州型
父ノーザンダンサー系(大系統)
ロベルト系の血を持つ馬

2025年
1着アルナシーム
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着マイネルモーント
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
3着ボーンディスウェイ
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ハンプトン系/欧
2024年
1着リカンカブール
父シルバーステート(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ククナ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着マイネルクリソーラ
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ロベルト系/欧
2023年
1着ラーグルフ
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着クリノプレミアム
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着フェーングロッテン
父ブラックタイド(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年
1着レッドガラン
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ロベルト系/欧
2着スカーフェイス
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着ヒートオンビート
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着ヒシイグアス
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ココノトウダイ
父エイシンフラッシュ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ウインイクシード
父マンハッタンカフェ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米

【中山金杯 血統背景】

アルナシーム(牡6、栗東・橋口慎介)は、父モーリス×母ジュベルアリ(母父ディープインパクト)。アルアイン=シャフリヤールの全姉という超良血。母はアルアインやシャフリヤールと同血のジュベルアリ。祖母ドバイマジェスティは米BCフィリー&メアスプリント(ダート7F)勝ち馬。父のモーリスはロベルト系で世界で活躍した名マイラーで、ジャックドールやジェラルディーナなどの父。本馬は叔父2頭がクラシックウィナーという良血。同産駒には23年1着ラーグルフがおり、父系祖父スクリーンヒーローも24年3着マイネルクリソーラを出すなど、この父系統はRoberto系のなかでも目を引く活躍をみせている。2023年勝ち馬ラーグルフと同じモーリス産駒で、立ち肩のピッチ走法からも中山内回りコースは得意条件のひとつ。折り合い面など乗り難しさがあったが、経験を積むごとに競馬を覚え、2024年夏の中京記念で重賞タイトルを獲得した。2000㍍での勝ち星はないが、母はシャフリヤールの全姉で、距離をこなせる下地はあると言える。折り合い面が改善してきた今なら2000㍍への距離延長もクリアできそう。

同馬は、好スタートから控えて、中団後方の内追走。流れが速く、ピタリと折り合い、残り3ハロンを過ぎてから徐々に外へ誘い、4角ではもう先頭集団の直後まで上がっていた。直線は3着馬の外から鋭く伸び、残り1ハロンを過ぎて先頭に立ち、そのままの勢いでゴール。すべてが嗜み合った時の強さはなかなかのもので、最強世代の生き残りが意地を見せた。

マイネルモーント(牡5、美浦・高木登)は、父ゴールドシップ×母ゲッカコウ(母父ロージズインメイ)。母ゲッカコウはフラワーC(G3)2着馬。2代母チューベローズはトロワボヌール(ダート重賞3勝)の半姉で、3代母チューニーはクイーンC(G3)を勝ち、オークス(G1)でも2着と、活力あるファミリー。「ゴールドシップ×ロージズインメイ」はユーバーレーベン(オークス)が出ているだけでなく、出走10頭中6頭が勝ち上がり、連対率22.2%と優秀な成績を挙げてる。本馬は2代母の父がRoberto系なので、ユーバーレーベンと配合構成が似ている。母ゲッカコウはHaloの4×4を持つ軽快な中距離馬で、ゴールドシップ産駒の本馬はサンデーサイレンスの3×4で母の特徴を継続。本馬はRoberto的立ち肩のピッチ走法、一瞬の切れ味はゴールドシップ産駒らしからぬモノを持ってる。好位で運べるなら内回り適性も高く評価できるだけに、今回もポジション取りがポイントとなる。

同馬は、互角の発馬から中団後方追走。4角手前から勝ち馬を追うように進出すると直線も力強く伸びて、2番手に上がったところがゴール。これで中山は5戦して連対率10割。

ボーンディスウェイ(牡6、美浦・牧光二)は、父ハーツクライ×母ウィンドハック(母父Platini)。ブランドベルグの3/4弟で、母ウィンドハックは伊1000ギニー(伊G2・芝1600㍍)勝ち馬。母父プラティニはメルクフィンク銀行賞(独G1・芝2400㍍)などに勝った独古馬チャンピオン。父ハーツクライはサンデーサイレンス直仔の名種牡馬でリスグラシュー、ジャスタウェイ、スワーヴリチャードなどを輩出。ハーツクライ産駒で母方も重厚で、着実に成長を遂げ、昨年中山金杯もしぶとい好位差しで食い下がり4着。3歳時の弥生賞ディープインパクト記念ではアスクビクターモア(その後菊花賞優勝)、ドウデュース(GⅠ5勝)に次ぐ3着に好走。キャリアを積むごとに地力をつけ、前走のオクトーバーS(リステッド・東京・芝2000㍍)を快勝した。重賞制覇へ機は熟した。約2か月半の休養で疲れを癒やし、本レースに照準を合わせて万全の態勢が整えられているだけに期待したい!?

同馬は、発馬を決めると行き脚もついて、先行3番手の外追走。流れは速かったが、手応え十分に追走でき、4角手前から仕掛けると前を交わす勢いで伸びたが、残り1ハロンを切ったあたりで脚色が鈍り、それでも最後まで止まらず、3着は確保。正攻法で勝ちに出た競馬で、地力をつけているのは間違いない。


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